質的功利主義と言われるミルを読む前に読んでみた。ベンサムは量的功利主義と言われ様々な批判があるが、本書は1990年刊行の新全集を参照しながらベンサムを擁護する流れである。「最大多数の最大幸福」と定型化するだけではベンサムを理解したことにはならない。彼が言っているのは個人の行動規範ではなく立法における考え方であり、また地域別の実情や経験による修正を重視し機械的な計算を主張しているのでもない。
ベンサムはコモン・ローや自然権を批判する法実証主義の立場に立つが、本書は内容紹介にあるような違憲立法審査の問題が主題ではない。ベンサム批判に対する逆批判として読んでおくのが良いと思う。
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世界の立法者、ベンサム: 功利主義法思想の再生 単行本 – 2007/4/1
戒能 通弘
(著)
- 本の長さ274ページ
- 言語日本語
- 出版社日本評論社
- 発売日2007/4/1
- ISBN-104535515484
- ISBN-13978-4535515482
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登録情報
- 出版社 : 日本評論社 (2007/4/1)
- 発売日 : 2007/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 274ページ
- ISBN-10 : 4535515484
- ISBN-13 : 978-4535515482
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,783,016位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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1970年生まれ。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス法学修士課程修了。博士(法学・同志社大学)。現在、同志社大学法学部教授。専門は法思想史。著書に『世界の立法者、ベンサム』(日本評論社、2007年)、『近代英米法思想の展開』(ミネルヴァ書房、2013年)、『ジェレミー・ベンサムの挑戦』(共編著、ナカニシヤ出版、2015年)、『法の支配のヒストリー』(編著、ナカニシヤ出版、2018年)、『イギリス法入門』(共著、法律文化社、2018年)、『法思想史を読み解く』(共著、法律文化社、2020年)、訳書に、P・スコフィールド著『功利とデモクラシー:ジェレミー・ベンサムの政治思想』(共訳書、慶應義塾大学出版会、 2020年)、G・ポステマ著『ベンサム「公開性」の法哲学』(単訳書、慶應義塾大学出版会、2023年)。
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