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J.R.R.トールキン: 世紀の作家 単行本 – 2015/2/4
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- 本の長さ501ページ
- 言語日本語
- 出版社評論社
- 発売日2015/2/4
- ISBN-104566023842
- ISBN-13978-4566023840
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登録情報
- 出版社 : 評論社 (2015/2/4)
- 発売日 : 2015/2/4
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 501ページ
- ISBN-10 : 4566023842
- ISBN-13 : 978-4566023840
- Amazon 売れ筋ランキング: - 453,220位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 79,382位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年6月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
どっぷりとトールキンにはまる楽しさだけではなく、彼の緻密な学者としての作品の作り方に小学生の子供が興味関心を持ち、ここから広がって言語学にさらに興味がわいたようです
2015年6月2日に日本でレビュー済み
「ホビットの冒険」「指輪物語」の著者トールキンの評伝であり、また、その創作の秘密にせまる本です。なんと、原著の発行は2001年ということで、日本語翻訳刊行までに10有余年が経過しています。言語学者でもあったトールキンの古英語や中英語、ウェールズ語や北欧の諸言語にわたる博識を背景としたファンタジー作品に迫る原著を翻訳するためには、翻訳者にもソレ相応の苦役が求められ翻訳作業が難航したということでしょうか。もっと早くに出版されてしかるべきであったように思いもします。が、しかし、遅きに失したかに思える今こそ、まさに読まれるべき時なのかもしれません。なぜなら、今日、イギリス文学を代表する作家のひとりでもあるカズオ・イシグロの最新刊「忘れられた巨人」も、いわばトールキンが開拓(再創造)したといってもいい「ファンタジー」作品に類するものではないでしょうか・・。
ブリタニカ百科事典(1995年版)の「イギリス文学」の項、「20世紀小説」の最後は〈トールキン、C・S・ルイス〉で締めくくられています。そこで小池滋氏は「・・子供だけではなく、大人が純粋の文学作品として受取り、熱狂して読んだ。架空の国を舞台にした完全なファンタジーであるが、リアリズムと自称する大人向きの小説以上に、現代の世界と人間の姿を正確に写し出し、モラルを説く思想書以上に人間の生き方への指針を与えてくれたからである」と記しています。
イギリスの読者投票で、常に高位置(ほとんど首位)をしめ、発行部数でもほかに(聖書を除いて)敵するもののない著作をモノした作家トールキンは、まさに「世紀の作家」といえます。批評家たちのなかには、軽んじけなす者もいるようですが、現実に多くの読者を引き寄せてきたという事実は、トールキンの最大の味方となっています。
その魅力の根源にあるのは、「文献学」です。「訳者あとがき」で沼田香穂里氏は、次のように記しています。「(原著者は)文献学こそ、作家としてのトールキンをトールキンたらしめていた決定的な要素であると論じています。まるで推理小説の謎解きをするかのように次々にトールキン作品の材源を特定し解説していく部分は、本書の醍醐味です。読者の中には、これだけの知識があって初めて創造できる奥深い作品世界であったのか、だからあれほど惹きつけられたのかと納得された方も多いでしょう。しかし著者によると、トールキンが古代の文学にヒントを求めたのには、作品を書くための単なる材料探し以上の意図がありました。・・」と記しています。
当該書籍に見られる言語をめぐる歴史的推移(OEDからの引用など登場します)、地域に由来する語彙の変遷、語彙のひきずる文化の諸相についての論議は、諸言語に興味をもち英語を多少なりともカジル者として、たいへんオモシロイものでした。ただ、思うに、トールキンの作品「ホビットの冒険」「指輪物語」「シルマリルの物語」ソノモノを読んでいない方にとって、それらを取り扱う章を読み進めるのはたいへん難儀難航するかもしれません。当方も「ホビットの冒険」は既読でしたので、その部分は問題ありませんでしたが、それ以外の部分を読み進めるのは、取りやめにしました。それでも、「指輪」「シルマリル」の世界での〈言語をめぐる冒険〉を愉しむためにも、それらソノモノをまず先に読まねば・・という気持ちでいるところです。
ブリタニカ百科事典(1995年版)の「イギリス文学」の項、「20世紀小説」の最後は〈トールキン、C・S・ルイス〉で締めくくられています。そこで小池滋氏は「・・子供だけではなく、大人が純粋の文学作品として受取り、熱狂して読んだ。架空の国を舞台にした完全なファンタジーであるが、リアリズムと自称する大人向きの小説以上に、現代の世界と人間の姿を正確に写し出し、モラルを説く思想書以上に人間の生き方への指針を与えてくれたからである」と記しています。
イギリスの読者投票で、常に高位置(ほとんど首位)をしめ、発行部数でもほかに(聖書を除いて)敵するもののない著作をモノした作家トールキンは、まさに「世紀の作家」といえます。批評家たちのなかには、軽んじけなす者もいるようですが、現実に多くの読者を引き寄せてきたという事実は、トールキンの最大の味方となっています。
その魅力の根源にあるのは、「文献学」です。「訳者あとがき」で沼田香穂里氏は、次のように記しています。「(原著者は)文献学こそ、作家としてのトールキンをトールキンたらしめていた決定的な要素であると論じています。まるで推理小説の謎解きをするかのように次々にトールキン作品の材源を特定し解説していく部分は、本書の醍醐味です。読者の中には、これだけの知識があって初めて創造できる奥深い作品世界であったのか、だからあれほど惹きつけられたのかと納得された方も多いでしょう。しかし著者によると、トールキンが古代の文学にヒントを求めたのには、作品を書くための単なる材料探し以上の意図がありました。・・」と記しています。
当該書籍に見られる言語をめぐる歴史的推移(OEDからの引用など登場します)、地域に由来する語彙の変遷、語彙のひきずる文化の諸相についての論議は、諸言語に興味をもち英語を多少なりともカジル者として、たいへんオモシロイものでした。ただ、思うに、トールキンの作品「ホビットの冒険」「指輪物語」「シルマリルの物語」ソノモノを読んでいない方にとって、それらを取り扱う章を読み進めるのはたいへん難儀難航するかもしれません。当方も「ホビットの冒険」は既読でしたので、その部分は問題ありませんでしたが、それ以外の部分を読み進めるのは、取りやめにしました。それでも、「指輪」「シルマリル」の世界での〈言語をめぐる冒険〉を愉しむためにも、それらソノモノをまず先に読まねば・・という気持ちでいるところです。