キャリアとそれを通じて何を学ぶかということを、丹念な文献レビューといくつかの調査(一皮むけた経験の調査)から分析している。キャリアについての本は非常に増えてきているが、そこで一体何を学ぶのか、つまりキャリアと学習の関係に焦点を当てた研究はかなり少ない。本書は、その点について真摯に研究している。
コンテクスト・アプローチというコンテクスト(文脈)という言葉は、この本では、企業〜部門〜役割といった企業内で仕事をする個人を取り巻く背景や状況という意味である。キャリアを歩む個人は、所属する企業そして、部門(部署)、さらには与えられた役割によって学ぶべき内容・ポイントが変わることを調査分析によって示している。
全体的に専門的な内容で読みごたえがあるが、キャリアについての文献も豊富で参考になるし、一皮むけた経験の分析は実際に仕事をしている人にも参考になる。また人事部など研修、人材育成に関連する部署の人には専門知識として役立つと思う。
蛇足だが、冒頭の頭書きにはキャリアやリーダーシップ研究で有名な神戸大学の金井壽宏教授の推薦文があった。
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マネジャーのキャリアと学習: コンテクスト・アプローチによる仕事経験分析 (HAKUTO Management) 単行本 – 2006/10/1
谷口 智彦
(著)
- 本の長さ357ページ
- 言語日本語
- 出版社白桃書房
- 発売日2006/10/1
- ISBN-104561264515
- ISBN-13978-4561264514
登録情報
- 出版社 : 白桃書房 (2006/10/1)
- 発売日 : 2006/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 357ページ
- ISBN-10 : 4561264515
- ISBN-13 : 978-4561264514
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,007,100位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年4月13日に日本でレビュー済み
2006年12月20日に日本でレビュー済み
本書は、実際に仕事をしている状況や企業を取り巻く環境を重視し、広範な学際的レビューと仕事経験に関する丁寧なインタビュー・アンケート調査に基づいたキャリア研究の本である。
著者は、企業で働く個人が仕事経験から学ぶ際に企業の背景に潜む文脈から受ける影響を見逃してはならないと主張し、その影響を理論化するためにキャリアコンターという
ツールを用いることで一見雑になりがちなインタビュー調査を見事綺麗にまとめている。
仮説構築型研究ということで、著者なりのコンテクストアプローチによる学習モデル(本書P312)を提示している。学習やキャリアに関する先行研究は「内容」に関するものが多く、「プロセスやコンテクスト」に光を当てている研究は多くない。そういった意味でもコンテクストアプローチによる学習モデルは理論的に有意味であり、企業で働く人々に
対しても、現在の自分の置かれている立場を把握し、そこから学ぶことでキャリアにどういった影響を与えるのかということを考えさせるという意味で実践的にも有用であろう。
研究方法に関して、日本の経営学研究は昨今、実証的研究に偏りを見せており、本書のようなきめの細かい調査に基づいた仮説構築型研究は稀である。
個人的な意見として、こういった現場の生の声を重視した研究というものは実証的研究に傾斜した日本の経営学の幅を広げるという意味で非常に重要な
意味を持っていると思う。
著者は、企業で働く個人が仕事経験から学ぶ際に企業の背景に潜む文脈から受ける影響を見逃してはならないと主張し、その影響を理論化するためにキャリアコンターという
ツールを用いることで一見雑になりがちなインタビュー調査を見事綺麗にまとめている。
仮説構築型研究ということで、著者なりのコンテクストアプローチによる学習モデル(本書P312)を提示している。学習やキャリアに関する先行研究は「内容」に関するものが多く、「プロセスやコンテクスト」に光を当てている研究は多くない。そういった意味でもコンテクストアプローチによる学習モデルは理論的に有意味であり、企業で働く人々に
対しても、現在の自分の置かれている立場を把握し、そこから学ぶことでキャリアにどういった影響を与えるのかということを考えさせるという意味で実践的にも有用であろう。
研究方法に関して、日本の経営学研究は昨今、実証的研究に偏りを見せており、本書のようなきめの細かい調査に基づいた仮説構築型研究は稀である。
個人的な意見として、こういった現場の生の声を重視した研究というものは実証的研究に傾斜した日本の経営学の幅を広げるという意味で非常に重要な
意味を持っていると思う。