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この国。 (ミステリー・リーグ) 単行本 – 2010/6/10
石持 浅海
(著)
一党独裁の管理国家であるこの国では
国家に対する反逆はなによりも罪が重く、
人材育成をなにより重要視するこの国では
小学校卒業時に児童の将来が決められ、
非戦平和を掲げるこの国では
士官学校はたんなる公務員養成所となり、
経済の豊かなこの国では
多くの女性が売春婦としておとずれ、
文化を愛するこの国では
「カワイイ」をテーマに博覧会が開かれる。
そんな「この国」だからこそ起こる「事件」がある。
国家に対する反逆はなによりも罪が重く、
人材育成をなにより重要視するこの国では
小学校卒業時に児童の将来が決められ、
非戦平和を掲げるこの国では
士官学校はたんなる公務員養成所となり、
経済の豊かなこの国では
多くの女性が売春婦としておとずれ、
文化を愛するこの国では
「カワイイ」をテーマに博覧会が開かれる。
そんな「この国」だからこそ起こる「事件」がある。
- 本の長さ296ページ
- 出版社原書房
- 発売日2010/6/10
- ISBN-104562045825
- ISBN-13978-4562045822
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商品の説明
著者について
1966年愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。97年に鮎川哲也編『本格推理 11』に短篇「暗い箱のなかで」を発表、2002年、『アイルランドの薔薇』で長篇デビュー。著書は他に『月の扉』、『BG、あるいは死せるカイニス』、『扉は閉ざされたまま』、『耳をふさいで夜を走る』、『リスの窒息』、『攪乱者』など多数。
登録情報
- 出版社 : 原書房 (2010/6/10)
- 発売日 : 2010/6/10
- 単行本 : 296ページ
- ISBN-10 : 4562045825
- ISBN-13 : 978-4562045822
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,799,403位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 428,999位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年5月28日に日本でレビュー済み
設定はありがちだが楽しませてくれる。現代日本にブラックな視線を投げかけ、ミステリー部分ではふたつの類い稀なる頭脳が交錯する。
2010年12月7日に日本でレビュー済み
この国、どの国、奇妙なお国
あらすじ
この国、そこでは民主主義を標榜しながらも、
一党独裁による政治が行われていた。
この国では、死刑執行が娯楽になり、進んだエリート教育がなされ、
売春は国ぐるみで行われ、そして、これらに異を唱える
テロリストたちが暗躍して。
感想
推理小説で、現代と異なる制度を用いた異世界ものを描くのは
なにげにハードルが高いと思います。
とっぴな設定を用いて読者を驚かせたいだけだろ、
そう思われたり、推理のためのご都合主義だと思われたり・・・
言ってしまえば、その世界を統べるルールと
謎ときが有機的に絡んでいる必要があります。
石持さんは、異世界ものを何冊か書いてますが
その中でもピカ一の作品だと思います。
中でも、進み過ぎたエリート教育が引き起こす
短編『ドロッピング・ゲーム』は本作の特徴が凝縮された良作。
8割の謎は解明できるけど、残り2割の残酷な真相が、
世界のルールとも直結する構造はさすがの一言。
テロリストとそれを取り締まる者の
熱い知恵比べを味わうのも、また楽しいです。
個人的には芦辺さんの「死体の冷めないうちに」と
読み比べるのも楽しいかな、と思いました。
似てる部分もあるけど、手触りが違っていると言うか・・・
読んでからの一言
それにしても、テロリストが好きな作者さんだなぁ
あらすじ
この国、そこでは民主主義を標榜しながらも、
一党独裁による政治が行われていた。
この国では、死刑執行が娯楽になり、進んだエリート教育がなされ、
売春は国ぐるみで行われ、そして、これらに異を唱える
テロリストたちが暗躍して。
感想
推理小説で、現代と異なる制度を用いた異世界ものを描くのは
なにげにハードルが高いと思います。
とっぴな設定を用いて読者を驚かせたいだけだろ、
そう思われたり、推理のためのご都合主義だと思われたり・・・
言ってしまえば、その世界を統べるルールと
謎ときが有機的に絡んでいる必要があります。
石持さんは、異世界ものを何冊か書いてますが
その中でもピカ一の作品だと思います。
中でも、進み過ぎたエリート教育が引き起こす
短編『ドロッピング・ゲーム』は本作の特徴が凝縮された良作。
8割の謎は解明できるけど、残り2割の残酷な真相が、
世界のルールとも直結する構造はさすがの一言。
テロリストとそれを取り締まる者の
熱い知恵比べを味わうのも、また楽しいです。
個人的には芦辺さんの「死体の冷めないうちに」と
読み比べるのも楽しいかな、と思いました。
似てる部分もあるけど、手触りが違っていると言うか・・・
読んでからの一言
それにしても、テロリストが好きな作者さんだなぁ
2011年2月4日に日本でレビュー済み
石持浅海氏の連作短編です。
前作「 攪乱者 (ジョイ・ノベルス) 」と同じスタイルですが、前作がテロリストの側だったのに対して、本作は国防の側での物語です。基本的には軽い作風の著者でありながら、連続でこういう作品を書いた石持氏の心境やいかに。
舞台は、日本に酷似した仮想国家で、一党独裁制のもとに治安警察が反政府組織と戦っているというシナリオ。5作に共通して登場する優秀な治安警察官が主体となり、それぞれの作品内で反政府組織の謀略を防いでいくストーリー展開。
どれも無難にまとまっていて退屈はしないのですが、ミステリーとしての読み応えは薄いです。サスペンスですかね。やはりある程度のボリュームが無いと楽しめるミステリーに仕上げるのは難しいのでしょう。最近長編を書いていないと見受けられる著者ですが、やはり長めの力の入った作品を書いてほしいと思います。
前作「 攪乱者 (ジョイ・ノベルス) 」と同じスタイルですが、前作がテロリストの側だったのに対して、本作は国防の側での物語です。基本的には軽い作風の著者でありながら、連続でこういう作品を書いた石持氏の心境やいかに。
舞台は、日本に酷似した仮想国家で、一党独裁制のもとに治安警察が反政府組織と戦っているというシナリオ。5作に共通して登場する優秀な治安警察官が主体となり、それぞれの作品内で反政府組織の謀略を防いでいくストーリー展開。
どれも無難にまとまっていて退屈はしないのですが、ミステリーとしての読み応えは薄いです。サスペンスですかね。やはりある程度のボリュームが無いと楽しめるミステリーに仕上げるのは難しいのでしょう。最近長編を書いていないと見受けられる著者ですが、やはり長めの力の入った作品を書いてほしいと思います。
2010年6月27日に日本でレビュー済み
現実の某国をアレンジした(と思われる)「この国」を舞台とする、体制派の主人公v.s.反体制派で主人公に土をつけた宿命の敵のぶつかり合い。
実際には連作短編集であり、ふたりの対峙は第一作と最終作のみ。根底に流れるのはこの二人を含め「相手の裏の裏をかく」「論理詰めで相手の行動を読み切る」、ある意味心理戦。
ある意味、いつもの「石持節」である。
面白くない訳ではないのだが、以前の作品と比較して「最後の話の落としどころ」があまり気持ちのよいものではない(「攪乱者」や「きみがいなくても平気」あたりも同様)ので星を一つ減らす。
「Rのつく〜」や「人柱〜」が好きな読者だと、この数作は今ひとつかもしれない。
それでも、「次の手」に期待しながら星3つ。
実際には連作短編集であり、ふたりの対峙は第一作と最終作のみ。根底に流れるのはこの二人を含め「相手の裏の裏をかく」「論理詰めで相手の行動を読み切る」、ある意味心理戦。
ある意味、いつもの「石持節」である。
面白くない訳ではないのだが、以前の作品と比較して「最後の話の落としどころ」があまり気持ちのよいものではない(「攪乱者」や「きみがいなくても平気」あたりも同様)ので星を一つ減らす。
「Rのつく〜」や「人柱〜」が好きな読者だと、この数作は今ひとつかもしれない。
それでも、「次の手」に期待しながら星3つ。