某文芸誌に、作家を志す者に勧める著書リストがあって、
中でも、『小説の技巧』の評価は高かったと思います。
そして、もうひとつ、読むきっかけになったポイントは翻訳者です。
柴田元幸氏と斎藤兆史氏。
さすがにお二人の手による訳はすばらしく、
とても翻訳とは思えないほど自然な文章です。
内容はタイトルに示されるように、
小説のテクニックを解説したものです。
「書き出し」から始まって「結末」までの50の目次で構成されていますが、
特に初めから読まなくてはわからないということでもなく、
ぱらっとめくって好きなところから読み始めてもなんの不都合もありません。
各項目とも、初めにジェーン・オースティンやフィッツジェラルドなどによる名文があり、
後の部分で解説を行うという形をとっています。
解説といってもけして堅苦しいものではなく、
さまざまな例をあげてわかりやすく説明しています。
作家を志す方だけではなく、
英米文学に興味のある方にもお勧めです。
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小説の技巧 単行本 – 1997/6/15
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読者を小説世界に引きずりこむために作家は書き出しにどんな工夫を凝らしているか。サスペンスを持続させるにはいかなる妙技が必要か。登場人物の名前がもつ意味は。「エマ」「ユリシーズ」から「ライ麦畑」「日の名残り」まで、古今の名作を題材にその技法を解明し、小説味読の楽しみを倍加させる一書。
- 本の長さ333ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日1997/6/15
- ISBN-104560046344
- ISBN-13978-4560046340
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
ジェイン・オースティンからポール・オースターまで古今の名作を素材に、小説の書き出し方、登場人物の命名法、文章反復の効果など作家の妙技50ポイントを鮮やかに解明。小説昧読の楽しみを倍加させる。
登録情報
- 出版社 : 白水社 (1997/6/15)
- 発売日 : 1997/6/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 333ページ
- ISBN-10 : 4560046344
- ISBN-13 : 978-4560046340
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年6月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小説を書くには技巧が必要ですが、そのテクニックについて書かれた本ですね。
小説を読むことはあっても、それがどのような工夫の基に書かれているかを意識することはあまりないとは思うのですが、そこに興味のある人には面白いと感じられるはずです。
例えば、次のような指摘には、なるほどなとうなずいてしまいます。
いかにも喋っているような雰囲気は、実は、「本当の」作者が計算に計算を重ねて、丹念に推敲を加えた結果である。かりに現実の話しぶりを忠実に模倣した語り口で書いたとしたら、会話を録音してそのままテープを起こしたものと同じで、ほとんど理解不可能な代物しか出てこないだろう。計算して作り出したものこそが、本当らしさ、誠実な響き、真実を語っているという印象を生み出すのである。
また、次のような指摘も深いですね。
ある本が「独創的」であるというのは――よく用いられる賛辞ではなるが――いったいどういう意味なのだろう? たいていの場合、それは作家が前例のない何ものかを創造したということではなく、現実の慣例的、慣習的描写法から逸脱することにより、我々がすでに観念的な「知識」として持っているものを「感触」として伝えたということだ。異化とは、つまるところ「独創性」の同義語である。
他にも、参考になるテクニックや考え方が示されているので、小説のテクニックに興味のある方にはお勧めです。
小説を読むことはあっても、それがどのような工夫の基に書かれているかを意識することはあまりないとは思うのですが、そこに興味のある人には面白いと感じられるはずです。
例えば、次のような指摘には、なるほどなとうなずいてしまいます。
いかにも喋っているような雰囲気は、実は、「本当の」作者が計算に計算を重ねて、丹念に推敲を加えた結果である。かりに現実の話しぶりを忠実に模倣した語り口で書いたとしたら、会話を録音してそのままテープを起こしたものと同じで、ほとんど理解不可能な代物しか出てこないだろう。計算して作り出したものこそが、本当らしさ、誠実な響き、真実を語っているという印象を生み出すのである。
また、次のような指摘も深いですね。
ある本が「独創的」であるというのは――よく用いられる賛辞ではなるが――いったいどういう意味なのだろう? たいていの場合、それは作家が前例のない何ものかを創造したということではなく、現実の慣例的、慣習的描写法から逸脱することにより、我々がすでに観念的な「知識」として持っているものを「感触」として伝えたということだ。異化とは、つまるところ「独創性」の同義語である。
他にも、参考になるテクニックや考え方が示されているので、小説のテクニックに興味のある方にはお勧めです。
2012年11月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
評価の難しい本である。
英米文学の名著たちの一部分を例として、そこに用いられた技巧(テクニック、手法)を著者が解説する。
小題ともなっているそれらを挙げれば、「視点」「反復」「言外の意味」「アイロニー」などなど。
文学批評家でもあり、自身も小説家である著者の解説は事細かく、かつ重質で引用も多岐に渡る。
その点、この本自体が良質な本であることは疑いない。
ただ問題は、一冊の本として読んだ時、どうも底浅く感じられてしまう所。
これは全く著者の責任ではなく、この本が元々新聞の連載をまとめたものである事に由来しよう。
上記の小題の数は50にも及ぶ。それが300ページほどの中に詰まっている。
その為、いくら一つ一つが優れていても、内容に「解説」以上の深みを求めることは出来ない。
つまり通して読むと「一冊」としての印象があまり残らない。
たとえば占い本のように『一日一回、任意のページを開いてその小題を読む』というなら大変結構だろう。
ただ一冊の読書物として対峙するのには向かない。
あくまで新聞連載をまとめたものであり、一つの構成を意図して書かれたものではない、という事を弁えねばならない。
一般の人が読むのはちょっときついだろう。専門家が読むのは良いだろう。
さらに小説家を目指している人より、批評家を目指している人のほうが参考になる本だと思う。
英米文学の名著たちの一部分を例として、そこに用いられた技巧(テクニック、手法)を著者が解説する。
小題ともなっているそれらを挙げれば、「視点」「反復」「言外の意味」「アイロニー」などなど。
文学批評家でもあり、自身も小説家である著者の解説は事細かく、かつ重質で引用も多岐に渡る。
その点、この本自体が良質な本であることは疑いない。
ただ問題は、一冊の本として読んだ時、どうも底浅く感じられてしまう所。
これは全く著者の責任ではなく、この本が元々新聞の連載をまとめたものである事に由来しよう。
上記の小題の数は50にも及ぶ。それが300ページほどの中に詰まっている。
その為、いくら一つ一つが優れていても、内容に「解説」以上の深みを求めることは出来ない。
つまり通して読むと「一冊」としての印象があまり残らない。
たとえば占い本のように『一日一回、任意のページを開いてその小題を読む』というなら大変結構だろう。
ただ一冊の読書物として対峙するのには向かない。
あくまで新聞連載をまとめたものであり、一つの構成を意図して書かれたものではない、という事を弁えねばならない。
一般の人が読むのはちょっときついだろう。専門家が読むのは良いだろう。
さらに小説家を目指している人より、批評家を目指している人のほうが参考になる本だと思う。
2014年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
純文学の醍醐味を少しずつ集めたようなこの本。開くたびに学ぶことがあります。ただ何となく呼んでいた巨匠の作品が、また違った色合いでよくもとができました。しばらくの間、机の上に立てかけて、ことあるごとに開くことになりそうです。
2006年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容が意外と難しく、さらっと読める物ではなかったが、デイヴィッド・ロッジの洗練された文章と軽妙なユーモア、さらに柴田氏の適切な訳のおかげで飽きることなく読めた。
文章から登場人物の心情を読み解く、という類の、読み手を対象に書かれた本ではなく、あくまで書き手、また小説の奥深さを知りたい人のために書かれた本であろう。非常に緻密で明晰な説明がなされている。
本書を読むまで私は「マジックリアリズム」という言葉は聞いたことがなかったが、小説を読む上での知識として、参考になる言葉をいくつか学べたのも良かった。
この本が国語のテストで役に立つことはまずないだろうが、あなたが小説を純粋に愛しているならば読んで損はない。
文章から登場人物の心情を読み解く、という類の、読み手を対象に書かれた本ではなく、あくまで書き手、また小説の奥深さを知りたい人のために書かれた本であろう。非常に緻密で明晰な説明がなされている。
本書を読むまで私は「マジックリアリズム」という言葉は聞いたことがなかったが、小説を読む上での知識として、参考になる言葉をいくつか学べたのも良かった。
この本が国語のテストで役に立つことはまずないだろうが、あなたが小説を純粋に愛しているならば読んで損はない。
2014年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いろいろな分析の視点があると驚きました。ただし、
専門書の分類にはいりますね。英語圏の作品しか
対象としていない点に物足りなさを覚え、星4つ
に。 2014・3 らんこ
専門書の分類にはいりますね。英語圏の作品しか
対象としていない点に物足りなさを覚え、星4つ
に。 2014・3 らんこ
2010年1月9日に日本でレビュー済み
本書を読んだのは97・8年頃だったと思いますが、最近になって読み直す機会があって、面白い本だなあと改めてつくづく感心したので、レビュー(批評)というより広く紹介したいという思いで投稿します。
小説に用いられる様々な技巧に関して論じている本書の、その目次の一部を先ず抜粋してみます。
01. 書き出し(オースティン他)
・・・
06. 視点(ヘンリー・ジェイムス)
・・・
17. テクストの中の読者(ローレンス・スターン)
・・・
20. 凝った文章(ナボコフ)
・・・
34. 信用できない語り手(カズオ・イシグロ)
・・・
46. メタ・フィクション(ジョン・バース)
・・・
50. 結末(オースティン他)
上記の如く全50章から為る本書の各章で、その各章冒頭に、章の目玉であり採り上げようとする小説的な各技巧のその「サンプル(訳文)」が載っています。モノによっては原文(英文)も付されます。上記抜粋した目次に続くカッコ内の名前は、技巧サンプルとして採り上げられた作品の作者たちです。それらサンプルに次いで、その「技巧」への著作者(ロッジ)の説明が続く構成となっています。
この章立てと構成が先ずは面白いです。技巧への説明も、各技巧の持つ意味・意義やその効果に対してユーモアを交えながら懇切に解説されます。更に巻末には、引用されている作品のリストが全て掲げられており、作品原書への読者の興味をいざなう仕組みになっています。
ひじょうに面白くて、且つ、面白いだけでなく有益な書物です。小説の(書き方もさることながら)読み方に大いなる指針を与えてくれます。文句なくお勧めできるホンです。
小説に用いられる様々な技巧に関して論じている本書の、その目次の一部を先ず抜粋してみます。
01. 書き出し(オースティン他)
・・・
06. 視点(ヘンリー・ジェイムス)
・・・
17. テクストの中の読者(ローレンス・スターン)
・・・
20. 凝った文章(ナボコフ)
・・・
34. 信用できない語り手(カズオ・イシグロ)
・・・
46. メタ・フィクション(ジョン・バース)
・・・
50. 結末(オースティン他)
上記の如く全50章から為る本書の各章で、その各章冒頭に、章の目玉であり採り上げようとする小説的な各技巧のその「サンプル(訳文)」が載っています。モノによっては原文(英文)も付されます。上記抜粋した目次に続くカッコ内の名前は、技巧サンプルとして採り上げられた作品の作者たちです。それらサンプルに次いで、その「技巧」への著作者(ロッジ)の説明が続く構成となっています。
この章立てと構成が先ずは面白いです。技巧への説明も、各技巧の持つ意味・意義やその効果に対してユーモアを交えながら懇切に解説されます。更に巻末には、引用されている作品のリストが全て掲げられており、作品原書への読者の興味をいざなう仕組みになっています。
ひじょうに面白くて、且つ、面白いだけでなく有益な書物です。小説の(書き方もさることながら)読み方に大いなる指針を与えてくれます。文句なくお勧めできるホンです。
2015年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトル通りの本だが、英米文学、というよりイギリス文学に偏って作家が取り上げられてる、というのは注意。オースティンくらい読んだことのある人でないなら、結構そのあたりの記述は読んでて退屈だろうと思った。あと、著者が自分の小説執筆時の体験について語っているが、そこもどうかな。人によっては冗長に感じるかも。
面白かったのを以下書き出し。
1.書き出し(小説の冒頭は、われわれが住む現実世界と、小説家の想像力によって生み出された世界とを分ける敷居に他ならない。したがって、まさに作家がわれわれを中に「引きずり込む」場所であると言っていい。)
9.意識の流れ(「我思う、故に我在り」がモットーだと言ってもいいが、小説家の「我思う」の中には、思考だけでなく、感情、感覚、記憶、空想などさまざまなものが含まれている(中略)現実はますます主観の中に(中略)「意識の流れ」小説は唯我論ーーすなわち自分自身の存在以外に何一つ確かなものはないという哲理ーーを文学的に表現したものであるが)
11.異化 12.場の感覚 17.テクストの中の読者(スターン「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」
25.表層にとどまる(自己などというものは時代遅れのブルジョア的概念にすぎないとカークは信じている。個人とは条件づけられた反射的行動の束にすぎず、人間が唯一自由になる道は大文字の「歴史」のプロットを見きわめ、それと協同することだと彼は考えている。(補足:プラスして、過去系ではなく現在形の語り))
27.複数の声で語る。(ミハイル・バプチンが「多声」(ポリフォニー)もしくは「対話」と呼んだ、小説散文の一特性)
38.シュルレアリスム(マジック・リアリズムにといては、現実と幻想のあいだに緊張をはらんだ結びつきがつねに存在している。そこで起きるありえない出来事は、現代史のはらむ極度のパラドックスを表わす一種の隠喩なのだ。これがシュルレアリスムでは、隠喩こそが現実となって、理性と常識の世界を抹消してしまう。(補足、シュレアリストの創作の源は夢)
面白かったのを以下書き出し。
1.書き出し(小説の冒頭は、われわれが住む現実世界と、小説家の想像力によって生み出された世界とを分ける敷居に他ならない。したがって、まさに作家がわれわれを中に「引きずり込む」場所であると言っていい。)
9.意識の流れ(「我思う、故に我在り」がモットーだと言ってもいいが、小説家の「我思う」の中には、思考だけでなく、感情、感覚、記憶、空想などさまざまなものが含まれている(中略)現実はますます主観の中に(中略)「意識の流れ」小説は唯我論ーーすなわち自分自身の存在以外に何一つ確かなものはないという哲理ーーを文学的に表現したものであるが)
11.異化 12.場の感覚 17.テクストの中の読者(スターン「紳士トリストラム・シャンディの生涯と意見」
25.表層にとどまる(自己などというものは時代遅れのブルジョア的概念にすぎないとカークは信じている。個人とは条件づけられた反射的行動の束にすぎず、人間が唯一自由になる道は大文字の「歴史」のプロットを見きわめ、それと協同することだと彼は考えている。(補足:プラスして、過去系ではなく現在形の語り))
27.複数の声で語る。(ミハイル・バプチンが「多声」(ポリフォニー)もしくは「対話」と呼んだ、小説散文の一特性)
38.シュルレアリスム(マジック・リアリズムにといては、現実と幻想のあいだに緊張をはらんだ結びつきがつねに存在している。そこで起きるありえない出来事は、現代史のはらむ極度のパラドックスを表わす一種の隠喩なのだ。これがシュルレアリスムでは、隠喩こそが現実となって、理性と常識の世界を抹消してしまう。(補足、シュレアリストの創作の源は夢)