イタリアの大文豪アレッサンドロ・マンゾーニと家族の姿を
膨大な数の書簡を軸にして新たに描き出している。
母親のジュリアから始まり孫娘のマティルデの結婚まで
一族の歴史が時系列で述べられているが
神格化されていた貴族作家とは言えども家庭の悩みは
時代や階級を問わず似たりよったりなのだと思わせる。
嫁姑の軋轢、気の強い後妻、自分勝手な子供達や健康問題。
前半は作家として苦悩する姿が多数うかがわれるが
後半は家長としてのマンゾーニの孤独が主となる。
構成の柱となる書簡の取捨選択は著者にまかされており、
それゆえこれは彼女の目を通して作り上げたマンゾーニ像である。
イタリア本国では「新しいマンゾーニ」と言われ評判になったようだが
そもそも従来の「偏狭で男性的なイメージ」を知らない者にとっては
その点は評価しにくいというのが正直な感想である。
「家族とは何か」を問う読み物としては非常に上質であり、
イタリア貴族階級の風俗・習慣を知る意味でも読んで損はないが
共通の歴史や文化を持たない海外の文学を紹介する難しさを感じさせる作品である。
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マンゾーニ家の人々 単行本 – 1988/9/1
ナタリア キンズブルグ
(著),
須賀 敦子
(翻訳)
- 本の長さ528ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日1988/9/1
- ISBN-104560042608
- ISBN-13978-4560042601
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登録情報
- 出版社 : 白水社 (1988/9/1)
- 発売日 : 1988/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 528ページ
- ISBN-10 : 4560042608
- ISBN-13 : 978-4560042601
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,849,930位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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