高校生時代にこの大会に参加したことがある。その時に過去問題を研究したが、その裏にはどのような背景があったか、読み物として楽しむことができる。ただ、プログラミングの本としては不適切だろう。
高校生がプログラミングにかける姿を書いた本は殆ど無い。決して人口は多くないが、青春の時代にプログラミング、競技プログラミングに注力する高校生たちのドキュメンタリーは面白い。友人に幾人もそういう人がいて、この書籍がそれを実現しているのもまた良い。サッカーや野球といったスポーツや、音楽や美術といった芸術、あるいは科学研究などの分野での高校生の活躍が取り沙汰される昨今、プログラミングに駆ける高校生の姿はその方面でしか言われないのが誠に残念である。
本書はそんな「残念な点」にスポットを当てている。高校生たちの熱闘を描いている。むしろ、もう少しプログラミング色を薄くして、ドキュメンタリーとして出してはどうだろうか。過去問題の研究等にはあまり役立たず、「報告書」のような内容になっているので、出来れば各回の問題と解答例を集めたような「問題集」的な書籍と、各界の熱闘を描いた「ドキュメンタリー」の文庫との2冊に分けて再版されることを祈っている。その時は勿論、今までの大会の集大成と記せばよいのではないだろうか。
プログラミングの本として評価したときに星3つで、高校生のプログラミングドキュメンタリーとしてみたときに4〜5個であるので、中間を取り4個とした。
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