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ジョゼフ・コーネル — 箱の中のユートピア 単行本 – 2011/1/29

4.0 5つ星のうち4.0 5個の評価

女優のブロマイド、天体図、古切手や古地図、海岸で拾ってきた貝殻などを箱に収めた作品を、生涯に800点以上制作し、さまざまな芸術家に多大な影響を与えたコーネル(1903-1972)の全貌に迫る。 柴田元幸氏推薦!「誰にも似ていない作品をつくった〈箱の魔術師〉は、誰にも似ていない人物だった。これは、そのことを鮮やかに伝える、素晴らしい伝記。」
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商品の説明

出版社からのコメント

《想像力で作られた詩的世界》
戦後アメリカ美術において最も魅惑的で謎めいた作家の一人、ジョゼフ・コーネル(1903-72)。
彼は抽象表現主義、ポップ・アートが隆盛した40年代から60年代のニューヨークに身を置きながら、「箱」作品という小さな空間にみずからの詩的世界を構築していった。
雑貨屋や古本屋で購入した画集、映画雑誌や女優のブロマイド、レコード、天体図、模造のパイプ、コルクのボール、真鍮の輪、古切手や外国の地図、海岸で拾ってきた貝殻やヒトデ、流木のかけらなどを、ガラスの嵌め込まれた箱に収めていく。これらの作品を生涯に約800点以上制作したといわれる。
コーネルの人生は、長く過酷なものであった。裕福な家庭に生まれながら、少年期に父を失い、以後彼の生活は自身と、母、そして障害を持つ弟ロバートを支えるために捧げられた。ヨーロッパに強い憧れを抱きながら、コーネルは生涯、ヨーロッパはおろか、ほとんどニューヨークを離れることはなかった。「ユートピア・パークウェイ」という町に29年に移り住み、72年の最期までこの地で過ごした。
数多くのコラージュや短編映画も制作したコーネルが、自分自身のスタイルとしてなぜ箱というかたちを見出していったのか。
同時代そして後の世代の芸術家や作家に多大な影響を与えたコーネル芸術の全貌に迫る画期的な一冊。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 白水社 (2011/1/29)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2011/1/29
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 512ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4560081093
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4560081099
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.8 x 4 x 19.6 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.0 5つ星のうち4.0 5個の評価

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デボラ・ソロモン
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2014年4月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
近くに河村記念美術館が有るので、度々行きます。マークロスコ、ジョセフコーネル、知りたくてこの本を買いました。やはりあまり、分からない、ま、全部は読んでいないのですが。箱は好きな物も有るし、解らない物もありです。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年12月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ジョゼフ・コーネルは溺愛を受ける母親と障害のある、しかし尊敬すべき弟と老年に差しかかるまで一緒に暮らし、箱やコラージュや映像などの作品をつくり続けた。骨董店や雑貨店巡り、公園や河原での散歩、集めた本やブロマイドなどから見つけたものを組み合わせ、美しい作品へと昇華したコーネル。そんな彼においては俗なるものやありふれたものが聖なるものへと度々昇華される。それは魔法というべきものだ。

その過程が、結果が、この伝記においては詳らかに語られている。

・母親との確執や愛憎が生んだ性のねじれと女性の理想化
・障害をもつ弟に対する大きな責任感と愛、そして彼の明るい性格に対する自身の内向性の強烈な自覚
・クリスチャン・サイエンスというキリスト教系新興宗教への帰依がもたらした死の純化とそれに対する恐れ
・早逝した旅行好きな父親に因する旅行への畏怖と羨望、生前の彼の趣味から得た奇術や劇、音楽などへの愛
・幼い頃に訪れたゲームセンターや遊園地、煌びやかな装飾のある都会でのすばらしい体験

これらを含む様々な要因が彼を彼として特徴づけ、作品を生み出す源となったらしい。コーネルを不遇にする環境とそれに対することで生まれた憧憬や捩じれや反発が閉じられた、それでいて自由を希求する作品群を生み出した、と概して言えるかも知れない。バレエダンサー、女優、鳥、ホテル、小瓶、天体、貝、奇術に用いる輪やロープ、少女や少年たち…それは彼の取り上げる題材の多くに反映されている。
彼の作品を過去や性愛に結び付け過ぎるきらいはあるものの、本書はコーネルの作品群への優れた手引きになっている。コーネルの日記や知人による証言を多く引用しながら彼の生活、人や鳥や星、それに蒐集したものと彼との関係を綿密に書き、並行して作品の各々の詳細を、彼の芸術全体の成長を描きだしている。日本版にするに際して諸事情によって削られたという白黒の図版の数量不足が不満を感じさせる部分もあるが、それでも高く評価できる。

また、純粋な物語としても本書に惹き込まれた。それにしても、孤独な印象の強いコーネルの作品からすると意外だったが、彼は家族、たくさんの恋した女性、国籍を問わない芸術家、舞台や映画の関係者、画商、学者、クリスチャン・サイエンスの信者、子供たちといった驚くべき広範で多くの人々と関わりをもっていた。それは大部の本書によっても「書き切れていない」と、まざまざと感じられるほどだ。当たり前かも知れないが、一人の人生が膨大なものごとによって成り立っていることを改めて確認でき、感動させられる。
15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年5月8日に日本でレビュー済み
ジョゼフ・コーネルはアメリカの芸術家。
川村記念美術館で、小さな箱の中に閉じこめた物語のような作品をひと目見たときから、その世界観にひかれ、もう一度見たい、もっと知りたいと思いつづけていた。

新聞の書評で伝記の翻訳が出版されたことを知り、手にとってみたら五百ページの大作。
読みきれるかどうか心配だったけれど、結果は杞憂でした。
読みすすめるごとにおもしろくなって、あっという間に読みきってしまった。

早逝した父親とすごした時間。障がいを持つ弟の介護。束縛する母親との確執。
踊り子たちと映画への、ほとんど執着と言っていいほどの情熱。
生身の女性に対する、抑圧された欲望。
幼い日に夢の時間を過ごしたペニーアーケード。
星の運行や、庭にやってくる鳥たちへの興味。
「天文台」と呼んだ自宅の台所で、あるいは蒐集品に埋もれた地下室で、コーネルはそれらすべてを、小さな箱とコラージュ作品の中に閉じこめようとする。

やがて箱が世間の耳目を集めるようになっても、自分の「作品」に寄せられる評価に対して、彼はほとんど頓着しない。
それどころか、自ら創りあげた小宇宙への執着から売ることを拒んだり、小さな子供や町のウェイトレスにぽんと箱をあげてしまったりする。

本書に添えられたポートレイトの中で、晩年の芸術家は庭の安楽椅子に腰掛け、物憂い表情をうかべている。
人は誰もある種の「ゆがみ」と共に生きていて、それはときに孤独の名で呼ばれるけれど、おそれずに奥へ、奥へと分け入っていくと、自分ひとりの世界ではない、多くの人と共鳴する、つながる広場に出るのかもしれない…というようなことを考えた。
43人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年10月11日に日本でレビュー済み
懐古趣味というとあまりいい意味で使われないが、
本書を読むと、むしろ創造力の源泉になりうることがわかる。
コーネルの生涯を丹念に追いつつ、
芸術家のインスピレーションがどのように生まれるかに肉迫している。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年2月16日に日本でレビュー済み
 カルト的人気を誇る芸術家の詳しい伝記。この版元らしい企画です。この10年ほど低迷の感があったが、このところ「らしい」企画が続き、ご同慶の至り。翻訳も無難にこなしてあるけれど、図版はともかく原注が割愛されているのは感心できません。
 コーネルのように突然変異的な人が出てくるから、芸術を流派や様式(のみ)で解釈するのは危ういのです。月並みですが、芸術の栄光と悲惨につくづく思い至るのは、このようなユニークな人間の生涯に接したときです。手品、映画、女優、そしてクリスチャン・サイエンス…卑小なものを聖化する孤独で慎ましい雑踏の錬金術師。わが国にも知られざる小コーネルがいるのかも? そして「日本の女コーネル」野中ユリの復活に期待!
 
16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート