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マティス: 知られざる生涯 単行本 – 2012/5/26

5.0 5つ星のうち5.0 2個の評価

初めて明かされる巨匠の全人生
二十世紀を代表する芸術家として、マティス作品の愛好家は多い。しかし、その生涯については、とりわけ私生活が謎に包まれていた。既存のマティス観を塗り替える一冊として高く評価される本書は、家族や友人と交わした書簡、同時代の証言、回想、インタビューなど、貴重な新資料を駆使して巨匠の全貌を描ききった画期的評伝である。
1869年、マティスはフランス北部フランドル地方の織工の町に生まれた。絵画への目覚めは二十歳と遅かったが、彼の生い立ちと家族の背景を知ることで、織物、バイオリン、開かれた窓など後年の作品に登場する重要なモチーフの来歴が明らかになる。画家を志してからの父親との軋轢、パリでの修業時代、貧困、病気、結婚、妻の家族との関係については、本書で初めて明らかになった事実も多く、作品の変遷を読み解く重要な鍵となる。
野獣派の時代から彼の作品の価値をいち早く認めたコレクターとの交流、アトリエを支えた家族、ピカソをはじめとする同時代の画家との関係、モデルとの共同作業といった細部も見逃せない。両世界大戦を経験した激動の時代に傑作が生まれた背景が浮き彫りにされる。
偏見や先入観を排して初めて見えてくる新たなマティス像。それは、自己不信に絶えず苛まれながらも独自の絵画を追求しようとした、妥協なきモダニストの姿である。
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商品の説明

著者について

ヒラリー・スパーリング Hilary Spurling
1940年生まれ。イギリスの伝記作家、ジャーナリスト。オクスフォード大学サマーヴィル・カレッジで学ぶ。1964年から70年まで「スペクテイター」誌で演劇および文芸の担当編集者を務める。その後、「オブザーヴァー」紙と「デイリー・テレグラフ」紙に定期的に書評を寄稿。1974年と84年に二巻本として刊行された女流作家I・コンプトン=バーネットの評伝でダフ・クーパー賞などを受賞。1998年、アンリ・マティスの前半生を描いたThe Unknown Matisseを刊行、同年の「ニューヨーク・タイムズ」年間ベスト10に選出。後半生を扱ったMatisse the Master(2005年)は、同年の「ロサンゼルス・タイムズ」伝記賞およびウィットブレット賞を受賞。既存のマディス観を塗り替える一冊として高い評価を受ける。本書は、この二巻本を一冊にまとめたMatisse: the Life(2009年)の全訳である。他にも評伝を多数著し、ジョージ・オーウェルの妻ソニアの伝記The Girl from the Fiction Department: A portrait of Sonia Orwell(2002年)、パール・バックの伝記Burying the Bones: Pearl Buck in China(2010年、ジェームズ・テイト・ブラック記念賞受賞)などがある。劇作家の夫ジョン・スパーリングとロンドンに住み、三人の子供がいる。2006年、CBE(大英帝国勲章)を受章。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 白水社 (2012/5/26)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2012/5/26
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 510ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4560082081
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4560082089
  • 寸法 ‏ : ‎ 15.8 x 3.9 x 21.7 cm
  • カスタマーレビュー:
    5.0 5つ星のうち5.0 2個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中5つ
5つのうち5つ
2グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2012年6月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
20世紀を代表する画家の一人、アンリ・マティスの評伝である。
元々は2巻本として刊行されたものを、著者自身が1冊にまとめて圧縮しているが、それを翻訳したもの。といっても、2段組みで450ページ以上なので、マティスの生涯が、詳細に描かれている。この2巻は海外で高い評価を受け、本書はマティスの伝記の決定版として扱われているそうである。

ある意味、ライバルであったピカソに比べると、日本での一般的な知名度はやや低いように感じるが、本書で描かれるマティスの画業を見る限り、ピカソと並ぶ“巨人”であることが分かる。30代のころ、妻アメリーの両親が巻き込まれたアンベール事件(モーリス・ルブランの『ルパンの大失敗』はこの事件を題材にしている)などでかなり不愉快な思いをしたらしく、「マスコミ嫌い」となり、私生活に関する情報が極端に少ないことも、その知名度に影響しているのかもしれない。

家族や関係者への綿密な取材、さらには家族間の手紙の閲覧によって、マティスが絵を描くときの感じていた悩みや苦しみ、理解されないことへの不満、さらには長女マルグリットの出生や生い立ち、晩年にモデル兼秘書を務めたリディアとの関係などの私生活にかかわることを含め、彼の生涯の“謎”に包まれた部分が明らかになっている。
また、ほぼ中心部にカラー16ページで代表的な作品の一部が紹介されている。その絵を見ていくと、彼がゴッホやゴーギャンに連なる画家であることも理解しやすい。

個人的に最も興味深いのは、マティスがガートルード・スタインの長兄マイケルの妻サラの鑑識眼を、この一族の中では最も高く評価していたことである。ガートルードに比べ知られていないサラ・スタインに対して興味が湧いてきた。

疑問なのは、参考文献などの類が全く掲載されていないこと。取材が主ということだが、中でも触れられている『画家のノート』などは邦訳もあるので、不思議である。
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