NHK BSで「ロシア 小さき人々の記録」をもう15年ほど前でしょうか観た事があります。
忘れかけていた頃、つい最近ですが再び地デジで再放送してくれたので録り直して観ました。
スヴェトラーナ アレクシエーヴィチの「ロシア 小さき人々の記録」でもポーランドのポグロム
を取り上げていました。
それが気にはなっていたのですが、1944年のワルシャワ蜂起を調べている最中に、どうも
ポーランド人とユダヤ人との間に確執がある事が薄く見えて来ました。
まず読んだのは
ガリツィアのユダヤ人―ポーランド人とウクライナ人のはざまで
です。
これで、背後に何があるのかようやく理解出来ました。
次にこの「アウシュヴィッツ後の反ユダヤ主義」。古本屋で探していたのに出会えたので早速
読んでみましたが、なんと濃厚な内容でしょうか...
長年探してたのはこの本だと確信しました。
説明を読むと戦後の話だという事だったのであんまり戦前の話とは関係が無いと思ったのですが大間違い。
戦後すぐだからこそ、ナチスから解放された直後にこの様な事件が」起こるという事は大問題なのです。
フェイトレス‾運命ではなく‾ [DVD
]を観た時に、収容所から還ったユダヤ人が感じた違和感...
この映画はハンガリーの出来事でしたが、同様の感覚が
黄色い星の子供たち [DVD
]を観た時のフランスでも感じました。
それではポーランドでは?というのが疑問だったのですが、その壮絶さたるや他の国の比では無いようです。
かなりエグい内容ではありますが、これが人間の本質なんでしょうね。しっかりと読みましょう。
ある意味では
アウシュヴィッツ収容所 (講談社学術文庫)
などよりも遥かに強烈な内容です。
初読では非常に難しいのですが、終戦後の共産化とユダヤ人の関係についての第六章の記述は実に興味深いです。
本文中でも必読として紹介されている
奪われた祖国ポーランド―ミコワイチク回顧録
も機会があれば
読んでみようと思います…
#たまたまこの本を古本屋で見つけた際、レジにたまたま居たユダヤ人の方に話しかけられました。
#「もしも、今の日本の人口の1/3が非日本人ならどう思いますか?」
#過去の物事を学んで行くには、具体的に自分たちの生活に置き換えてみないと重要さを理解できないものですね
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アウシュヴィッツ後の反ユダヤ主義: ポ-ランドにおける虐殺事件を糾明する 単行本 – 2008/5/1
- 本の長さ462ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日2008/5/1
- ISBN-104560026319
- ISBN-13978-4560026311
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商品の説明
出版社からのコメント
森達也氏、推薦!
1946年7月4日、ポーランドのキェルツェにおいて、ユダヤ人に監禁されたという子どもの嘘が引き金になり、地元住民が40人あまりのユダヤ人を殺害、財産を略奪した「ポグロム」(ユダヤ人迫害)が起きた。戦後最悪の虐殺事件であった。
ドイツの支配下にあったポーランド人は、アウシュヴィッツをはじめ、ナチスの蛮行を間近で知っていた。しかし戦時中にはイェドバブネで、戦後にはキェルツェで、大規模なポグロムが起きた。それは一体なぜなのか?
本書は最新の資料と研究により、まるで「推理小説」の謎解きのように、真相を暴いてゆく。ホロコーストと共産主義を座標軸として、第二次大戦の独ソ関係、ポーランドとソ連・連合国の関係、抵抗運動、社会構造、東西冷戦の始まり、スターリンのユダヤ人政策、衛星国の状況、カトリックの動向、シオニズム運動など、1945年をはさむ十年間が厳しく検証される。最後は「反ユダヤ主義」の核心に迫り、戦慄を禁じえない。
森達也氏の推薦文を引く。「直視は辛い。でもしなければ。これは決して遠い時代の遠い国のお話ではない」
登録情報
- 出版社 : 白水社 (2008/5/1)
- 発売日 : 2008/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 462ページ
- ISBN-10 : 4560026319
- ISBN-13 : 978-4560026311
- Amazon 売れ筋ランキング: - 622,552位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 95位古代ギリシア史
- - 1,620位ヨーロッパ史一般の本
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年4月27日に日本でレビュー済み
2014年5月25日に日本でレビュー済み
第二次世界大戦中、ドイツが行ったユダヤ人の大量虐殺を知る人は多いだろうが、本書では、知る人の少ない戦争後ほどなくして起きたポーランド人によるユダヤ人虐殺事件について書かれている。
その背景として、戦争前のポーランドにはヨーロッパ最大(350万人)のユダヤ人が居住していたこと、それもあって元から反ユダヤ主義が根強かったことなどに加え、ポーランドの共産化や一度は追放されたユダヤ人の財産の問題などといった戦中・戦後期における政治・経済状況があったことなどが丁寧に辿られている。
虐殺事件そのものについても詳細に描かれているが、前日までは“隣人”であったユダヤ人に、ポーランド人が石を投げたり、殴る・蹴るなどで平然と死に追いやる姿には慄然とする。この「普通の人々が仲間の市民を襲撃し、しかも長時間にわたって殺害を繰り返」したことを考えると、エピグラフにルワンダの大量虐殺を描いた『ジェノサイドの丘』から引用があるのも、納得しやすい。
また、そういった状況のなかでユダヤ人を匿い、その命を救ったポーランド人たちが、以後もその事実を隠さなければならなかったことも大きな問題である。おそらくそれは、「訳者あとがき」で触れられているように、著者が前著『隣人たち』で戦時下におけるイェドバブネ村における虐殺事件の真相を告発したときに、ポーランド人自身の犯罪を真摯に見つめようとする意見に対し「謝罪マニア」といったレッテル張りなどが行われ、歴史認識に関する論争が起きたこととも大いに関係しているように思われる。
事件に巻き込まれ病院で治療を待つユダヤ人を殴り「無防備な人間もなぐれないようではポーランド人の恥だ」と言う人間と、後々とはいえ当時を振り返りこういった事件が、「たとえどの時代に起こったとしても、ポーランド社会の恥である」と感じる人間、どちらが本当に“恥”であるかは自明なことだろう。そして、これはポーランドに限ったことではない。
なお、「章末注」「巻末注」で名が挙がっている『ラニツキ自伝』『灰とダイヤモンド』『普通の人びと』は、邦訳も出ている。
ポーランド政府はイェドバブネ事件について調査した後に公式に謝罪している。同様にフランスでもヴェル・ディヴ事件について謝罪するなど、自国の過去の“犯罪”と向き合う状況は少しずつだが広がっているように思われる。
その背景として、戦争前のポーランドにはヨーロッパ最大(350万人)のユダヤ人が居住していたこと、それもあって元から反ユダヤ主義が根強かったことなどに加え、ポーランドの共産化や一度は追放されたユダヤ人の財産の問題などといった戦中・戦後期における政治・経済状況があったことなどが丁寧に辿られている。
虐殺事件そのものについても詳細に描かれているが、前日までは“隣人”であったユダヤ人に、ポーランド人が石を投げたり、殴る・蹴るなどで平然と死に追いやる姿には慄然とする。この「普通の人々が仲間の市民を襲撃し、しかも長時間にわたって殺害を繰り返」したことを考えると、エピグラフにルワンダの大量虐殺を描いた『ジェノサイドの丘』から引用があるのも、納得しやすい。
また、そういった状況のなかでユダヤ人を匿い、その命を救ったポーランド人たちが、以後もその事実を隠さなければならなかったことも大きな問題である。おそらくそれは、「訳者あとがき」で触れられているように、著者が前著『隣人たち』で戦時下におけるイェドバブネ村における虐殺事件の真相を告発したときに、ポーランド人自身の犯罪を真摯に見つめようとする意見に対し「謝罪マニア」といったレッテル張りなどが行われ、歴史認識に関する論争が起きたこととも大いに関係しているように思われる。
事件に巻き込まれ病院で治療を待つユダヤ人を殴り「無防備な人間もなぐれないようではポーランド人の恥だ」と言う人間と、後々とはいえ当時を振り返りこういった事件が、「たとえどの時代に起こったとしても、ポーランド社会の恥である」と感じる人間、どちらが本当に“恥”であるかは自明なことだろう。そして、これはポーランドに限ったことではない。
なお、「章末注」「巻末注」で名が挙がっている『ラニツキ自伝』『灰とダイヤモンド』『普通の人びと』は、邦訳も出ている。
ポーランド政府はイェドバブネ事件について調査した後に公式に謝罪している。同様にフランスでもヴェル・ディヴ事件について謝罪するなど、自国の過去の“犯罪”と向き合う状況は少しずつだが広がっているように思われる。