本書のタイトルに含まれている”起業”だが、ここでは個人レベルで経営する事業も、ベンチャーキャピタルの資本が入るようなケースも全てまとめて”起業”としている。
データ分析の中で特に印象に残ったのは
・先進国になればなるほど労働者は起業をしない。一番起業率が低いのはアメリカ
・個人向けのビジネスよりも、ビジネス向けのニーズで起業したビジネスの方が長続きする
という2点である
非常に面白い内容だった。
できれば次は、ベンチャーキャピタルの資本が入る起業だけの統計など、もっとブレイクダウンしたデータも見てみたい。
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〈起業〉という幻想 ─ アメリカン・ドリームの現実 単行本 – 2011/9/27
大学中退歴のある不惑を迎えた白人既婚男性が、職場を転々とした末に起業に手を染める!? 統計から浮かび上がる起業家大国の実像。
- 本の長さ276ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日2011/9/27
- ISBN-104560081646
- ISBN-13978-4560081648
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商品の説明
出版社からのコメント
《会社を辞めて「起業」に走る前に......》
マイクロソフトのビル・ゲイツ、アップルを立ち上げたスティーブ・ジョブズ、オラクル創業者のラリー・エリソン。こうした人物に象徴されるように、身ひとつでたたき上げた「起業」に成功して巨万の富を築くというアメリカン・ドリームは今なお、〈神話〉として米社会を根本で支えている。
しかし、本書によれば、現実はまったく異なる。連邦準備制度理事会や国勢調査局などの経済統計から浮かび上がる起業のごくありふれた光景はこんな具合だ。
米中西部の都市ララミー。大学中退歴のある40歳代の白人既婚男性が「よそで働きたくない」という動機から職を転々とし、挙句、生活が逼迫して起業に手を染める!
もちろん、そんな彼が手掛けるビジネスはアメリカン・ドリームとは程遠く、建設会社や自動車修理工場のようなローテクに限られる。そして、資金繰りは芳しくなく、5年以内に消える運命にある......。
本書は、経済成長や雇用創出(失業率)、人種や性別まで、統計を駆使して、もうひとつのアメリカを浮き彫りにする試みでもある。職を転々として起業に身をやつす米国人の姿は、産学官が一体になって起業を喧伝する日本社会に一石投じることは間違いない。
マイクロソフトのビル・ゲイツ、アップルを立ち上げたスティーブ・ジョブズ、オラクル創業者のラリー・エリソン。こうした人物に象徴されるように、身ひとつでたたき上げた「起業」に成功して巨万の富を築くというアメリカン・ドリームは今なお、〈神話〉として米社会を根本で支えている。
しかし、本書によれば、現実はまったく異なる。連邦準備制度理事会や国勢調査局などの経済統計から浮かび上がる起業のごくありふれた光景はこんな具合だ。
米中西部の都市ララミー。大学中退歴のある40歳代の白人既婚男性が「よそで働きたくない」という動機から職を転々とし、挙句、生活が逼迫して起業に手を染める!
もちろん、そんな彼が手掛けるビジネスはアメリカン・ドリームとは程遠く、建設会社や自動車修理工場のようなローテクに限られる。そして、資金繰りは芳しくなく、5年以内に消える運命にある......。
本書は、経済成長や雇用創出(失業率)、人種や性別まで、統計を駆使して、もうひとつのアメリカを浮き彫りにする試みでもある。職を転々として起業に身をやつす米国人の姿は、産学官が一体になって起業を喧伝する日本社会に一石投じることは間違いない。
登録情報
- 出版社 : 白水社 (2011/9/27)
- 発売日 : 2011/9/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 276ページ
- ISBN-10 : 4560081646
- ISBN-13 : 978-4560081648
- Amazon 売れ筋ランキング: - 741,666位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 46,120位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1973年 大分県別府市生まれ
東京大学・法学部(3類=政治コース)卒
東京大学大学院・法学政治学研究科・博士課程単位取得退学
日本学術振興会特別研究員(PD)を経て
現在、東京都立大学・法学部(教授)
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年7月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年12月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
夢のない起業の一般像について書かれてある
テクノロジー系の起業など、
分布の端の部分について、もうちょっと書けば建設的な話になるかもしれない
テクノロジー系の起業など、
分布の端の部分について、もうちょっと書けば建設的な話になるかもしれない
2012年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は統計にもとづいてアメリカでは起業がさかんであり成功のチャンスも多いという 「幻想」 つまりアメリカン・ドリームを否定しようとする. 日本で 「起業」 に関する雑誌などをみると,たいてい,小売店などについて書いてあるが,アメリカでもサービス業が多いという. そういう起業についての統計をみるかぎりでは,たしかにアメリカン・ドリームは否定されてしまうのだろう. また,統計を知ることは必要なのだろう.
しかし,「起業」 あるいは 「ベンチャー」 をそんなにひろく解釈するべきなのだろうか? サービス業をはじめることといわゆるベンチャーとのあいだにはギャップがあるのではないだろうか? そして,統計をもって夢を否定するというのは,おろかなことではないだろうか. 確率統計をもってすればまったくばかばかしい宝くじを買うひとが多いのと同様に,起業も統計では説明できない賭けの一種だろう.
しかし,「起業」 あるいは 「ベンチャー」 をそんなにひろく解釈するべきなのだろうか? サービス業をはじめることといわゆるベンチャーとのあいだにはギャップがあるのではないだろうか? そして,統計をもって夢を否定するというのは,おろかなことではないだろうか. 確率統計をもってすればまったくばかばかしい宝くじを買うひとが多いのと同様に,起業も統計では説明できない賭けの一種だろう.
2014年12月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これを読み、絶望する人もいるだろうが、逆にこれを手にして希望をつかめる事もある。
かなり厳しい事も書かれている。殆ど、夢を破壊してくれる一冊だが、マイナスがなければプラスもない。
プラスを引き出すのは、何時もマイナスからである。
かなり厳しい事も書かれている。殆ど、夢を破壊してくれる一冊だが、マイナスがなければプラスもない。
プラスを引き出すのは、何時もマイナスからである。
2019年9月13日に日本でレビュー済み
・失敗しやすい業界と失敗しにくい業界がある。業界選択が非常に重要。
・大規模スタートアップの方が失敗しにくい
・10万ドル以上の資本金の方が失敗しにくい
・個人商店より株式会社の方が失敗しにくい
・パートタイムよりフルタイムの方が失敗しにくい
・ゼロから始めるより、他人のビジネスを買う方が失敗しにくい
・一人よりチームで始める方が失敗しにくい
・ビジネスプランをきちんと策定した方が失敗しにくい
・以前の勤め先と同じ顧客を相手にしては業績が乏しい
・B to CよりB to Bの方が失敗しにくい
・マーケティングは重要
・資金繰りは重要
・価格競争には走るな
・単一の製品や市場に集中せよ
・アイデア、ビジネスプラン、という手順を省かない。
・学校へ行け
・創業を焦るな
これらの研究結果が知れただけでも読む価値があった。
・大規模スタートアップの方が失敗しにくい
・10万ドル以上の資本金の方が失敗しにくい
・個人商店より株式会社の方が失敗しにくい
・パートタイムよりフルタイムの方が失敗しにくい
・ゼロから始めるより、他人のビジネスを買う方が失敗しにくい
・一人よりチームで始める方が失敗しにくい
・ビジネスプランをきちんと策定した方が失敗しにくい
・以前の勤め先と同じ顧客を相手にしては業績が乏しい
・B to CよりB to Bの方が失敗しにくい
・マーケティングは重要
・資金繰りは重要
・価格競争には走るな
・単一の製品や市場に集中せよ
・アイデア、ビジネスプラン、という手順を省かない。
・学校へ行け
・創業を焦るな
これらの研究結果が知れただけでも読む価値があった。
2012年1月19日に日本でレビュー済み
読後、他の方のレビューにあるように「起業についての幻想」が最も正しい題名だと感じました。
神話で語られがちな「起業」をあらゆるデータでその実態を探り、起業の失敗・成功要因を語ってみようとのコンセプト。大した学歴のない、あるいは並みはずれた特許や技術を持たない、ありふれた業界で起業を考えている、会社を35歳以下で退職した(人にコキ使われたくない等の理由だと特に)、起業を望む多くの方にははっきり言って耳触りのよくないデータが多数登場します。OECD諸国のデータが多数あることからも日本市場においても参考になるし、失敗する(可能性が相対的に高い)起業はどこの国でも同じようなものでしょう。
しかし、上記に当てはまらず向学心旺盛な方、何事も正規分布である事を(ベキ分布とかブラックスワンはどうしたとか突っ込まないで)忘れず読める方、ないし様々なVCの関係者等が書いた本を読まれた方、大企業サラリーマンの方には、非常に示唆に富むか「やっぱりね。」、「良かった〜俺リーマンで!w」と言った内容になっていると思われます。個人的に面白かったのは以下。なんとなく考えてはいたけどハッキリ言われるとちょっと考えさせられますよね。。。
1.データが見せる典型的な起業向きの性格について。→失業状態・パートタイマー・頻繁に転職・給料が少ない。
2.典型的なスタートアップ起業は経済成長にも雇用にも貢献せず開業5‾10年で倒産、存続してもずっと規模もそのままで会社勤めよりハイリスクローリターン。一部の大成功者がリターン値を高めてる。
3.よって、スタートアップを支援する政策(日本だと最低資本金制度もそうですよね)は害こそあれ有益でさえない。
ネガティブ側面からレビューしましたが、これは確率論だけで考えがちのいわゆる「頭のいい人が陥る罠」であるかもしれません(※1)。社会としても起業が「割に合う」かは確立だけでなく期待値で考えるべきとする意見もありますので起業家志望の(本書で言う典型的な起業を考えている)方も参考までに読まれると良いのではないでしょうか。これから起業を考えている方には地雷を踏む確立を下げる効能がある・・・かも?個人的には、経済・教育的に恵まれない方が多数派であり続ける限り(つまり永遠に)、本著に書かれた悲劇・幻想は本著の存在の有無に関わらず繰り返されると考えてはいますが、一部の方には知識から学び取るチャンスになるのでは。
忙しい方、詳細説明はいらず要点だけを簡略して把握したい方、データのソースの把握は二の次の方には後ろページの「神話と現実」P1〜6だけで十分だと思われますのでご活用ください。
※2013/03/01追記:また、著者が示している諸々の点、例えば起業家向きの性格についての記述なども、相関関係であって、因果関係と言えるかは疑問の点が多々あるのでは?と、改めて個人的には思ったりします。後日になると、全体的に失敗・成功要因を語っていたというよりも相関関係を語るに終わっていた気がするのですが、ご意見ある方、コメント欄でお聞かせ下さい。
神話で語られがちな「起業」をあらゆるデータでその実態を探り、起業の失敗・成功要因を語ってみようとのコンセプト。大した学歴のない、あるいは並みはずれた特許や技術を持たない、ありふれた業界で起業を考えている、会社を35歳以下で退職した(人にコキ使われたくない等の理由だと特に)、起業を望む多くの方にははっきり言って耳触りのよくないデータが多数登場します。OECD諸国のデータが多数あることからも日本市場においても参考になるし、失敗する(可能性が相対的に高い)起業はどこの国でも同じようなものでしょう。
しかし、上記に当てはまらず向学心旺盛な方、何事も正規分布である事を(ベキ分布とかブラックスワンはどうしたとか突っ込まないで)忘れず読める方、ないし様々なVCの関係者等が書いた本を読まれた方、大企業サラリーマンの方には、非常に示唆に富むか「やっぱりね。」、「良かった〜俺リーマンで!w」と言った内容になっていると思われます。個人的に面白かったのは以下。なんとなく考えてはいたけどハッキリ言われるとちょっと考えさせられますよね。。。
1.データが見せる典型的な起業向きの性格について。→失業状態・パートタイマー・頻繁に転職・給料が少ない。
2.典型的なスタートアップ起業は経済成長にも雇用にも貢献せず開業5‾10年で倒産、存続してもずっと規模もそのままで会社勤めよりハイリスクローリターン。一部の大成功者がリターン値を高めてる。
3.よって、スタートアップを支援する政策(日本だと最低資本金制度もそうですよね)は害こそあれ有益でさえない。
ネガティブ側面からレビューしましたが、これは確率論だけで考えがちのいわゆる「頭のいい人が陥る罠」であるかもしれません(※1)。社会としても起業が「割に合う」かは確立だけでなく期待値で考えるべきとする意見もありますので起業家志望の(本書で言う典型的な起業を考えている)方も参考までに読まれると良いのではないでしょうか。これから起業を考えている方には地雷を踏む確立を下げる効能がある・・・かも?個人的には、経済・教育的に恵まれない方が多数派であり続ける限り(つまり永遠に)、本著に書かれた悲劇・幻想は本著の存在の有無に関わらず繰り返されると考えてはいますが、一部の方には知識から学び取るチャンスになるのでは。
忙しい方、詳細説明はいらず要点だけを簡略して把握したい方、データのソースの把握は二の次の方には後ろページの「神話と現実」P1〜6だけで十分だと思われますのでご活用ください。
※2013/03/01追記:また、著者が示している諸々の点、例えば起業家向きの性格についての記述なども、相関関係であって、因果関係と言えるかは疑問の点が多々あるのでは?と、改めて個人的には思ったりします。後日になると、全体的に失敗・成功要因を語っていたというよりも相関関係を語るに終わっていた気がするのですが、ご意見ある方、コメント欄でお聞かせ下さい。
2012年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
先行きが不透明な時代にもかかわらず、一旦会社勤めを始めるとなんとも言えない閉塞感を感じる今日この頃、「いつかは独立(すなわち起業)したいと思っている人は多いと思いますが、そういう人は絶対読んでおくべき本だと思います。
著者の中心的な主張は、ほとんどの起業は付加価値も低く、成功する確率も高い訳ではなく、その動機も「人の下で働きたくない」という消極的なケースが多いということを論証したうえで、バラマキ的な起業振興策はやめた方が良いという政策論です。確かに、多くのエコノミストや経済学者が低迷する日本経済の打開策として起業促進をあげていることを考えれば、このような主張は重要だと思いますが、普通のサラリーマンも頭に入れておいた方が良いと思うポイントがいっぱいあります。
特に、起業家の多くが、その動機が「自分で自分の人生をコントロールしたい」という欲求から来ているという指摘は、おぼろげながら将来の独立を考えている多くのサラリーマンにとっては共感するところでしょう。しかし、創業の動機が正しくないと成功確率が落ちるという分析も紹介されており、単に人生の満足感だけではなくてやはりビジネスプラン、ビジョンが必要であるとも論じられています。
大きな企業ほど生産性が高くなるがそこで働いている人の仕事の満足度は低くなると指摘されていますが、まさに起業の問題はここに収斂されるという印象を受けました。
全体的には起業に否定的ですが、だからこそ、起業を考えている人には参考になる本と思います。
著者の中心的な主張は、ほとんどの起業は付加価値も低く、成功する確率も高い訳ではなく、その動機も「人の下で働きたくない」という消極的なケースが多いということを論証したうえで、バラマキ的な起業振興策はやめた方が良いという政策論です。確かに、多くのエコノミストや経済学者が低迷する日本経済の打開策として起業促進をあげていることを考えれば、このような主張は重要だと思いますが、普通のサラリーマンも頭に入れておいた方が良いと思うポイントがいっぱいあります。
特に、起業家の多くが、その動機が「自分で自分の人生をコントロールしたい」という欲求から来ているという指摘は、おぼろげながら将来の独立を考えている多くのサラリーマンにとっては共感するところでしょう。しかし、創業の動機が正しくないと成功確率が落ちるという分析も紹介されており、単に人生の満足感だけではなくてやはりビジネスプラン、ビジョンが必要であるとも論じられています。
大きな企業ほど生産性が高くなるがそこで働いている人の仕事の満足度は低くなると指摘されていますが、まさに起業の問題はここに収斂されるという印象を受けました。
全体的には起業に否定的ですが、だからこそ、起業を考えている人には参考になる本と思います。
2013年9月12日に日本でレビュー済み
集計結果の報告。それ以上のことはなく、アメリカンドリームというほど夢のあるものではなく、いかに地道に事業を起こすことが大事であるかということをリサーチを元に裏付けをしている。
起業に関する代表的な思い込みを数字で裏付けているが、起業に不要なことは多く記載されているが、必要なことの記載が少ないと思う。
起業に関する代表的な思い込みを数字で裏付けているが、起業に不要なことは多く記載されているが、必要なことの記載が少ないと思う。