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地図で読む戦争の時代 単行本 – 2011/3/26
今尾 恵介
(著)
蛇行を繰り返す線路、忽然と現われる円形の区画、広大な空き地。地図に描かれた戦争の痕跡を古今内外の地図をもとにさぐっていく本書は、植民地や領土問題を考える上でも示唆に富む。
- 本の長さ263ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日2011/3/26
- 寸法13.2 x 2.1 x 18.8 cm
- ISBN-104560081182
- ISBN-13978-4560081181
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商品の説明
出版社からのコメント
《隠された日本のかたち》
「地形図を作り始めたのは、どの国でもたいてい陸軍である。もちろん海図は海軍が作った。陸であれ海であれ、国を守るために正確な地図が必要であることは当然である。しかし一方で、他国を侵略するにも、先立つものは地図であった。」(本書「はじめに」より)
軍港や飛行場などの軍用地、重要な工場や発電所、ダム、鉄道操車場といった場所の地図は、敵国の目から隠すために、ときに別のものとして描かれたり、まったくの空白とされることもあった。
とはいえ、正確に描かれた地図のなかでこのような改描は逆に目立つことも多い。呉や佐世保、横須賀といった地の空白が意味するものは、歴史を知るわたしたちにとっては明らかだ。
この本では、さまざまな用途や時代の地図をもとに、日本がかかわった「戦争」の痕跡をさぐっていく。
軍用地や軍用鉄道は戦後どのような変遷を遂げたのか。また、日本の支配下にあった朝鮮や台湾、満洲国の地図はいかに描かれていたのか。
地図から日本の歩みが立体的に浮かび上がる。掲載地図130点以上。領有をめぐって揺れる尖閣諸島や北方領土の地図も掲載。
「地形図を作り始めたのは、どの国でもたいてい陸軍である。もちろん海図は海軍が作った。陸であれ海であれ、国を守るために正確な地図が必要であることは当然である。しかし一方で、他国を侵略するにも、先立つものは地図であった。」(本書「はじめに」より)
軍港や飛行場などの軍用地、重要な工場や発電所、ダム、鉄道操車場といった場所の地図は、敵国の目から隠すために、ときに別のものとして描かれたり、まったくの空白とされることもあった。
とはいえ、正確に描かれた地図のなかでこのような改描は逆に目立つことも多い。呉や佐世保、横須賀といった地の空白が意味するものは、歴史を知るわたしたちにとっては明らかだ。
この本では、さまざまな用途や時代の地図をもとに、日本がかかわった「戦争」の痕跡をさぐっていく。
軍用地や軍用鉄道は戦後どのような変遷を遂げたのか。また、日本の支配下にあった朝鮮や台湾、満洲国の地図はいかに描かれていたのか。
地図から日本の歩みが立体的に浮かび上がる。掲載地図130点以上。領有をめぐって揺れる尖閣諸島や北方領土の地図も掲載。
登録情報
- 出版社 : 白水社 (2011/3/26)
- 発売日 : 2011/3/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 263ページ
- ISBN-10 : 4560081182
- ISBN-13 : 978-4560081181
- 寸法 : 13.2 x 2.1 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 283,771位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年6月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まだ読み終わっていませんが、地図の表現の力を感じます。
2016年5月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いわゆる戦時改描だけでなく、満州や台湾の地図、ドイツの戦災復興を物語る地図など、第二次世界大戦にまつわるさまざまな地図の話題が平易に紹介され、まさに地図に導かれて「あの時代」を振り返ることができる。戦争の犠牲者への視線は温かいが、戦争を見つめる目は決して情緒過多ではなく、冷静さを保とうとする姿勢は共感できる。
トピック集という体裁上仕方ないが、戦時改描について、そのシステム、指示系統、具体的実施基準などが分かっているのならもう少し詳しく知りたかった。当時民間会社が作成した東京都の地図を見ると、まったく白ヌキにして一切分からせないものから、白ヌキにはするが陸軍施設の記号や施設名は示すもの(戦時改描の意味なし!)、引込線も描くものなど、表現にかなりばらつきがある。なぜそんなことになったのか(許されたのか)、気になった次第。
トピック集という体裁上仕方ないが、戦時改描について、そのシステム、指示系統、具体的実施基準などが分かっているのならもう少し詳しく知りたかった。当時民間会社が作成した東京都の地図を見ると、まったく白ヌキにして一切分からせないものから、白ヌキにはするが陸軍施設の記号や施設名は示すもの(戦時改描の意味なし!)、引込線も描くものなど、表現にかなりばらつきがある。なぜそんなことになったのか(許されたのか)、気になった次第。
2018年6月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表題のとおり、地図から戦争の時代、ひいては一般市民の生活を解説しています。
学校の授業等では得られない、戦争の不条理について、地図に描かれている記号等から教えられます。
学校の授業等では得られない、戦争の不条理について、地図に描かれている記号等から教えられます。
2018年10月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
扱われる地域は、日本国内はもとより戦時中の植民地やヨーロッパ諸国にまで及び、その解説も詳細で興味深い。
ただ惜しむらくは、載っている図版が全てモノクロ。地図の仔細な色分けとその内容について本文中でも詳しく述べられてはいるものの、ぱっと見で判別出来ないため非常に見づらくてもどかしい。
ここは多少コストが上がっても、カラー図版としてほしかった。
ただ惜しむらくは、載っている図版が全てモノクロ。地図の仔細な色分けとその内容について本文中でも詳しく述べられてはいるものの、ぱっと見で判別出来ないため非常に見づらくてもどかしい。
ここは多少コストが上がっても、カラー図版としてほしかった。
2015年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とてもおもしろかったです。特に地図や歴史に詳しいわけではない私なのに、
つい適当な古地図を買ってきて、いろいろ分析してみたくなってしまいました(笑)。
ひとつひとつの文章が独立しているのも、読みやすいです。
逆に、この本をきっかけに、もっと体系的にまとめれたものも読みたくなりました。
惜しむらくは、図版がカラーではないこと。
本文のなかにもたびたび「この本では見分けはつかないかもしれないが……」みたいな言葉が
出てくるので。。。
つい適当な古地図を買ってきて、いろいろ分析してみたくなってしまいました(笑)。
ひとつひとつの文章が独立しているのも、読みやすいです。
逆に、この本をきっかけに、もっと体系的にまとめれたものも読みたくなりました。
惜しむらくは、図版がカラーではないこと。
本文のなかにもたびたび「この本では見分けはつかないかもしれないが……」みたいな言葉が
出てくるので。。。
2013年8月20日に日本でレビュー済み
戦時中の地図の改描について多数の事例を挙げて説明しています。
反戦についてはさらっと触れられているのみです。
(地図を改描する、という事態が、十分異常ではありますが)
地図に興味がある人向けの佳作と思います。
反戦についてはさらっと触れられているのみです。
(地図を改描する、という事態が、十分異常ではありますが)
地図に興味がある人向けの佳作と思います。
2011年6月10日に日本でレビュー済み
古地図を元に街を歩くのが流行している。そのためのガイドブックも数多く出版されている。しかし、本書は他の類書をはるかに凌ぐ奥の深い良書である。
とりあげられた139枚の図版(地図と図表)は戦前の大日本帝国陸軍作成のものから東ドイツ、ロシア、占領期のアメリカ、持ち出しを禁じられている「戦時下」の韓国のものまでにおよび、対象の地域は旧満州、日本統治下の朝鮮・台湾はもちろんのこと、戦争に関わってベルリンにさえ拡がる。
大きく4つのテーマに分かれている。「戦争の傷痕」、「植民地と領土」、「秘匿される地図」、「軍事施設のその後」。いわく、焼け野原の街は白く塗り替えられ、広島の被爆地区は「タテ縞」であらわされた。軍事秘密にされた地域は公園に書き換えられ、等高線もトンネルも消され、あげくのはては空白にされた。陸軍工廠跡が後楽園の東京ドームになり、歩兵第一連隊兵舎跡は東京ミッドタウンに。
それぞれのトピックを通して浮かび上がってくるのは、「一介の地図愛好者」と卑下する著者がもつ透徹した批判精神と問題意識の明確さである。戦争目的のために歪められ改ざんされた地図それ自体と偽造を強要された地図製作者への思いが、声高な言葉以上のものを物語っている。
絶賛に値する。
とりあげられた139枚の図版(地図と図表)は戦前の大日本帝国陸軍作成のものから東ドイツ、ロシア、占領期のアメリカ、持ち出しを禁じられている「戦時下」の韓国のものまでにおよび、対象の地域は旧満州、日本統治下の朝鮮・台湾はもちろんのこと、戦争に関わってベルリンにさえ拡がる。
大きく4つのテーマに分かれている。「戦争の傷痕」、「植民地と領土」、「秘匿される地図」、「軍事施設のその後」。いわく、焼け野原の街は白く塗り替えられ、広島の被爆地区は「タテ縞」であらわされた。軍事秘密にされた地域は公園に書き換えられ、等高線もトンネルも消され、あげくのはては空白にされた。陸軍工廠跡が後楽園の東京ドームになり、歩兵第一連隊兵舎跡は東京ミッドタウンに。
それぞれのトピックを通して浮かび上がってくるのは、「一介の地図愛好者」と卑下する著者がもつ透徹した批判精神と問題意識の明確さである。戦争目的のために歪められ改ざんされた地図それ自体と偽造を強要された地図製作者への思いが、声高な言葉以上のものを物語っている。
絶賛に値する。
2011年6月23日に日本でレビュー済み
年々視野を広げていく著者。デビューから15年くらい経ったろうか、研鑽の歳月を思わずにいられない。
歴史家が数多く存在し、ヘタをすると容赦ない指摘が入りそうな「戦争」というジャンルに挑戦している。リスクを負うその決断を称えたい。個人的には船橋市の行田団地のくだりがいい。関東大震災の悲劇を世界中に配信した行田の電波塔が機能していたからこそ、世界から義援金が集まり復興が早まったのだ。義援金は同潤会アパートに姿を変えてゆく…。知らなかった話だ。
出版日はこの東日本大震災のわずか数日前。予言のようだ。
歴史家が数多く存在し、ヘタをすると容赦ない指摘が入りそうな「戦争」というジャンルに挑戦している。リスクを負うその決断を称えたい。個人的には船橋市の行田団地のくだりがいい。関東大震災の悲劇を世界中に配信した行田の電波塔が機能していたからこそ、世界から義援金が集まり復興が早まったのだ。義援金は同潤会アパートに姿を変えてゆく…。知らなかった話だ。
出版日はこの東日本大震災のわずか数日前。予言のようだ。