姿がないのは、テロリストだけでなく悪意もです。
テロという、見えない恐怖を利用して、支持率の上昇を目指す内閣、くすぶり人生の一発逆転狙うニュースキャスターをetc。
悪意にも似た思惑が、主人公を追い詰めます。
ドライブ感抜群です。
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姿なきテロリスト 単行本 – 2009/5/1
- 本の長さ323ページ
- 言語日本語
- 出版社白水社
- 発売日2009/5/1
- ISBN-10456009229X
- ISBN-13978-4560092293
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商品の説明
出版社からのコメント
《「9・11」後、恐怖に脅かされた世界を暴く!》
舞台は現代のシドニー。「9・11」後、ロンドン、バリ、マドリードでテロ事件が頻発、このオーストラリアの大都市でもテロ警戒レベルが引き上げられていた。
ポールダンサー(ストリッパー)の「ドール」は、偶然知り合った中東出身の男と共に防犯カメラに撮られたことがきっかけで、数時間後、未遂の爆弾テロの容疑者として、手配される羽目に陥る。
警察と諜報機関は執拗な捜査と情報操作を展開し、メディアは周辺情報と憶測まじりの過剰報道で人々を煽る。「姿なきテロリスト」に仕立てられたドールは、やむなく逃走を企てるが......その悪夢のごとき三日間とは?
フラナガンの前作『グールド魚類画帖』は、十九世紀のタスマニア島を舞台に、幻惑的な文体で織り上げた歴史小説だった。本書は全く趣向を変え、時代を現代に設定し、削ぎ落とした文体を駆使して高速で展開する、超一級のサイコ・スリラーとして、興奮を呼ぶ作品となった。
風俗店のいかがわしい経営者と訳ありの女たち、暗黒街の密売人や中国人、家庭不和と愛人問題を抱えた捜査官、出世と売名に血道を上げるキャスターなど、著者は関係者に密着取材して本書を書き上げたという。まさに「9・11」後、恐怖(テロ)に脅かされた世界を暴いた、傑作長編といえるだろう。現在、ドリームワークスで映画化進行中。
舞台は現代のシドニー。「9・11」後、ロンドン、バリ、マドリードでテロ事件が頻発、このオーストラリアの大都市でもテロ警戒レベルが引き上げられていた。
ポールダンサー(ストリッパー)の「ドール」は、偶然知り合った中東出身の男と共に防犯カメラに撮られたことがきっかけで、数時間後、未遂の爆弾テロの容疑者として、手配される羽目に陥る。
警察と諜報機関は執拗な捜査と情報操作を展開し、メディアは周辺情報と憶測まじりの過剰報道で人々を煽る。「姿なきテロリスト」に仕立てられたドールは、やむなく逃走を企てるが......その悪夢のごとき三日間とは?
フラナガンの前作『グールド魚類画帖』は、十九世紀のタスマニア島を舞台に、幻惑的な文体で織り上げた歴史小説だった。本書は全く趣向を変え、時代を現代に設定し、削ぎ落とした文体を駆使して高速で展開する、超一級のサイコ・スリラーとして、興奮を呼ぶ作品となった。
風俗店のいかがわしい経営者と訳ありの女たち、暗黒街の密売人や中国人、家庭不和と愛人問題を抱えた捜査官、出世と売名に血道を上げるキャスターなど、著者は関係者に密着取材して本書を書き上げたという。まさに「9・11」後、恐怖(テロ)に脅かされた世界を暴いた、傑作長編といえるだろう。現在、ドリームワークスで映画化進行中。
登録情報
- 出版社 : 白水社 (2009/5/1)
- 発売日 : 2009/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 323ページ
- ISBN-10 : 456009229X
- ISBN-13 : 978-4560092293
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,227,975位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 309,605位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年7月30日に日本でレビュー済み
『グールド魚類画帖』もだが、この作家は汚濁というインクで人間社会を描くのがどうしてこうもうまいのだろう。
主人公はストリッパーのドール。高価なブランド物で装うことで辛うじてプライドを保ちながら男たちの欲望に奉仕して金を稼ぎ、自分の家を手に入れてまっとうに暮らすことを夢見ている。だが、中東系の男(肌色の違う移民には反感を持っているのだが、容姿に惹かれて)と一夜を共にしたことからテロリストの片割れと疑われてしまう。唯一の親友が、人の性は善であり物事は良い方へ収束すると信じているのに反し、ドールは人間を決して信用せず(そうなるのも無理ない半生なのだ)、警察へ出頭しろと親友が勧めるのも聞かずに逃げ回る。『テロリストを一人でっち上げられたら、人々に悪魔を与えてやったってことになるんだから。連中は悪魔が大好きで、悪魔が必要で、それがあたしの仕事なのよ』というドールの直感はまったく正しく、政府やマスコミの思惑で、彼女はあっという間に立派なテロリストに仕立て上げられる。
そんな彼女が逃げ回る街では、ホームレスが若者から、『かつては共同体だった場所で、かつては社会だった国で、だれもが生き抜くはめになったこの汚れ澱んだ十年間に起きたあらゆることが、かつては一人の人間だった糞の詰まった袋のようなこの男のせいだというように』蹴られ続け、港のコンテナの中では密航してきた男たちが死んで腐って最後の一人が絶望的に壁を叩き、そんな反吐と汚泥のなかで人々はそれでも切なく愛を求めている。
偏見や不信や憎しみや欲望の渦巻く社会で生きる哀しい人間たちの姿をしっかりと描いた力作。サスペンスフルな筋立てで、ページターナー度も抜群!
主人公はストリッパーのドール。高価なブランド物で装うことで辛うじてプライドを保ちながら男たちの欲望に奉仕して金を稼ぎ、自分の家を手に入れてまっとうに暮らすことを夢見ている。だが、中東系の男(肌色の違う移民には反感を持っているのだが、容姿に惹かれて)と一夜を共にしたことからテロリストの片割れと疑われてしまう。唯一の親友が、人の性は善であり物事は良い方へ収束すると信じているのに反し、ドールは人間を決して信用せず(そうなるのも無理ない半生なのだ)、警察へ出頭しろと親友が勧めるのも聞かずに逃げ回る。『テロリストを一人でっち上げられたら、人々に悪魔を与えてやったってことになるんだから。連中は悪魔が大好きで、悪魔が必要で、それがあたしの仕事なのよ』というドールの直感はまったく正しく、政府やマスコミの思惑で、彼女はあっという間に立派なテロリストに仕立て上げられる。
そんな彼女が逃げ回る街では、ホームレスが若者から、『かつては共同体だった場所で、かつては社会だった国で、だれもが生き抜くはめになったこの汚れ澱んだ十年間に起きたあらゆることが、かつては一人の人間だった糞の詰まった袋のようなこの男のせいだというように』蹴られ続け、港のコンテナの中では密航してきた男たちが死んで腐って最後の一人が絶望的に壁を叩き、そんな反吐と汚泥のなかで人々はそれでも切なく愛を求めている。
偏見や不信や憎しみや欲望の渦巻く社会で生きる哀しい人間たちの姿をしっかりと描いた力作。サスペンスフルな筋立てで、ページターナー度も抜群!