"ミステリベスト10"一位の惹句が踊る帯を眺め「凄そうな本やなぁ」と思ったものの、
実際読んだらまったく違った手応え。
シリアスな状況の”アリーナ”なのかと思えば、推理を競うTVのバラエティ番組というテイ。
解答の中には、「それが正解だったらバカミスだろうが」ってのもいくつかあり
”なんだかなぁ”という気持ちにさせられるのですが、最後の最後に待っていたのは
最低レベルの叙述トリックでした。おい、ふざけんなやw。
帯情報含めた評判(?)や、私が手にしてたのは既に2刷なのにも関わらず
レビューが少なめなのも、中身に寄るとこが大きい気がします。
「凄い」とは言っても、単に”手数”が多いだけ・・・みたいなね。
ちなみに、回答者が次々殺されていってることを思わせる展開に
これは”ミステリーヲタ”に恨みを持つ作家連合(もしくは作者単独)の復讐劇?
とか思ったのですが、全く違うことは途中で明かされます。
そもそも多重解決というのは、物語に深みや読み応えを増すための手法なのに
「とことん多重解決出来るようにしようぜ」という姿勢のせいで
逆に薄っぺらくなっている感は否めないのです。
作中現実の最後の方でも「君そうゆう立ち位置だったの?」などんでん返しがあるのですが
いきなり過ぎて苦笑いしか浮かびません。
ある意味、”使いたいトリックがあるから殺ってみた”の集大成であるとともに
ミステリーというジャンル全体像に渡る、セルフパロディのオムニバスでもある。
こうまでしないと、今やミステリーは書けないのか……という複雑な思いにもかられます。
ただ、恐ろしくテンポが良くスイスイ読めてしまうとこは◎でしょうか。
あまり堅苦しく考えず、ちょっとした暇つぶしには最良の友かも知れません。
鞠子宿や、ダイイングメッセージは積分記号(?)のとこは素直に感心出来ましたし…。
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ミステリー・アリーナ (ミステリー・リーグ) 単行本 – 2015/6/30
深水黎一郎
(著)
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『最後のトリック』の著者による、多重解決の極北!
ある屋敷で起こった不可解な殺人事件、これに挑むのは
いずれも腕に覚えのある〝ミステリ読みのプロ〟たち。
勝てば一攫千金のバトルロワイヤル、結末は〝真実〟か!
ある屋敷で起こった不可解な殺人事件、これに挑むのは
いずれも腕に覚えのある〝ミステリ読みのプロ〟たち。
勝てば一攫千金のバトルロワイヤル、結末は〝真実〟か!
- 本の長さ355ページ
- 言語日本語
- 出版社原書房
- 発売日2015/6/30
- 寸法13.5 x 2.8 x 19.6 cm
- ISBN-104562051833
- ISBN-13978-4562051830
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登録情報
- 出版社 : 原書房 (2015/6/30)
- 発売日 : 2015/6/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 355ページ
- ISBN-10 : 4562051833
- ISBN-13 : 978-4562051830
- 寸法 : 13.5 x 2.8 x 19.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 779,285位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年12月24日に日本でレビュー済み
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多重解決もののミステリーは何度か読んだが、この作品はその中でもトップクラス
伏線の塊でありながら絶対に解決不可能となる構成には脱帽
伏線の塊でありながら絶対に解決不可能となる構成には脱帽
2018年9月4日に日本でレビュー済み
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最近ミステリーを好きになり始めた方とか本格ミステリーを好きすぎる人には、お勧めできないかな。
それ以外のミステリー好きの方は、こういうミステリーに触れるのも良いかと。
それ以外のミステリー好きの方は、こういうミステリーに触れるのも良いかと。
2020年7月8日に日本でレビュー済み
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なんだろう。つまらない。。。
うんちくが好きな男の人とか楽しめるんじゃないですか?
うんちくが好きな男の人とか楽しめるんじゃないですか?
2016年10月27日に日本でレビュー済み
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評判となった「最後のトリック」(構想に無理があったと思う)より遥かに楽しめた。「最後のトリック」を読んだ際にも感じた事だが、本格ミステリに賭ける作者の情熱がヒシヒシと伝わって来ると同時に、本格ミステリにおけるアイデアの枯渇に対する作者の危機感・諦観も伝わって来た。本作は「最後のトリック」同様、その危機感を打破しようとの試みだが、巧みに仕上がっているという印象を受けた。
思うに、作者は従来の本格ミステリが扱って来たアイデアの否定とその改変に次々とチャレンジしているのだろう。本作はバークリー「毒入りチョコレート事件」のパスティーシュ風の"多重解決"ものだが、
(1) 元となる推理劇
(2) それをテキストで読んで早い者勝ちの推理合戦を繰り広げる回答者達
(3) (1)と(2)を取り持って放映するTV局
という三者を用意する事によって、見掛けは戯れ、中身は真剣勝負という意欲的な工夫を凝らしている。特に、(1)を"小出し"にしている所がミソで、「何故、本格ミステリの"長編"が存在するのか?」という根源的問い掛けを前面に出している点にまず感心した。本格ミステリには風景描写等の余計なものはいらず、推理に必要なエッセンスだけがあれば充分との主張である(ちなみに、ポーのミステリは全て短編)。この小出しの(1)と(2)の小刻みな対比(作者の苦労が窺える)によって従来の本格ミステリのアイデアを次々と否定して行く様が笑いを誘う。一方、それで読者を満足させるためには周到に計算した描写が必要なのは言うまでもなく、作中の「伏線だらけ」という言葉が示す通り、一言一句見落とせない緊密な描写となっている。また、随所で作者の薀蓄が披露されるが、これが単なる衒学趣味ではなく、それ自身が伏線になっている点にも感心した。この小出しによって(3)の意図が早い段階で分かってしまうのが難点だが、それを補って余りある全体構成と描写力である。
従来の本格ミステリのアイデアを否定しながらも、エンターテイメント性に溢れたミステリを読者に提供するという至難の技を達成した快作で、作者には今後もこのレベルの作品の発表を期待したい。
思うに、作者は従来の本格ミステリが扱って来たアイデアの否定とその改変に次々とチャレンジしているのだろう。本作はバークリー「毒入りチョコレート事件」のパスティーシュ風の"多重解決"ものだが、
(1) 元となる推理劇
(2) それをテキストで読んで早い者勝ちの推理合戦を繰り広げる回答者達
(3) (1)と(2)を取り持って放映するTV局
という三者を用意する事によって、見掛けは戯れ、中身は真剣勝負という意欲的な工夫を凝らしている。特に、(1)を"小出し"にしている所がミソで、「何故、本格ミステリの"長編"が存在するのか?」という根源的問い掛けを前面に出している点にまず感心した。本格ミステリには風景描写等の余計なものはいらず、推理に必要なエッセンスだけがあれば充分との主張である(ちなみに、ポーのミステリは全て短編)。この小出しの(1)と(2)の小刻みな対比(作者の苦労が窺える)によって従来の本格ミステリのアイデアを次々と否定して行く様が笑いを誘う。一方、それで読者を満足させるためには周到に計算した描写が必要なのは言うまでもなく、作中の「伏線だらけ」という言葉が示す通り、一言一句見落とせない緊密な描写となっている。また、随所で作者の薀蓄が披露されるが、これが単なる衒学趣味ではなく、それ自身が伏線になっている点にも感心した。この小出しによって(3)の意図が早い段階で分かってしまうのが難点だが、それを補って余りある全体構成と描写力である。
従来の本格ミステリのアイデアを否定しながらも、エンターテイメント性に溢れたミステリを読者に提供するという至難の技を達成した快作で、作者には今後もこのレベルの作品の発表を期待したい。
2016年2月5日に日本でレビュー済み
本作品の著者は、「ウルチモ・トルッコ」(2007年発表:2014年に「最後のトリック」と改題)で、「読者が犯人」という命題に果敢に挑戦する意欲作でメフィスト賞を受賞し、デビュー。
その後、音楽や歌劇を題材とした芸術探偵シリーズで、「芸術+本格ミステリ」という独自の境地を拓きました。
私は、そんな著者の大ファンであり、2000年代に入ってから活動を始めた本格ミステリ作家としては、一番の注目作家です。
そんな著者が遂に、デビュー作以来、久々にミステリでの重要な命題に挑戦したのが、本作品です。
その命題とは、「多重解決ミステリ」。
その起源は、本作品の中でも紹介されていますが、「毒入りチョコレート事件」(アントニー・バークリー著、1929年)です。
要は、探偵役が複数現れ、それぞれ独自の推理で犯人を指摘する──つまり、何重にも解決編が示されるという独得のジャンルです。
いくつもの解決編が示されるということは、それだけ多くの伏線を張る必要があり、実作者の苦労が偲ばれる分野と言えます。
本作品は、この「毒入りチョコレート事件」の6つの解決編の倍以上の解決編が示されることからして、意欲的ですが、その中身も、凝りに凝ったもので、よくこれだけのバリエーションが描けるものだと、感心し、かつ驚いています。
さらに、物語全体を覆う大きな仕掛けまで用意されていて、一気読み必至の傑作です。
ただし、一点だけ注意があります。
それは、ミステリ初心者にはオススメできないということ。
いくつもの解決編は、当然、過去のミステリ作品を踏まえており、具体的な題名は示されてはいないのですが、これまで傑作や佳作と呼ばれてきた作品のネタやエッセンスが含まれているからです。
このため、まだミステリを読み始めの方は、著名なミステリをある程度読んでから本作品に挑む方が、賢明かと思われます。
著者にはまだまだ多くの引き出しがあるように思われ、今後の活躍に、大きな期待を抱いています。
その後、音楽や歌劇を題材とした芸術探偵シリーズで、「芸術+本格ミステリ」という独自の境地を拓きました。
私は、そんな著者の大ファンであり、2000年代に入ってから活動を始めた本格ミステリ作家としては、一番の注目作家です。
そんな著者が遂に、デビュー作以来、久々にミステリでの重要な命題に挑戦したのが、本作品です。
その命題とは、「多重解決ミステリ」。
その起源は、本作品の中でも紹介されていますが、「毒入りチョコレート事件」(アントニー・バークリー著、1929年)です。
要は、探偵役が複数現れ、それぞれ独自の推理で犯人を指摘する──つまり、何重にも解決編が示されるという独得のジャンルです。
いくつもの解決編が示されるということは、それだけ多くの伏線を張る必要があり、実作者の苦労が偲ばれる分野と言えます。
本作品は、この「毒入りチョコレート事件」の6つの解決編の倍以上の解決編が示されることからして、意欲的ですが、その中身も、凝りに凝ったもので、よくこれだけのバリエーションが描けるものだと、感心し、かつ驚いています。
さらに、物語全体を覆う大きな仕掛けまで用意されていて、一気読み必至の傑作です。
ただし、一点だけ注意があります。
それは、ミステリ初心者にはオススメできないということ。
いくつもの解決編は、当然、過去のミステリ作品を踏まえており、具体的な題名は示されてはいないのですが、これまで傑作や佳作と呼ばれてきた作品のネタやエッセンスが含まれているからです。
このため、まだミステリを読み始めの方は、著名なミステリをある程度読んでから本作品に挑む方が、賢明かと思われます。
著者にはまだまだ多くの引き出しがあるように思われ、今後の活躍に、大きな期待を抱いています。
2018年11月6日に日本でレビュー済み
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犯人当て系の話が進むのに、合間合間で謎解きが入るという構成をしているので、読んでいて凄く面白い
凄く面白いんだけど、設定面がちょっと……微妙
凄く面白いんだけど、設定面がちょっと……微妙
2018年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よくありがちな館での殺人事件の謎を、テレビの出演者が次々に解いていくお話。
もちろんそれだけではなくて、そもそもこのテレビ番組とは何か、という事もその後の展開なのですが、とても斬新で面白いと思いました。
ありきたりのミステリに飽きてしまった人は面白く読めるのではないでしょうか。
もちろんそれだけではなくて、そもそもこのテレビ番組とは何か、という事もその後の展開なのですが、とても斬新で面白いと思いました。
ありきたりのミステリに飽きてしまった人は面白く読めるのではないでしょうか。