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味覚の巨匠エスコフィエ 単行本 – 2004/2/1
- 本の長さ332ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日2004/2/1
- ISBN-104560039992
- ISBN-13978-4560039991
商品の説明
出版社からのコメント
南仏の小さな村の名もない蹄鉄工の息子に生まれたオーギュスト・エスコフィエは、モンテ・カルロのグランド・ホテルの料理長となり、そこでセザール・リッツと出会う。総支配人リッツと料理長エスコフィエのコンビは、ロンドンのホテル・サヴォイ、カールトン・ホテル、パリのホテル・リッツといったホテルで、次々に大成功をおさめ、その後のフランス料理の歴史に一大変革をもたらす。彼は料理を簡素化し、メニューの中にコース料理を導入したりして、女性にも愛される料理を確立した偉大なシェフとしてフランス料理の歴史に燦然と輝く人物である。 「新しい料理の発見は、人類にとって一つの惑星の発見以上のものである」というブリア=サヴァランの格言は、エスコフィエの座右の銘であった。彼は顧客に食卓の喜びを与え、顧客は彼を料理の巨匠と呼んだ。エスコフィエはこう記している、「献立はなによりもまず、一遍の詩である」と。彼は数えきれないほど多くの料理を創造した。なかでも有名なのが、当時の歌姫に捧げた「ペッシュ・メルバ」である。1935年、彼は栄光のうちに89歳で生涯を閉じた。
本来は単なる家事の一つにすぎなかった料理が、今や、なぜ芸術とみなされるようになったか。なぜ三ツ星レストランが美食において最高の場所とみなされ、そのシェフが世界的な名声を得ているのか。著者はエスコフィエの生涯をたどりながら、読者にこれらの疑問を解き明かす。
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 白水社 (2004/2/1)
- 発売日 : 2004/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 332ページ
- ISBN-10 : 4560039992
- ISBN-13 : 978-4560039991
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,248,211位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 621位フランス史
- - 1,876位フランス文学 (本)
- - 3,444位ヨーロッパ史一般の本
- カスタマーレビュー:
著者について
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上位レビュー、対象国: 日本
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副編集長などを歴任。
無論、本書の主人公はフランス料理の革命家、オーギュスト・エスコフィエ。
彼の父は火の使い手たる鍛冶屋、そんな生まれを紐解くにはじまり、料理人としての出世、
華々しき名士との交流、セザール・リッツとの出会い、オテル・リッツ、リッツ・カールトンの成功、
教本の出版など、この偉大なる《roi des cuisiniers》の生涯をめぐる伝記。
なるほど確かに氏をめぐるエピソード集としては面白い。しかし、残念ながら小説としては
片手落ちと斬るほかない。
例えば「料理にはほとんど情熱がわかな」かったはずのひとりの少年が、いつの間にか
レシピの暗唱を心がけるほどに料理にのめり込むこととなる。しかし、その隔たりを埋める
出来事は何もなく、ただ「料理にも、最初に想像していたよりずっと巧妙で秘密めいた面が
あるのだとわかってきた」との文章が差し挟まれるのみ。訳者は本書を「小説的」と賛辞するが、
こうした発見を具体的に文体で読ませる技巧を欠いて、何が「小説的」なのか。
これに限らず全編がほぼこの調子なのである。
文章をもって「衝撃を与え」ることを放棄して、露骨に「衝撃を与えた」と記し、その「衝撃」の
度合いに関してはほぼ読み手の想像力にお任せ、と言うのでは書き手の怠慢も甚だしい。
種々の出来事がターニング・ポイントとしての意味づけも与えられぬまま、重層性も統一性も
持たぬまま、概ね年代順に列挙されるばかりでは、たとえそれらが単独のエピソードとしては
興味深いものであろうとも、物語としてはもはや成立していないと指摘せざるを得ない。
翻訳もあまりよろしくはない。意味内容がもはや理解不能ということはないのだが、単語の
チョイスがなかなかに微妙。precieuseに「プレシューズ」とそのまま音を当てて、丁寧に
注釈を加えてみたり(文中に頻出するでもなく、重要語句でもないこれくらいの単語には、
訳語をざっくり当てなければきりがないだろう、と私などは思ってしまう。このような親切は
料理名や人名など固有名詞に対してより多く向けられるべきではなかっただろうか)、例えば
上顧客のprince of Walesを「ウェールズ皇太子」と訳してしまうのもいかがなものか。
これがもし本書を原案としてドラマなり映画なりを製作するというのならば、それはいかようにも
楽しく仕上げることはできよう。あるいは、テキストとしても、読み手各人の果てなき空想力の
補足によって、またそうあるのかもしれない。そして、その逆もまた然りか。
要するに素材としては悪くない、あとは料理人の腕次第、といったところだろうか。