本書の魅力は、単なる物語でもなく、単なる自叙伝でもなく、単なる技術紹介の本でもなく、それらが全て混ざり合い、良いバランスが保たれた作品だということであろう。
主人公が書籍修復の世界にのめりこんでいく様は、各修復作業の詳細な描写で肉付けされ、読む側にも緊張感とリアリティーを持って伝わってくる。
訳者あとがきで、市川恵里氏は、きちんと翻訳できるようにと、自ら書籍修復の基礎を学んだということを知り、なるほどと思った。基礎があったからこそ、日本語での自然で詳細な描写が可能だったということだ。
もちろん、専門的知識が無い者が読むのが難しいということではない。むしろ書籍修復の世界を全く知らない人にこそ、覗いてみてほしい本だと思う。
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古書修復の愉しみ 単行本 – 2004/9/1
ダブルポイント 詳細
当代一の書籍修復家に弟子入りした女性が、書籍修復家として成長する過程を自伝的につづった回想録。書籍修復という手仕事の技を学ぶ愉しみを実に詳しく、いきいきと描き出している。
- 本の長さ228ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日2004/9/1
- ISBN-104560047871
- ISBN-13978-4560047873
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商品の説明
出版社からのコメント
本書はアメリカの一流製本工芸・書籍修復家ウィリアム・アンソニーに女性としてはじめて弟子入りした著者が、書籍修復家として成長する過程を自伝的につづった回想録である。 その魅力は、書籍修復、それも西洋の古い稀覯本という一般の人がほとんど知らない特殊な世界を具体的な技術を含め、実に詳しく面白く、いきいきと描き出している点にある。 いきなり修復作業の現場から始まる書き出しも巧みで、読者は目をみはる思いで作業工程のひとつひとつをたどってゆくことになる。といっても技術的な手引き書ではない。壊れた本の直し方について、職人の命の道具について、情熱をこめて語る著者の筆致は、無味乾燥な技法の記述とはほど遠い。書物の美に魅入られた人間が、自らの体験に基づき、製本工芸という~~手仕事の技を学ぶ愉しみ、実践する喜びをつづったところに面白さがある。 本書はまた師との出会いから、弟子としての修業時代、そして師匠の死を乗り越えて一人前の職人になるという一種の成長物語となっており、失敗や苦労も含めて徒弟時代の興味深いエピソードの数々がユーモアを交えて語られる。 本が機械で大量生産されては捨てられてゆく時代の中~~で、貴重な古書を手で丹念に修復するという営みは、決して単なる時代錯誤やノスタルジアではない。 書物という知的財産を、数十年、数百年にわたって保存し、次代に伝えることの意味ははかりしれないほど大きい。~
登録情報
- 出版社 : 白水社 (2004/9/1)
- 発売日 : 2004/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 228ページ
- ISBN-10 : 4560047871
- ISBN-13 : 978-4560047873
- Amazon 売れ筋ランキング: - 940,079位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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