私が現在所属する推理小説研究会(木曜会と称します)は毎月1回最後の木曜日に会合を持っています。会員は70歳から20歳までと年齢の巾は広いのですが、推理小説が好きということで一致しており、毎回楽しく語りあっています。本作品が4月の課題作となり、会員が読破して感想を述べる材料です。
内容は私の興味範囲と必ずしも一致しなかったのですが、状態も良く満足しています。
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御手洗潔対シャ-ロック・ホ-ムズ (ミステリー・リーグ) 単行本 – 2004/11/1
柄刀 一
(著)
- 本の長さ375ページ
- 言語日本語
- 出版社原書房
- 発売日2004/11/1
- ISBN-104562038551
- ISBN-13978-4562038558
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登録情報
- 出版社 : 原書房 (2004/11/1)
- 発売日 : 2004/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 375ページ
- ISBN-10 : 4562038551
- ISBN-13 : 978-4562038558
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,126,945位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 283,684位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2012年5月2日に日本でレビュー済み
2004年に原書房から出た単行本の文庫化。
御手洗潔、ホームズのパスティーシュ短編集。御手洗ものが2本、ホームズものが2本、御手洗とホームズが対決するものが1本。
正直に言って、二人の対決する「巨人幻想」以外の4本はちょっと……。読後になんだか残念な気持ちになる。
「巨人幻想」は多数の謎とトリックがちりばめられ、サービス精神に富んだ物語であった。御手洗とホームズの推理合戦も楽しい。きてれつな謎を二人がこともなげに解き明かしていくのがいい。
御手洗潔、ホームズのパスティーシュ短編集。御手洗ものが2本、ホームズものが2本、御手洗とホームズが対決するものが1本。
正直に言って、二人の対決する「巨人幻想」以外の4本はちょっと……。読後になんだか残念な気持ちになる。
「巨人幻想」は多数の謎とトリックがちりばめられ、サービス精神に富んだ物語であった。御手洗とホームズの推理合戦も楽しい。きてれつな謎を二人がこともなげに解き明かしていくのがいい。
2006年7月20日に日本でレビュー済み
正直、題名を見た時点で即買ってしまったのですが、実際読んでみると本当に面白いです。私は題名にある二人の原作を読んでいたのですが、作中には『御手洗らしさ』『ホームズらしさ』と言うものが要所要所に出ており、二人のファンでも楽しめる一冊だと思います。御手洗の方は派手な殺人事件はないけれど、そんな事を気にしないくらい深い内容になっています。ホームズは現代に生きていると言う変わった設定と多少時代錯誤な雰囲気はありますが、逆にその独特な雰囲気を楽しめると思います。また、読者を飽きさせない内容になっていますので一度読んでみてはどうでしょうか?斎的にはおすすめの一冊です。
2015年5月24日に日本でレビュー済み
島田荘司さんが生み出した名探偵・御手洗潔と誰もが知るシャーロック・ホームズを題材にしたパスティーシュ小説。
書籍のタイトルどおりの対決は書き下ろしの中編「巨人幻想」で、ホームズ、御手洗ともに2編ずつの短編を収録。
ホームズの作品は小学生の頃から読んでいますが、独特の文体というか翻訳時のクセがあるんですよね。あれがちょっと苦手なんですが、慣れ親しんだホームズとワトスンなので、物語への没入はしやすいですね。
個人的には短編は御手洗潔の2編の方がお気に入り。「シリウスの雫」は「御手洗潔パロディ・サイト事件」に収録されていた作品なので既読なんですが、提示される巨石建造物の謎を鮮やかに解き、現れる景色が印象的です。
御手洗潔とシャーロック・ホームズの時空を超えた対決は古典作品っぽい巨人の怪奇現象とトリックで楽しく読むことができますが、それよりも読み終えた後に収録されている御手洗潔生みの親の島田荘司さんの解説「石岡和己対ジョン・H・ワトスン」に爆笑。
なかなか楽しい作品でした。
書籍のタイトルどおりの対決は書き下ろしの中編「巨人幻想」で、ホームズ、御手洗ともに2編ずつの短編を収録。
ホームズの作品は小学生の頃から読んでいますが、独特の文体というか翻訳時のクセがあるんですよね。あれがちょっと苦手なんですが、慣れ親しんだホームズとワトスンなので、物語への没入はしやすいですね。
個人的には短編は御手洗潔の2編の方がお気に入り。「シリウスの雫」は「御手洗潔パロディ・サイト事件」に収録されていた作品なので既読なんですが、提示される巨石建造物の謎を鮮やかに解き、現れる景色が印象的です。
御手洗潔とシャーロック・ホームズの時空を超えた対決は古典作品っぽい巨人の怪奇現象とトリックで楽しく読むことができますが、それよりも読み終えた後に収録されている御手洗潔生みの親の島田荘司さんの解説「石岡和己対ジョン・H・ワトスン」に爆笑。
なかなか楽しい作品でした。
2005年8月15日に日本でレビュー済み
ホームズパロディ&パスティッシュは内外に数多かれど、まあ大体がホームズとワトスンのやおいか、ホームズは実は〇〇〇だった、という水準に留まっている。要は原‐テクストと戯れている以上のものでしかないのだが、本作の場合、従来のホームズパロディというほかに、島田荘司の御手洗潔もののパスティッシュが併せて目論まれている。ホームズパロディに島田作品の文脈を引き入れるということ、これは実は従来のホームズもののスタンスにある種の屈折を強いるものだ。
というのも、島田には、『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』というホームズパロディ&パスティッシュの名作があるからだ。この作品、単なるパロディというに留まらない、とてつもない起爆力を内包した小説なのである。これを読む前と読んだ後では、何の誇張もなく「世界」が変わる(笑)。ここで示されたホームズ像は、原‐テクストに確実に食い込むわけである。上記の「屈折」というのは、こういうことなのだ。
これにあたり、作者が実際にどういう処理を行ったかは、是非作品を読まれたいが、具体的には現代日本にホームズ&ワトスンが出現するのだ(笑)。このアクロバティックな所作により、「御手洗潔対シャーロック・ホームズ」が華麗に実現する。個々の短編のトリックメイキングに関しては、言うことナシ。素直に幻惑されて下さい。
本作は先人の業績に対する見事なリスペクトだけれど、島田荘司によるあとがきは、全てのファンに対する格好のプレゼントだ。読んで悶えよ。
というのも、島田には、『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』というホームズパロディ&パスティッシュの名作があるからだ。この作品、単なるパロディというに留まらない、とてつもない起爆力を内包した小説なのである。これを読む前と読んだ後では、何の誇張もなく「世界」が変わる(笑)。ここで示されたホームズ像は、原‐テクストに確実に食い込むわけである。上記の「屈折」というのは、こういうことなのだ。
これにあたり、作者が実際にどういう処理を行ったかは、是非作品を読まれたいが、具体的には現代日本にホームズ&ワトスンが出現するのだ(笑)。このアクロバティックな所作により、「御手洗潔対シャーロック・ホームズ」が華麗に実現する。個々の短編のトリックメイキングに関しては、言うことナシ。素直に幻惑されて下さい。
本作は先人の業績に対する見事なリスペクトだけれど、島田荘司によるあとがきは、全てのファンに対する格好のプレゼントだ。読んで悶えよ。
2008年7月31日に日本でレビュー済み
最初の作品は腐女子向けの作品。
2つめは某作品のアレンジ。
3つめはパロディ。
図書館で探すか、ブックオフの100均待ちすればよかった。
星1個は本家が書いた短編に捧げます。
2つめは某作品のアレンジ。
3つめはパロディ。
図書館で探すか、ブックオフの100均待ちすればよかった。
星1個は本家が書いた短編に捧げます。
2012年5月15日に日本でレビュー済み
御手洗ものパスティーシュ2作+ホームズものパスティーシュ2作に、双方の共演作1作の計5中短編集である。
御手洗ものは、文体もストーリーも登場する脳科学の蘊蓄までも、実によくオリジナルを踏襲している。
島田作品と言われてもおかしくないほどの完成度だ。
さて、一方のホームズものは、ファルスの度合いがかなりきつすぎる。
オリジナルとは似ても似つかないという感じだ。
このギャップの大きさに、まずはびっくりした。
そしてラストの中編では、両者が時空を超えて共演するわけだが、この雰囲気はどちらかといえば島田作品の雰囲気。
かの「魔神の遊戯」を連想させるような作品となっている。
なにより圧巻なのは巻末の島田御大による石岡ーワトソンの書簡によるやりとりだ。
御大のセンスを感じるとともに、本作品を締めるという、大きな意味がある。
パスティーシュは、どうがんばっても批判されることが必然だという、まさに難問にまっこうから立ち向かったのが本作品集である。
完成度という点ではいまひとつだが、その意気や良し、というところだろう。
御手洗ものは、文体もストーリーも登場する脳科学の蘊蓄までも、実によくオリジナルを踏襲している。
島田作品と言われてもおかしくないほどの完成度だ。
さて、一方のホームズものは、ファルスの度合いがかなりきつすぎる。
オリジナルとは似ても似つかないという感じだ。
このギャップの大きさに、まずはびっくりした。
そしてラストの中編では、両者が時空を超えて共演するわけだが、この雰囲気はどちらかといえば島田作品の雰囲気。
かの「魔神の遊戯」を連想させるような作品となっている。
なにより圧巻なのは巻末の島田御大による石岡ーワトソンの書簡によるやりとりだ。
御大のセンスを感じるとともに、本作品を締めるという、大きな意味がある。
パスティーシュは、どうがんばっても批判されることが必然だという、まさに難問にまっこうから立ち向かったのが本作品集である。
完成度という点ではいまひとつだが、その意気や良し、というところだろう。
2008年8月12日に日本でレビュー済み
御手洗潔といえば、日本の名探偵を挙げよといわれれば新本格ミステリの世界では絶対に五本の指に入る探偵です。島田荘司さんが彼を主人公にして書いた諸作品(個人的には「異邦の騎士」や「クリスマスのディナー」などが名作だと思います)は、読まれた方も多いと思います。その御手洗潔とワトスン的役割の石岡和己を主人公にした話を、著者の島田荘司以外の人物が書いているということに興味を覚え入手してみました。
あとがきによれば、島田荘司さんからの提案でもあったようで納得いたしましたし、そのパスティーシュのレベルはかなり高く、御手洗潔ものとして著者名を伏せて出されれば、たぶん島田荘司作品だと思って読んでしまうと思います。それくらいパスティーシュとしてよく出来ています。そして、ただそれだけであればあくまでパスティーシュというだけであまり面白みがないのですが、本書にはそのパスティーシュ以外にも、シャーロック・ホームズのパロディ、ならびにシャーロック・ホームズと御手洗潔がイギリスの片田舎で巨人伝説にまつわる謎と誘拐事件の解決に協力するというなかなか楽しい趣向があって、一冊として楽しめる内容になっていました。特に、真面目なパスティーシュからは想像もつかないくらいの、ホームズパロディでは文体を崩しまくっており内容もシャレでつっぱしっていて(愛鈴・アドラーだとか、鳩村夫人とかいう適当な日本名化なども含めて)その落差も笑わせていただきました。
シャーロック・ホームズの笑わせてくれるパロディといえば黒崎緑が有名ですので、さすがにあのレベルを期待されると困りますが、真面目なパスティーシュとかけあわせる素材としては十分なレベルかと思われます。まぁ、単体で出されたら、と考えれば本編より身も、巻末付録のワトスン対石岡の文通での戦いが一番面白いのが困りものではあるんですけれどね。
あとがきによれば、島田荘司さんからの提案でもあったようで納得いたしましたし、そのパスティーシュのレベルはかなり高く、御手洗潔ものとして著者名を伏せて出されれば、たぶん島田荘司作品だと思って読んでしまうと思います。それくらいパスティーシュとしてよく出来ています。そして、ただそれだけであればあくまでパスティーシュというだけであまり面白みがないのですが、本書にはそのパスティーシュ以外にも、シャーロック・ホームズのパロディ、ならびにシャーロック・ホームズと御手洗潔がイギリスの片田舎で巨人伝説にまつわる謎と誘拐事件の解決に協力するというなかなか楽しい趣向があって、一冊として楽しめる内容になっていました。特に、真面目なパスティーシュからは想像もつかないくらいの、ホームズパロディでは文体を崩しまくっており内容もシャレでつっぱしっていて(愛鈴・アドラーだとか、鳩村夫人とかいう適当な日本名化なども含めて)その落差も笑わせていただきました。
シャーロック・ホームズの笑わせてくれるパロディといえば黒崎緑が有名ですので、さすがにあのレベルを期待されると困りますが、真面目なパスティーシュとかけあわせる素材としては十分なレベルかと思われます。まぁ、単体で出されたら、と考えれば本編より身も、巻末付録のワトスン対石岡の文通での戦いが一番面白いのが困りものではあるんですけれどね。