日々報道で見聞きするサイバー攻撃ですが、その背後にある技術的、軍事的な広い世界が見渡されています。
著者紹介によると、伊東寛氏は、陸上自衛隊システム防護隊初代隊長を経験され、退官後にコンピュータ・セキュリティ企業に籍を置かれてきた方ということです。
本文では、通信技術から戦術にいたるまで「サイバー戦争」について広く語られます。
歴史、国際政治、防衛、戦略、コンピュータ、そうした分野を横断しながらも、簡潔かつ的を射た議論が提示されているのは、ひとえに、著者が実例から離れてしまうことなく、読者に寄り添って平易に説明を試みているからだと思いますし、ページ下段の注は、読者に巻末と本文を往復させることなく、内容に厚みを生んでいまして、そこからさらなる各論へ入っていける入口にもなっています。
また、巻末の「用語解説」では、日露戦争、硫黄島、マイダン革命について触れられているかと思えば、制高点、抑止、戦争法規、さらに、フォン・ノイマンの呪縛、SHODAN、そしてDNSリフレクション攻撃に至るまでまとめられていまして、国際情勢、歴史、防衛、情報と、本書の視野の広さがうかがえます。
それでも著者は控えめに、こう述べています。
「これらの課題の内、いくつかは私見を述べることになるが、研究は始まったばかりである。」(42頁)
新たな技術によって、新たな理論体系が生み出される――過去、現在、未来を見据えて著者が本書で投げかける言葉は、刺激的でありますし、それが戦争について語られている以上、とても重いものです。
科学技術に、戦争に、人間はいかに対峙するのか、普遍的な問題につながる一冊であると言えるでしょう。
国際情勢をより深く見つめてみたいと思っている方々、そして、政治、防衛、コンピュータ、そうした分野に関わる方々へおすすめします。
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サイバー戦争論:ナショナルセキュリティの現在 単行本 – 2016/8/12
伊東寛
(著)
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陸上自衛隊のシステム防護隊初代隊長、我が国のサイバー戦争の第一人者として知られる著者による、定義や範囲から技術論に至る本格的なサイバー戦争論。
様々な実例を挙げ、また関連用語集を付してわかりやすく解説した時代の必携本!
■目次■
はじめに
序章 世界は今
1 混迷を極める世界
2 サイバー技術が戦争を変える
第1章 サイバー技術と戦争
1 サイバー技術が戦争に与える影響
2 21世紀の戦争
第2章 サイバー戦
1 サイバー戦の概要
2 サイバー戦の機能
3 サイバー戦の特徴
第3章 サイバー戦争は始まっている
1 エストニア共和国に対するサイバー攻撃
2 イスラエルによるシリア空爆にともなうサイバー攻撃
3 ロシア・ジョージア戦争におけるサイバー攻撃
4 イランにおけるスタクスネット事件
5 韓国同時多発サイバー攻撃事件
6 ウクライナ紛争
第4章 サイバー兵器とサイバー戦士
1 サイバー技術の本質的な問題
2 サイバー兵器
3 ハッカーとサイバー戦士
4 人口知能の利用
第5章 法的問題とサイバー戦略論
1 法的問題の概要
2 具体的問題
3 戦略論としてのサイバー
おわりに
用語解説
謝辞
様々な実例を挙げ、また関連用語集を付してわかりやすく解説した時代の必携本!
■目次■
はじめに
序章 世界は今
1 混迷を極める世界
2 サイバー技術が戦争を変える
第1章 サイバー技術と戦争
1 サイバー技術が戦争に与える影響
2 21世紀の戦争
第2章 サイバー戦
1 サイバー戦の概要
2 サイバー戦の機能
3 サイバー戦の特徴
第3章 サイバー戦争は始まっている
1 エストニア共和国に対するサイバー攻撃
2 イスラエルによるシリア空爆にともなうサイバー攻撃
3 ロシア・ジョージア戦争におけるサイバー攻撃
4 イランにおけるスタクスネット事件
5 韓国同時多発サイバー攻撃事件
6 ウクライナ紛争
第4章 サイバー兵器とサイバー戦士
1 サイバー技術の本質的な問題
2 サイバー兵器
3 ハッカーとサイバー戦士
4 人口知能の利用
第5章 法的問題とサイバー戦略論
1 法的問題の概要
2 具体的問題
3 戦略論としてのサイバー
おわりに
用語解説
謝辞
- 本の長さ255ページ
- 言語日本語
- 出版社原書房
- 発売日2016/8/12
- ISBN-104562053410
- ISBN-13978-4562053414
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登録情報
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- 言語 : 日本語
- 単行本 : 255ページ
- ISBN-10 : 4562053410
- ISBN-13 : 978-4562053414
- Amazon 売れ筋ランキング: - 383,617位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 974位軍事入門
- カスタマーレビュー:
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2016年11月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
セキュリティのプロフェッショナルなるの書だけに
重いがあって 読み応えありです
重いがあって 読み応えありです
2016年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「戦争論」という言葉に惹かれて購入しました。
最近話題になるセキュリティについて、ナショナルセキュリティの観点から多面的に記述されている良書だと思います。
この本の網羅性は、筆者の元自衛官としての知見が存分に活かされているとともに、根拠を明示された知的な語りはとても読みやすいものだと感じました。
本書を読んでみて、近年のセキュリティインシデントは、単純なハッカーの仕業ではなく、サイバー空間はすでに戦争状態なのではないかとも、感じられます。また、今後の攻撃手法の進化の方向性も想定されること記述もあり、セキュリティの分野で活動する者にとっては示唆に富んでいると感じられました。
また、情報セキュリティの世界でも単なるITに係る技術用語だけでなく、インテリジェンスや軍事用語が用いられるようになってきたところであり、今後もさらに安全保障や軍事に係る知識も必要となることが想定されると感じていることから、この本は必読の書になるのではないかと思いました。
最後に、巻末にある用語解説は、技術的ものから国際法の用語もあり、とても幅広くマニアックなので、用語解説だけでも楽しめました。過去にこのような網羅的な用語集をみたこともなかったので、さらなる充実と分冊しての発刊も希望します。
最近話題になるセキュリティについて、ナショナルセキュリティの観点から多面的に記述されている良書だと思います。
この本の網羅性は、筆者の元自衛官としての知見が存分に活かされているとともに、根拠を明示された知的な語りはとても読みやすいものだと感じました。
本書を読んでみて、近年のセキュリティインシデントは、単純なハッカーの仕業ではなく、サイバー空間はすでに戦争状態なのではないかとも、感じられます。また、今後の攻撃手法の進化の方向性も想定されること記述もあり、セキュリティの分野で活動する者にとっては示唆に富んでいると感じられました。
また、情報セキュリティの世界でも単なるITに係る技術用語だけでなく、インテリジェンスや軍事用語が用いられるようになってきたところであり、今後もさらに安全保障や軍事に係る知識も必要となることが想定されると感じていることから、この本は必読の書になるのではないかと思いました。
最後に、巻末にある用語解説は、技術的ものから国際法の用語もあり、とても幅広くマニアックなので、用語解説だけでも楽しめました。過去にこのような網羅的な用語集をみたこともなかったので、さらなる充実と分冊しての発刊も希望します。
2017年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちょっと想像していたのと違いました。
「こんなことがあった」なんて言うのを期待していたのですが、実際は「日本では法整備が遅れている」という内容でした。
素晴らしい本なんだろうけど、私にはあまり訴えるところがありませんでした。
「こんなことがあった」なんて言うのを期待していたのですが、実際は「日本では法整備が遅れている」という内容でした。
素晴らしい本なんだろうけど、私にはあまり訴えるところがありませんでした。
2017年6月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
元陸上自衛隊、情報セキュリティ企業の研究所で活躍されていただけあり、非常に読み応えのあります。
読みやすさもありますが、用語集も非常に役立ちます。
サイバー犯罪ではなく、国としてセキュリティを考えるうえで大変参考になると思いました。
読みやすさもありますが、用語集も非常に役立ちます。
サイバー犯罪ではなく、国としてセキュリティを考えるうえで大変参考になると思いました。
2017年2月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
思ったよりも柔らかい書き方でした。内容的にはほぼ予想通り。期待した通りのレベルでした。
2016年9月6日に日本でレビュー済み
今まで一般向けにサイバー戦やインテリジェンスの本を記してきた著者が、
軍事よりのサイバー戦争入門書を書きたい、ということから世に出た本。
サイバーセキュリティ、サイバー攻撃技術の解説等に終始するのではなく、
今まで発生した各種のサイバー攻撃事案について背景を含めた解説など、
軍事的視野に基づいた考察がなされている。
また、サイバー戦において、
国内法、国際法上どのような課題があるか等にも触れている。
サイバーセキュリティを取り巻く世界は
刻々と変化し続けている。
日々、サイバー攻撃事案が発生しているほか、
国内外で様々な検討が進められている(と思う)。
特に日本では東京オリンピックを控え、
サイバーセキュリティの強化も図られているところである。
この本を「今(2016年)」時点でのテキストとし、
各種情勢等の変化に応じて続編、
そのまた続編が世に出ることを期待したい。
軍事よりのサイバー戦争入門書を書きたい、ということから世に出た本。
サイバーセキュリティ、サイバー攻撃技術の解説等に終始するのではなく、
今まで発生した各種のサイバー攻撃事案について背景を含めた解説など、
軍事的視野に基づいた考察がなされている。
また、サイバー戦において、
国内法、国際法上どのような課題があるか等にも触れている。
サイバーセキュリティを取り巻く世界は
刻々と変化し続けている。
日々、サイバー攻撃事案が発生しているほか、
国内外で様々な検討が進められている(と思う)。
特に日本では東京オリンピックを控え、
サイバーセキュリティの強化も図られているところである。
この本を「今(2016年)」時点でのテキストとし、
各種情勢等の変化に応じて続編、
そのまた続編が世に出ることを期待したい。
2019年11月15日に日本でレビュー済み
よくまとまっていて読みやすかったが、概念の整理にとどまり、普通の生活で知りえる情報以上のものは含まれていなかった。整理された概念を肉付けするファクトの部分がもう少し手厚ければ4~5の良書だったと思う。