音楽関係の理論書は少ない。特に最近では教科書レベルのものしかない場合が多い(良い本は多いのだが、多くは絶版になっている)。フーガについても同様である。
この本は、そんな中で、貴重な理論書である。基本的な対位法の話から始まり、バッハ、さらにそれ以後の発展、現代でもそれが続いていることまでわかりやすく、それでも本格的に書かれている。日本の文庫・新書でこういう本がないのは本当に残念だ。文句なし。
音楽を研究する人や愛好家から、フーガ(遁走曲)を小説の題名でしか知らない人や、なんだかわからないけど旋律が追いかけっこするやつ?というぐらいのレベルの人まで(そういう人には難しいが)ぜひ読んで欲しい本。
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フーガ (文庫クセジュ 674) 新書 – 1986/3/5
その他
- 本の長さ156ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日1986/3/5
- ISBN-104560056749
- ISBN-13978-4560056745
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登録情報
- 出版社 : 白水社 (1986/3/5)
- 発売日 : 1986/3/5
- 言語 : 日本語
- 新書 : 156ページ
- ISBN-10 : 4560056749
- ISBN-13 : 978-4560056745
- Amazon 売れ筋ランキング: - 546,444位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年8月20日に日本でレビュー済み
対位法についての書物は少なからず存在します。本書の著者のひとり、Marcel Bitschの『
対位法
』は音楽之友社から翻訳が出ており、また本書の監修者である池内友次郎の『
二声対位法
』は現在でも入手しやすいと思います。
ただし、上記の2書はいずれも素晴らしいものですが、基礎的な技法の記述のみに徹し余計なことが一切書かれていないため、シンプルすぎて何のために何を説明しているのかが見えにくくなっています。
本書は、そういった対位法本の《わかりにくさ》を補うためにも有用です。対位法についての予備知識的な記述のあと、中世から現代にいたるまでの「フーガ」というものの歴史を追うことによって、対位法技巧がいかに実際の作品の中に現れているかを明らかにしています。
紙面の都合からか掲載されている譜例は少ないですが、その割に数多くの楽曲をあげて解説しているため、本気で楽譜を全部集めてそれらの楽曲にあたろうとするとかなり面倒です。しかし、それらを乗り越えれば、対位法などの音楽理論が決して誰かひとりの思いつきで湧いて出てきたのではなく、多くの先人の感性が長い時間をかけて抽象され、集大成されてきたものだということが理解できるでしょう。
ただし、上記の2書はいずれも素晴らしいものですが、基礎的な技法の記述のみに徹し余計なことが一切書かれていないため、シンプルすぎて何のために何を説明しているのかが見えにくくなっています。
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紙面の都合からか掲載されている譜例は少ないですが、その割に数多くの楽曲をあげて解説しているため、本気で楽譜を全部集めてそれらの楽曲にあたろうとするとかなり面倒です。しかし、それらを乗り越えれば、対位法などの音楽理論が決して誰かひとりの思いつきで湧いて出てきたのではなく、多くの先人の感性が長い時間をかけて抽象され、集大成されてきたものだということが理解できるでしょう。