監訳者あとがきにもあるように、筆者は在外基地に対してかなり否定的であり、
本書はそこを強調させ書かれている。
アメリカの納税者の1人として、また納税者たち同志に向けて
「建設にも運営にも莫大なコストがかかる」ことを第一の反対理由にすべく熱量をもって調査したことが伺える。
国防総省の発表では除外されている経費も追っており、その推計負担額には驚かされる。
それに続く形で挙げられるのが、受け入れ地域が払っている犠牲について。
住民強制退去、環境汚染、騒音問題、経済活動の妨げ、そしてレイプや売春など性的搾取。
沖縄をはじめ各国の米軍基地がある地域へ直接足を運んでの研究による報告で、非常に生生しく語られる。
在外基地のことはめったに話題にならないというアメリカ人に対し衝撃的な問題提起となっている。
また、「米軍基地が受け入れ国の平和を守っている」というのは本当か、という疑問も呈される。
「米軍基地があるがために周辺国も軍備を進めるのでは」という意見がなされるが、具体的な論証がないのは残念。
沖縄では米兵による婦女暴行事件が後を絶たない。
筆者は「軍事化された男性性」として、
軍のシステムが男性兵に「自分は女性より優位である」「女性は虐げて良い」という感覚を形成させていると説く。
教えこむのが最も難しいのは「人を殺すこと」であり、そのために訓練で吹き込まれる考えが女性蔑視を助長するという。
その対象は仲間であるはずの女性兵にも及び、悲惨な事件も数多く起きていることが紹介される。
もちろん米兵すべてがレイプ魔ではないし偏見を持つのは良くないが、軍のあり方について一石を投じている。
本書では米軍がなした功績についてはほとんど語られない。(2014エボラ出血熱対策もそれに乗じて基地拡大が行われたという批判)
この1冊を持って「米軍について理解した」と言うのは危険とも言えるが、
負の面についてアメリカ人が書いたという点で見識を広める大きな助けになる。
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米軍基地がやってきたこと 単行本 – 2016/3/28
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米軍基地は本当に必要なのか?
戦略的価値の真相、思いやり予算、基地周辺の性産業、マフィアとの関係……
世界60か所以上の基地を訪問、軍・官の実力者から地元住民までインタビューを重ね、
その実態と問題を探った執念のノンフィクション。
ワシントンポスト他で絶賛のベストセラー!
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- 本の長さ496ページ
- 言語日本語
- 出版社原書房
- 発売日2016/3/28
- 寸法13.5 x 3.5 x 19.5 cm
- ISBN-104562053046
- ISBN-13978-4562053049
登録情報
- 出版社 : 原書房 (2016/3/28)
- 発売日 : 2016/3/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 496ページ
- ISBN-10 : 4562053046
- ISBN-13 : 978-4562053049
- 寸法 : 13.5 x 3.5 x 19.5 cm
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