議員ではないですが名古屋市のリコール署名を機に地方議会に興味がわき読んでみました。ある程度地方議会を知っていればそれ程難解ではなく３〜４時間で通読でき地方議会にいくらかでも興味があれば議員でなくとも読む価値はあると思います。
内容は全国の県議会、市議会の改革の度合いを公開度、住民参加度、運営改善度の3点から（具体的には議会基本条例を制定しているか、議会をネット中継しているか、議員個人の議決の賛否を公開しているか、政務調査費の使途をどの程度公開しているか等）採点し偏差値をつけ格付けしています。そしてそのデータを分析して考察を加え先進的な議会を例にとり識者による改革の方向性を示しています。
県議会ベスト３は三重、岩手、宮城が、市議会ベスト３は京丹後市、伊賀市、松本市がランクインしており我が愛知県は37位、名古屋市は299位と残念な結果でした。採点方法が必ずしも公正かは議論の余地があるでしょうがかなりの労力をかけてデータを収集してあり、全国的に見て自分の自治体はどうなのかを判断するひとつの指標にはなると思います。政務調査費の金額、海外視察の回数は議会改革とは相関せず、国内視察の回数と女性議員の割合は相関するというデータは興味深いです。
名古屋をはじめ全国的に議会への不信感は強く、議会改革といえば報酬、定数削減が叫ばれますが理想は議員が民意を吸収し政治に反映していくことであり、偏差値が低い自治体の議員、特に議長には読んでもらいたい本です。

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すくりゃー

地方議会の改革度を見る一つの指標として参考になる

2011年8月26日に日本でレビュー済み

　本書は、最近の地方議会の改革度具合を「公開度」や「住民参加度」、「運営改善度」で偏差値化し、ランキングを行っています。都道府県議会と市議会では、掲載されている一覧表の項目に多少の差異がありますが、これほどのデータを集約したものは中々ないと思います。
　個々の都道府県議会、市議会別にアンケートの回答内容が一覧で見れるので、どの市議会が何を行っていて、何を行っていないのかが分かります。最近の議会改革で注目を集めている個々の議員の議案に対する賛否状況の公開についても、議会広報（だより）やＨＰで公開しているのかどうかなどのデータも見れるので一見の価値があります。
　また、どうしてもランキングに目が行きがちですが、アンケート結果から読み取れたデータに基づいて、都道府県議会と市議会に分けて解説をしていたり、有識者によるコラム等を掲載しているので、議会改革の重要なポイントや今後の課題などが分かりやすくなっています。
　あくまでも、「公開度」などの３点による偏差値によってランキングされているので、これがそのまま各市の議会改革度の進捗状況を表わしているとは言い切れませんが、一つの指標として参考になると思います。これを機に、各々の住んでいる地方議会に興味を示してみるのも面白いのではないでしょうか。

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地方議会改革の実像: あなたのまちをランキング 単行本 – 2011/2/1

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地方議会改革の実像: あなたのまちをランキング単行本 – 2011/2/1

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