著者の「ナンダロウ」さんは、本が大好きな人。
本の帯には「書評、エッセイ、ルポを集大成」とあり、
この400頁余りの本を読むだけで、著者のブックライフが伝わってきます。
新刊書店、レコード屋、古本屋、喫茶店、飲み屋を回るブックライフ。
日本中の本好きの人たちのいるところに古本市の旅をして、
旅した先で好きなものを食べる人生。
「ナンダロウ」さんは、好奇心のかたまりです。
あらゆるジャンルの本を手に取って見るのでしょう。
古本屋に「無造作に積まれているように見える本の山を
選り分けている時間が至福なのだ」(101頁)という「ナンダロウ」さん。
「分類がされているようで、ないような棚」こそ
「一段ごとにスリリングで目が離せない」至福の棚なのでしょう。
レコードも好きらしい。
子どもの頃は「空を飛ぶレコード」(388頁)という悪戯が好きだった。
映画も好きらしい。
「地方に行くと、その街の映画館に入るのが好きだ」(396頁)と書いています。
特定のジャンルの本が好きというわけではなさそうです。
「よき本」に出合うためによき旅をしている人、
「よき本」に出合いたい、と本のことばかり考えて旅している(101頁)人です。
そして「ナンダロウ」さんが早稲田大学に入学した時、
「目白台にある和敬塾という男子学生のための寮(村上春樹も一時期いた)も見に行ったが、
クラブ活動やら集会やら、まるで自衛隊みたいな共同生活なので、ここもパスした」(232頁)
おや? この文章を読んで、時代は変わったなと感じました。十年ひと昔。
集団生活嫌いの村上春樹さんが「まるで自衛隊みたいな共同生活」をしていた訳がない?
村上さんと自衛隊? 「セーラー服と機関銃」との組み合わせみたいな違和感を感じました。
「ナンダロウ」さんは、村上春樹の約ふた昔あとの生まれ。
昔話ですが、村上春樹が早稲田大学の学生だった頃は、
大学紛争直後の脱力感が巷にまだ漂って残っていた時代でした。
「ナンダロウ」さんは、大学の後輩から「羊のヒツさん」と呼ばれています。
大学の研究会で「羊をめぐる民族」という発表会をした際に
「船乗りが羊を妻代わりにする習俗」について楽しそうに話したから、
というのが理由だと思うと「ナンダロウ」さん自身が記しています。(342頁)
「当時、村上春樹の『羊をめぐる冒険』が書店に並んでいた」そうです。
「とにかく、羊である。ケモノだ。獣のなかの、毛モノだ。
河上進先輩の『けものみち』は、ご本人の意図しないところで、大学生のころに
すでに始まっていた」と「ナンダロウ」さんの後輩は、この本で証言しています。
この本は「ナンダロウ」さんのブックライフの「けものみち」の集大成です。
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町を歩いて本のなかへ - – 2017/6/26
南陀楼 綾繁
(著)
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購入オプションとあわせ買い
本にみちびかれ、ときには本に埋もれそうになりながら、東へ西へ、今日から明日へ。ブックイベントの現場から見えてくること、多様化する本の場所、本が取り持つ縁など、ルポ、書評、エッセイを集大成したヴァラエティな一冊。
◆地域別記事一覧◆
【北海道】
知床の「本のある場所」 055 / 『無垢の領域』桜木紫乃 119
【青森県】
八戸ブックセンター構想 083 / 『イサの氾濫』木村友祐 123
【岩手県】
一頁堂書店 096 / 『災害と妖怪』畑中章宏 127
【宮城県】
「本プラスα」の可能性 027 / いしのまき本の教室 047 / 移動式本屋〈ペンギン文庫〉 050 / としょかんメディアテークフェスティバル 072 / Book! Book! Sendai 075 / 「本を並べる」ワークショップ 080 / 『3.11のキロク』20世紀アーカイブ仙台 125 / 『津波のまちに生きて』川島秀一 157
【山形県】
Book! Book! Okitama 064 / 図書館に泊まろう! 089 / よき本と出会うためによき旅を 100 / 『本の運命』井上ひさし 164
【福島県】
子どもが集まる「みず文庫」 028
【新潟県】
ニイガタブックライト 067 / 『マンドレークの声』杉みき子 124 / 『完訳 日本奥地紀行』イザベラ・バード 144 / 『洲之内徹 絵のある一生』洲之内徹 162 / 『北越雪譜』鈴木牧之 180 / 『近代出版文化を切り開いた出版王国の光と影』田村哲三 182 / 『シネ・ウインド日記』と成しえなかった夢のこと 394
【富山県】
BOOK DAYとやま 074 / 『アズミハルコは行方不明』山内マリコ 120 / 『日本の下層社会』横山源之助 188
【石川県】
そして、本だけが残る 008
【栃木県】
益子の「土祭」 033 / 『クラクラ日記』坂口三千代 167
【埼玉県】
袋雑誌ワークショップ 026
【千葉県】
佐倉城下町一箱古本市 084 / 『はじまりのコップ』木村衣有子 130
【東京都】
一二枚目の不忍ブックストリートMAP 043 / 古民家での一箱古本市 049 / しのばずくんの本の縁日 053 / 国分寺ブックタウンプロジェクト 066 / 東京蚤の市 070 / 本屋を再定義する 090 / Tokyo Zinester Gathering 093 / 早稲田で読む 219 / 「入谷コピー文庫」と私 386 ほか
【神奈川県】
ひとつき十冊 077 / ブックカーニバルinカマクラ 087
【愛知県】
『新美南吉童話集』新美南吉 153
【三重県】
そして、本だけが残る 008 / ホンツヅキ 063 / 『神去なあなあ夜話』三浦しをん 117
【京都府】
消えてゆくものを悼んでみても 400
【大阪府】
そして、本だけが残る 008 / マイクロ・ライブラリーサミット 078 / もりの植本祭&一箱古本市 086
【兵庫県】
神戸の新しい古本屋 031
【広島県】
『夏の花・心願の国』原民喜 183
【鳥取県】
本からはじまる旅 025 / 「本のある場所」が増えていく 037
【島根県】
雑誌『ヒトハコ』創刊 051 / BOOK在月 068 / 「鬼瓦」は大橋を渡って――花森安治と松江 377 / 空を飛ぶレコード 388
【山口県】
ロバの本屋 095
【香川県】
海の見える一箱古本市 035 / 地域からの風 039 / 完全予約制の古本屋〈なタ書〉 044
【愛媛県】
『伊丹万作エッセイ集』伊丹万作 187
【高知県】
小さな本屋の可能性 034
【福岡県】
地元の文化の見直しを 038 / 地域の歴史といまをつなぐ 046 / 『戦争とおはぎとグリンピース』西日本新聞社 104 / 『地の底のヤマ』西村健 116 / 『復讐』タナダユキ 118 / 『シーナの夢』鮎川誠 129 / 『筑豊炭鉱絵物語』山本作兵衛 141 / 『花と龍』火野葦平 148
【長崎県】
『島へ免許を取りに行く』星野博美 179
【大分県】
『ヴェニスに死す』トオマス・マン 134
【熊本県】
[写真散歩]画と雑貨と珍品の店モラトリアム / 天野屋書店 / 橙書店 / 舒文堂河島書店
【沖縄県】
那覇の一箱古本市 091
◆地域別記事一覧◆
【北海道】
知床の「本のある場所」 055 / 『無垢の領域』桜木紫乃 119
【青森県】
八戸ブックセンター構想 083 / 『イサの氾濫』木村友祐 123
【岩手県】
一頁堂書店 096 / 『災害と妖怪』畑中章宏 127
【宮城県】
「本プラスα」の可能性 027 / いしのまき本の教室 047 / 移動式本屋〈ペンギン文庫〉 050 / としょかんメディアテークフェスティバル 072 / Book! Book! Sendai 075 / 「本を並べる」ワークショップ 080 / 『3.11のキロク』20世紀アーカイブ仙台 125 / 『津波のまちに生きて』川島秀一 157
【山形県】
Book! Book! Okitama 064 / 図書館に泊まろう! 089 / よき本と出会うためによき旅を 100 / 『本の運命』井上ひさし 164
【福島県】
子どもが集まる「みず文庫」 028
【新潟県】
ニイガタブックライト 067 / 『マンドレークの声』杉みき子 124 / 『完訳 日本奥地紀行』イザベラ・バード 144 / 『洲之内徹 絵のある一生』洲之内徹 162 / 『北越雪譜』鈴木牧之 180 / 『近代出版文化を切り開いた出版王国の光と影』田村哲三 182 / 『シネ・ウインド日記』と成しえなかった夢のこと 394
【富山県】
BOOK DAYとやま 074 / 『アズミハルコは行方不明』山内マリコ 120 / 『日本の下層社会』横山源之助 188
【石川県】
そして、本だけが残る 008
【栃木県】
益子の「土祭」 033 / 『クラクラ日記』坂口三千代 167
【埼玉県】
袋雑誌ワークショップ 026
【千葉県】
佐倉城下町一箱古本市 084 / 『はじまりのコップ』木村衣有子 130
【東京都】
一二枚目の不忍ブックストリートMAP 043 / 古民家での一箱古本市 049 / しのばずくんの本の縁日 053 / 国分寺ブックタウンプロジェクト 066 / 東京蚤の市 070 / 本屋を再定義する 090 / Tokyo Zinester Gathering 093 / 早稲田で読む 219 / 「入谷コピー文庫」と私 386 ほか
【神奈川県】
ひとつき十冊 077 / ブックカーニバルinカマクラ 087
【愛知県】
『新美南吉童話集』新美南吉 153
【三重県】
そして、本だけが残る 008 / ホンツヅキ 063 / 『神去なあなあ夜話』三浦しをん 117
【京都府】
消えてゆくものを悼んでみても 400
【大阪府】
そして、本だけが残る 008 / マイクロ・ライブラリーサミット 078 / もりの植本祭&一箱古本市 086
【兵庫県】
神戸の新しい古本屋 031
【広島県】
『夏の花・心願の国』原民喜 183
【鳥取県】
本からはじまる旅 025 / 「本のある場所」が増えていく 037
【島根県】
雑誌『ヒトハコ』創刊 051 / BOOK在月 068 / 「鬼瓦」は大橋を渡って――花森安治と松江 377 / 空を飛ぶレコード 388
【山口県】
ロバの本屋 095
【香川県】
海の見える一箱古本市 035 / 地域からの風 039 / 完全予約制の古本屋〈なタ書〉 044
【愛媛県】
『伊丹万作エッセイ集』伊丹万作 187
【高知県】
小さな本屋の可能性 034
【福岡県】
地元の文化の見直しを 038 / 地域の歴史といまをつなぐ 046 / 『戦争とおはぎとグリンピース』西日本新聞社 104 / 『地の底のヤマ』西村健 116 / 『復讐』タナダユキ 118 / 『シーナの夢』鮎川誠 129 / 『筑豊炭鉱絵物語』山本作兵衛 141 / 『花と龍』火野葦平 148
【長崎県】
『島へ免許を取りに行く』星野博美 179
【大分県】
『ヴェニスに死す』トオマス・マン 134
【熊本県】
[写真散歩]画と雑貨と珍品の店モラトリアム / 天野屋書店 / 橙書店 / 舒文堂河島書店
【沖縄県】
那覇の一箱古本市 091
- 本の長さ408ページ
- 言語日本語
- 出版社原書房
- 発売日2017/6/26
- ISBN-104562054166
- ISBN-13978-4562054169
登録情報
- 出版社 : 原書房 (2017/6/26)
- 発売日 : 2017/6/26
- 言語 : 日本語
- - : 408ページ
- ISBN-10 : 4562054166
- ISBN-13 : 978-4562054169
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,261,866位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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