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レーニンの墓—ソ連帝国最期の日々(上) 単行本 – 2011/1/29

4.6 5つ星のうち4.6 6個の評価

1991年にソ連が崩壊して20年、ゴルバチョフら当時の政治指導者、反体制派の人物多数に取材を重ね、帝国落日に至るまでの知られざる真実に迫った、傑作ノンフィクション!
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商品の説明

出版社からのコメント

《ピュリツァー賞受賞作品、佐藤優氏推薦!》
1991年12月にソ連が崩壊して、今年(2011年)で20年になる。本書は、当時の政治中枢及び反体制派の人物多数にインタビューや取材を重ね、彼らの内面に「スターリニズム」がいかに深く根ざしていたかを探り、ソ連崩壊に至るまでの過程を追いかけた、記念碑的な作品だ。
変革期には様々な「人間ドラマ」を見ることができる。物理学者サハロフに代表されるように、体制批判に向かう英雄的な人びと、時流に迎合し、反ユダヤ主義に走る数学者シャファレビッチのような人びと、現状に疑問を抱きつつも、体制に留まり、前へ進めないゴルバチョフのような人びと......。本書のタイトルは、レーニンをレーニン廟に祭り上げるのではなく、レーニンを完全に葬り去り、批判の俎上に乗せられるかどうかを意味し、それがロシアの真の再生の鍵を握ることを表わす。したがって、ゴルバチョフやその周辺の人びとは、やがて時代の潮流にのみこまれ、歴史に追い越されていくことになる......。
本書の優れている点は、全体主義国家の制度とイデオロギーの破綻を、広く深く観察していることだ。取材の射程は、サハリン島やシベリアの炭鉱の地下から、カフカス、中央アジアの集団農場、都市部の言論・文化界、共産党中央にまで及んでいる。そして、ソ連を支配していた共産党の独裁体制、党と国家の構成体が自壊していく軌跡を、臨場感たっぷりに描くことに成功している。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 白水社 (2011/1/29)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2011/1/29
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 425ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4560081077
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4560081075
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.8 x 3.4 x 19.6 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.6 5つ星のうち4.6 6個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.6つ
5つのうち4.6つ
6グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2022年5月6日に日本でレビュー済み
本書は、サブタイトル通りでソ連最後の日々を人々のインタビューを軸にまとめ上げた一冊である。
ソ連内部のいろいろな立場の人がどのように見ていたのか、に肉薄できる非常に面白い本である一方、なかなか読みにくい本でもある。

インタビューで聞きだしている内容は、現代の話もあるがスターリンやフルシチョフ、ブレジネフなどの過去の話も多く、ソ連史全体を眺めていくような本としても読める。
しかしインタビュー仕立てなので、時代の順番は行ったり来たりであり、ソ連の歴史がある程度頭に入っていないと読みにくい。
また、現代の時事的な話もほとんど説明なしに時だけが勝手に進んでいる。ポーランドの円卓会議やベルリンの壁崩壊どころか、冷戦終結さえいつの間にか終わって1990年に突入しているような書きぶりであり、ソ連末期の時事も背景として押さえておいた方が読みやすいだろう。

インタビューはかなり広範な人々にわたっており、それはこの本の厚みを増している。
スターリンの処刑されたブハーリンの妻(!)や医師団陰謀事件の生き残りのラポポルトなどの歴史の証人にも聞き取りがなされている。ペレストロイカのブレーンのヤコブレフ、長くカザフスタン共産党党首を務めたクナーエフ、KGB議長クリュチコフなどにもインタビューがされている。アメリカへの二重スパイともされるハワードへのインタビューなんてものまである。

市井の人々の話や、そのあたりの社会の周り方も面白い。
スターリンなどの弾圧の回想も意義深いが、むしろ少なからず出てくる市井の熱心なスターリン支持者の方が興味深い。自身の父親が10年の強制収容所送りになっていてなお、スターリンを熱心に褒めたたえ、父親のことは「仕方がないこと」と語る心理は不可思議ではあるが、しかしそういう考えをする人が少なくないという事実には重みがある。

西側では人気のゴルバチョフも、本書ではそこまで評価されていない。
やはりゴルバチョフはスターリン批判は出来てもレーニンにメスを入れることは出来ず、共産党を頑なに信奉し、保守強硬派への妥協を繰り返す姿は、民主派の人々には強い失望を与えるものであった。
ヤコブレフやシュワルナゼが去ってしまい、自らの幹部らが8月クーデターを起こす顛末は迎えるべくして迎えたものに見えてくる。

本書の内容はこのように厚いものだが、必ずしも読みやすいものではない。
それは基本的な当時の出来事の知識を要求されるだけでなく、書き方にも原因はある。話者が入れ替わらないのにカギカッコを一旦切って再度カギカッコを始めたり、同じ人物を名字と名前と異なる呼び方をしたりと、混乱しやすい書き方をしている。

全体としてあまり整理されていない本ではあるのだが、中身は非常に意義深い本であり、最低限のソ連史の流れや冷戦終結期の動きを知っている人にはぜひ薦めたい一冊である。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年3月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
参考になった
2014年1月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この著者は極めて優秀ですね。 短期間にこれだけの事を調べ上げて著述できるとは。 上下とも一気。 読み終わるのが惜しいくらい。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年6月21日に日本でレビュー済み
 赤い帝国…と言われたソ連。そこで懸命に生きてきた人たち、つまり市井の人々の証言を編み
上げた作品の前編です。
クレムリンの中についても、筆は及びますが、基本は前述の通り市井の人々。

 ゴルバチョフが行ったペレストロイカとグラスノスチは、(彼的には)レーニンへの回帰
若しくはソ連型とは異なる社会主義への軌道修正でしした。しかし、彼のとった施策は、そんな
思惑をはるかに超えてしまったのです。それまで闇のベールに包まれていた「ソ連的社会主義」の
真実が明らかになった以上、ソ連の優位、社会主義の理想を信じる人は…という結果に。
(それでもレーニン、スターリン信奉者はいる。本書にも複数登場)

・『銀河英雄伝説』という名作スペースオペラに登場した、劣悪遺伝子排除法と同じようなこと
 (障碍者を1か所にまとめていた)を行っていたソ連。
・ナチスのせいにしていたが、実はソ連が犯していたカティンの森の虐殺。
 (ポーランド将校や官吏を虐殺した)
・皆平等社会のはずなのに、ユダヤ人の排斥が行われていたソ連。
・「ソ連型社会主義」とは。肥大化した欲望を持つ人間=特権階級を生み出しただけ…だった現実。
・それ故に、ソ連に遭った平等とは「貧困の平等(但し、これはソ連末期からロシア成立の間に
 極一部の億万長者と大多数の貧困層に別れた)」。
・それが行きつくところは国家総タカリ体制。

 …と言ったことが詰まった425p(上巻のみ)の本。赤い帝国の真実の一端を覗ける良書と思います。
ボリュームありますが挑戦する価値有りです。

 尚、星4つにしたのは、原著自体がそうなのか、訳の問題なのか、いまいち読みにくい箇所が
あった為、その点を割り引いています。内容だけなら5つ星です。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年6月12日に日本でレビュー済み
1989ソ連崩壊に至る時代を現地で関係者に直接取材をして、その核心に迫った力作。
原著の出版年は、1993年であり、なぜ今なのかという疑問を抱きつつページをめくった。

上巻は恐ろしいほどのソ連恐怖政治の数々の証言が披露され、これだけの大国が維持できなくなっていく過程がよくわかる。
特に、その崩壊のきっかけとなったともいわれるチェルノブイリの事故は印象的である。
チェルノブイリの開発者アナトリー・アレキサンドロフへの取材
〜原発は100パーセント安全でなるべく人口集中地域の近くに立地すべきと主張していた。事故が起きた後でも、放射能の影響は誇張しすぎだと豪語する。
そして、事故直後の官僚発言。「ちょっとしたトラブルはあったが深刻なものではなく原子炉は壊れていない。パニックは放射能より怖い。」とはまるでどこかの国と同じではないか。
この事故が、ソ連という国を解体させたきっかけの一つと考えると今フクシマの事故を前に考えさせられるものがある。

ゴルバチョフ自身はペレストロイカを通じてソ連をスターリンからレーニンに回帰させようとしただけであったが、炭鉱労働者ストが各地の民族運動と結びついてゴルバチョフ自身をも葬り去ってしまった歴史のエネルギーを感じさせる。

エリツィンからプーチンに変わり、今のロシアはまるでソ連に戻ってしまったかのようである。
あのソ連崩壊は一体何であったのか、そして今この国の行方までも考えさせてくれる大作である。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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