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カルメンの白いスカーフ 単行本 – 2005/11/15

5.0 5つ星のうち5.0 4個の評価

商品の説明

出版社からのコメント

 いわゆるプリマドンナのなかでも、人気、歌唱力の点でとりわけ傑出した存在を「ディーヴァ」と呼ぶ。20世紀オペラ界でその筆頭はマリア・カラスだが、メゾソプラノという地味な声域でありながら、長くスカラ座の女王として君臨したのが本書の主人公ジュリエッタ・シミオナートである。
 シミオナートがイタリア歌劇団のプリマドンナとして初来日した1956年、絶頂期の彼女を聴いた文豪谷崎潤一郎は「あれが人間の声か!」と感嘆したという。現在イタリア文学研究者として活躍する著者がテレビを通じてそのシミオナートの声に初めて接したのはそれから3年後、まだ小学生のときだった。歌声に魅せられファンレターを出した著者と歌姫との間に長い文通が続くが、70年代初め、著者がローマに留学したときから、シミオナートは著者の「イタリアのマンマ」となり、生活の細部にいたるまで面倒を見た。それから30年、90を越えて今も矍鑠たるシミオナートは、歌の指導やオペラ界の行事に活躍するが、強い意志と鋭い知性を兼ね備えた彼女はまた、20世紀イタリア文化の生き証人でもある。この「生きた文化財」を「保存」しようと決意した著者は、彼女からさまざまな証言を引き出す。本書はシミオナートの波乱の人生、多くの歴史的人物との交流、そして何よりも魅力あふれるその素晴らしい人間性をあますところ無く描いて大きな感動を呼ぶ。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 白水社 (2005/11/15)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/11/15
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 225ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4560027846
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4560027844
  • カスタマーレビュー:
    5.0 5つ星のうち5.0 4個の評価

著者について

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武谷 なおみ
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上位レビュー、対象国: 日本

2013年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は著者武谷なおみ氏の自伝ではなく、イタリア留学時に彼女の身元引受人になってくれたオペラ歌手ジュリエッタ・シミオナートとの出会いと交流、そしてその友情に捧げられた回想記で、自身の生涯を多く語りたがらなかったプリマドンナの意外なプロフィールを知ることができる貴重な一冊だ。武谷氏の忌憚のない文章から、シミオナートは自己に正直で、尊厳を大切にしながらも常に謙虚な人柄であったことが偲ばれる。華やかな舞台生活を続けてきた歌手としてはむしろ稀なことではないのだろうか。それは彼女の生い立ちや長かった下積み時代が培った性格でもあり、そのことを彼女は生涯忘れることがなかったのだろう。またあの万能選手のようなメゾ・ソプラノが、裕福な家庭で順調に才能を伸ばした人ではなく、正式な音楽教育も受けていなかったという事実には驚かざるを得ない。つてにも乏しかった彼女が才能に恵まれながらも37歳になるまで脇役しか歌わせて貰えなかったが、主役を努めるようになってからもオペラがはねた後、多くの歌手達はレストランに繰り出したが、彼女は自己を見失わないようにするためにホテルの部屋に戻って一人粗食に甘んじた、というエピソードも慎ましやかだが、決して付和雷同しない芯の強い性格を良く伝えている。

彼女が言った「歌い手仲間は同僚であっても、友達ではない」という言葉にも真実を見抜く鋭い洞察がある。その中でマリア・カラスとは本音で話し合えた友人であったのは、我儘で高慢な典型的プリマドンナのように思われているカラス自身にも、どこか相通じる性格があったのではないか。低い声のメゾ・ソプラノがプリマドンナとして君臨することは難しい。ましてオペラの殿堂スカラ座にひしめいていたカラスやテバルディ、そしてデル・モナコやディ・ステファノと共にオペラの黄金時代を築いた彼女の実力と、その引き際の潔さはオペラ歌手の中でも記憶に残されるべき存在に違いない。この回想記は幸いシミオナート生前中に出版されたが、彼女は2010年に99歳の生涯を全うした。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2011年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
イタリア都市伝説などで愛読していた陣内さんの推薦図書であったので、最初は図書館からのレンタルで読んだが、感銘し、どうしても持っていたい本、家族や友人にも回して読んで貰いたいと思い購入した。
幼い少女の、デイーバへのファンレターから始まった二人の出会い。しかしそこから二人の関係はどんどん深まってゆく。まずはシミオナートという海外の一流の歌姫が、日本の一少女のファンレターにきちんと対面し返事を書いたこと。そこから文通が始まる。そして少女は、イタリア語を勉強し、大学では留学を果たす。少女も普通の少女ではなかった。この二人の間の内面の充実がどんどん近づいてゆく。留学ではシミオナートが身元引受人を引き受け、さらに関係は密になってゆく。お互いに切磋琢磨し、更なる高みに向けて階段を上ってゆく。国境も人種も関係のない魂のふれあいが書かれている。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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