前著『
昭和天皇と戦争―皇室の伝統と戦時下の政治・軍事戦略
』（この本自身は面白かった）
でも少し気になっていたのだが、どうも著者の意図は昭和天皇に関するある著作を
非難することにあるようだ。
本書は、これでもかと言わんばかりにその著作を非難してみたり、昭和天皇に関する
論文や史料をかなり脈絡なく取り上げてみたりで、読み物としてはもちろん面白くないし、
全くまとまりもないので学術書とも言い難い。
もちろん部分的には「へー」と思わせるところがあるが、とにかく一冊の本としては
「何だこれは！」という仕上がりである。
これを買おうかどうか考えている人には、書店で実際に手にとって内容を見て、
自分にとって興味ある記述があれば、Amazonで買ったらどうでしょうか（ポイントがつくし、
持って帰るには軽い本ではないから）とアドバイスしたい。
『昭和天皇と戦争』をまだ読んでいない人は、そちらを買うべきでしょう。
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