死という闇の中から誕生した《医術の神アスクレイピオス》の祭祀風景を、有名な聖地を巡りながら眺めていく1冊。旅の始まりはローマ。読者はここから時と場所をさかのぼる形で、エピダウロス、コス島(医聖ヒポクラテスの出身地!)、そして最後に最も古い聖地、テッサリア地方のトリッカにいざなわれます。この旅によって再構築される、前ギリシア的、非ホメロス的な神話世界とは。そして古代人が考えた、癒し、病から回復することの本質とは。
それは、ゼウスが投げ放って天から地へと落下する稲妻の閃光と表裏一体の、泉の如く冥府より沸きいでて世界にあふれる光明と言え、同時にこの旅は光を追及するギリシア人が締め出していった地下水脈を求める旅とも言えます。
・・・しかし、ある特定の神の聖地を巡る旅とは、たとえ小著といえど、贅沢なものです。ギリシアの多様な神それぞれにこうした旅が可能(?)であろうことを思うと心が躍ります。神話学のみならず、宗教学、深層心理学、古代医術史からも注目すべき本ですが、ギリシアの旅の1つの形が示されていて興味深いです。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
医神アスクレピオス: 生と死をめぐる神話の旅 単行本 – 1997/5/1
ヒポクラテスの先祖にしてその崇拝対象でもあったアスクレピオスは、神にして同時に人でもあった。医術とは自分の傷に苦しむことで得た治療知識に他ならず、最良の医師とは死すべき人間と苦を共にする存在であることを明らかにする本書は、現代の医の在り方にも一石を投じよう。貴重図版57枚掲載。
- 本の長さ172ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日1997/5/1
- ISBN-104560019916
- ISBN-13978-4560019917
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
ピポクラテスの祖先アスクレピオスの根源像を通して、医術とは医師自ら傷に苦しむことで得た治療知識にほかならないことを解明し、現代の医の在り方にも一石を投じる。図版多数掲載。
登録情報
- 出版社 : 白水社 (1997/5/1)
- 発売日 : 1997/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 172ページ
- ISBN-10 : 4560019916
- ISBN-13 : 978-4560019917
- Amazon 売れ筋ランキング: - 268,177位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中3.9つ
5つのうち3.9つ
5グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。