とにかく詳しくヨーロッパにおける両性具有者の歴史が遡って紹介されていたので、思いがけなく知識を積んだ気持ちになりました。キリスト教文化の残酷な一面もくまなく紹介されていて、宗教ってなに?と問いただすいい機会にもなったと思います。日本の仏教文化の、中道を行くおおらかさってやっぱり大切かも。少なくても日本の歴史の中に両性具有者がおおやけに迫害の対象になった例はありませんよね。
注が多く、その殆どの原本がフランス語のみじゃないかと思われるのが残念です。
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両性具有: ヨーロッパ文化のなかのあいまいな存在の歴史 単行本 – 2003/3/1
- 本の長さ244ページ
- 言語日本語
- 出版社原書房
- 発売日2003/3/1
- ISBN-10456203629X
- ISBN-13978-4562036295
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
文学、芸術、医学などそれぞれの分野で強い関心をもたれた「半陰陽なる者たち」。17~18世紀は、この存在をめぐってどのように揺れ動いてきたのか。当時の膨大な資料をひもときながら描く薄明かりの中のヨーロッパ精神史。
登録情報
- 出版社 : 原書房 (2003/3/1)
- 発売日 : 2003/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 244ページ
- ISBN-10 : 456203629X
- ISBN-13 : 978-4562036295
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,094,691位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,008位ヨーロッパ史一般の本
- カスタマーレビュー:
著者について
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2014年12月14日に日本でレビュー済み
神話に芸術、宗教に医学、そして裁判の判例など、様々な資料を紐解くことで浮かび上がってきた、17〜18世紀のヨーロッパにおいての“半陰陽”の歴史とは。
希少で貴重な図版も多数掲載。
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現代でこそ、偏見は残るものの、きちんとした配慮や対応をされている人々だが、これが数世紀遡ると、宗教者からは敵視され、芸術家からは神聖視され、医学者からは解剖学的興味の視線で見られ、庶民からは好奇や蔑視の視線を向けられ、人権やプライバシーなど全くなかった。
一部の啓蒙的な思想家や医学者は彼らに対して科学的考察を試みたが、それが彼らを助ける一方で、偏見を助長したり新たな偏見を生み出したりするという悪循環も生み出した。当事者としては悲劇だろうが、その啓蒙精神の結果として、整形手術ができる医師がいて、手術を受ける権利があって、日本を含む世界各地にIS運動団体が存在しているのだ。
創作物においては、性行為を描くけど男は描きたくない、または描けない場合の対策としてだったり、フェティシズムとしてだったり、ギャグとしてだったり、はたまたキャラクターの個性の一つとして「“ファンタジー”としての『両性具有』」という設定が設けられることが少なからずある。
しかし、「“ファンタジー”としての『両性具有』」の氾濫はいずれ「“現実”の『両性具有』」に対する偏見を助長し、彼らの苦悩を強めるではないか。この本に書かれた芸術史、医学史、裁判の判例を読み終えて、ふとそう思ったが、これもまた、誤解と偏見に因る考え方なのかも知れない。
希少で貴重な図版も多数掲載。
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現代でこそ、偏見は残るものの、きちんとした配慮や対応をされている人々だが、これが数世紀遡ると、宗教者からは敵視され、芸術家からは神聖視され、医学者からは解剖学的興味の視線で見られ、庶民からは好奇や蔑視の視線を向けられ、人権やプライバシーなど全くなかった。
一部の啓蒙的な思想家や医学者は彼らに対して科学的考察を試みたが、それが彼らを助ける一方で、偏見を助長したり新たな偏見を生み出したりするという悪循環も生み出した。当事者としては悲劇だろうが、その啓蒙精神の結果として、整形手術ができる医師がいて、手術を受ける権利があって、日本を含む世界各地にIS運動団体が存在しているのだ。
創作物においては、性行為を描くけど男は描きたくない、または描けない場合の対策としてだったり、フェティシズムとしてだったり、ギャグとしてだったり、はたまたキャラクターの個性の一つとして「“ファンタジー”としての『両性具有』」という設定が設けられることが少なからずある。
しかし、「“ファンタジー”としての『両性具有』」の氾濫はいずれ「“現実”の『両性具有』」に対する偏見を助長し、彼らの苦悩を強めるではないか。この本に書かれた芸術史、医学史、裁判の判例を読み終えて、ふとそう思ったが、これもまた、誤解と偏見に因る考え方なのかも知れない。