ナガオカケンメイさんが主宰する60VISONプロジェクト。
買う人は「なんかレトロでいい感じ」「懐かしい昭和の香り」という印象で買っていますし、
僕もそんな印象のままカリモクのスリーピングソファやアデリアのグラス、
木製のコースターやTRUSCOの物入れなどD&DEPARTMENTで色んな小物を仕事場用に購入しました。
それは60VISONプロジェクトの真意も何も知らずに、直感的に気に入って買っただけです。
ナガオカケンメイさんの本は最近出た2冊も読みましたし、
かなり前に出されている『結婚』という本が大好きで、ウチの夫婦も愛読したものです。
そんな過去の著書を通して思うのは、ご自分の”想い”を説明する上手さです。
そしてそれは決して”うわべ”でない、心の底からそう思ってるからこそ嘘のない
感情を動かされるプレゼンテーションの天才なのだと思いました。
そしてこの60VISIONでは、そのプレゼンテーション能力はもちろん、
それを的確に目を付け、着実に育てていくビジネスセンスを目の当たりにできます。
廃盤になった商品を蘇らせることで、企業自体も蘇らせる(元々死んでるわけじゃないですけど)という
自分の損得を越えたところまで見通せる、ナチュラルな視点でのブランドコンサルティングです。
”なぜ今その商品が必要か?”ということを、ターゲットや売り方を提案することで説得し、
中には自腹を切ってまで売ろうとしてしまう所に商品に対する”想い”が凝縮されています。
別にナガオカケンメイさんの自慢本では決してありません。
上記の印象は僕が勝手に汲み取ったものですので、他の人には当てはまらないかもしれません。
僕はしがないグラフィックデザイナーとして生計を立てている身として、
ナガオカさんのようなナチュラルな視点と提案精神を尊敬せずにはいられないのです。
何もないところに種をまき、根をはらせて芽を出させて実を付けるという
”仕事は与えられるものではなく、自分で創り出すもの”という原点を思い知らされます。
これはデザイナーが一番忘れていることだったりします。
”新しいことをやるのに、過去の経験値でやられては困る”とベテランに言い放ったり、
極めて保守的な企業相手や担当者でも決して諦めず、最終的に企業のトップさえ動かしてしまう。
お店でただ単に「レトロな感じでかわい〜」と買われているものでも、
それを復刻し、再生産し、OEMで売るまでにどれだけの苦労があったかがよく分かります。
特筆すべきは、この60VISIONに関わった企業内でも変化が生じていることです。
まあその辺りは実際に読んでみてください。
ブランディングに関わる仕事をされている方なら必読かと思います。
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ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
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60VISION ロクマルビジョン 企業の原点を売り続けるブランディング 単行本 – 2008/7/24
ナガオカ ケンメイ
(著)
デザイナーであり、ロングライフデザインをテーマとするリサイクルショップ「D&DEPARTMENT PROJECT」を主宰するナガオカケンメイの最新刊。本書は、2002年からナガオカ氏が老舗企業12社と取り組んでいる、ブランドづくりの新しいプロジェクト「60VISION(ロクマルビジョン)」の考え方と、その軌跡をまとめたドキュメントブック。
この本は、既存のブランド論にはないナガオカ独自の切り口で、メーカーにとってのブランドづくりとはどうあるべきかと、その実践を分かりやすく語っています。
「企業の創業者もデザイナーも、いいものをつくるために必死になった日本の1960年代。この時代に生まれた企業の原点ともいうべきスタンダードな商品を復刻、売り続ける過程こそが、ものづくり企業にとっての本当のブランドづくりとなる」(ナガオカケンメイ)。
ナガオカは、この考えをもとに、原点商品を持つ企業に対して、1社ずつ想いをぶつけていきます。12社の中には前例がないため、初期の段階ではノリ気ではない企業もあり、そんな相手と少しずつ気持ちを通わせながら、最終的に新規市場を開拓、インハウスデザイナーの意識改革、復刻した商品の年間売り上げを7億円にまでのばすなど、人間味あふれるドキュメントに、数字的な結果が伴い、そこにビジネスノウハウが凝縮しているところも、見所の一つです。
本書は、ナガオカが分かりやすく自分の考えを語るパートと、「60VISION」参加企業それぞれの歩みを追ったドキュメントパートの2種類に分かれた構成になっています。ナガオカの考え方に賛同し、情熱に巻き込まれながらも、組織の一員として簡単には動けない企業側担当者のジレンマ、悩み……。本書は、カリスマデザイナーとカリスマ社員のサクセスストーリーではなく、ナガオカのビジョンと、企業の経営者・担当社員の想いが一つとなって時間をかけながら育て上げられたブランド整理・再生の実践と物語です。
この本は、既存のブランド論にはないナガオカ独自の切り口で、メーカーにとってのブランドづくりとはどうあるべきかと、その実践を分かりやすく語っています。
「企業の創業者もデザイナーも、いいものをつくるために必死になった日本の1960年代。この時代に生まれた企業の原点ともいうべきスタンダードな商品を復刻、売り続ける過程こそが、ものづくり企業にとっての本当のブランドづくりとなる」(ナガオカケンメイ)。
ナガオカは、この考えをもとに、原点商品を持つ企業に対して、1社ずつ想いをぶつけていきます。12社の中には前例がないため、初期の段階ではノリ気ではない企業もあり、そんな相手と少しずつ気持ちを通わせながら、最終的に新規市場を開拓、インハウスデザイナーの意識改革、復刻した商品の年間売り上げを7億円にまでのばすなど、人間味あふれるドキュメントに、数字的な結果が伴い、そこにビジネスノウハウが凝縮しているところも、見所の一つです。
本書は、ナガオカが分かりやすく自分の考えを語るパートと、「60VISION」参加企業それぞれの歩みを追ったドキュメントパートの2種類に分かれた構成になっています。ナガオカの考え方に賛同し、情熱に巻き込まれながらも、組織の一員として簡単には動けない企業側担当者のジレンマ、悩み……。本書は、カリスマデザイナーとカリスマ社員のサクセスストーリーではなく、ナガオカのビジョンと、企業の経営者・担当社員の想いが一つとなって時間をかけながら育て上げられたブランド整理・再生の実践と物語です。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社美術出版社
- 発売日2008/7/24
- ISBN-104568503590
- ISBN-13978-4568503593
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商品の説明
著者について
ナガオカケンメイ
1965年生。1997年ドローイングアンドマニュアルを設立。映像の新しい可能性を提示する「モーショングラフィックス展」を企画。以後、4年間開催し、計2万人を動員。2000年、デザインとリサイクルを融合した新事業「D&DEPARTMENT PROJECT」を展開する。2003年、「60VISION」などの活動に対して、グッドデザイン賞川崎和男審査委員長特別賞を受賞。地場産業の若いつくり手とともに、日本のデザインを正しく購入できるストアインフラをイメージした「NIPPON PROJECT」を47都道府県に展開。
1965年生。1997年ドローイングアンドマニュアルを設立。映像の新しい可能性を提示する「モーショングラフィックス展」を企画。以後、4年間開催し、計2万人を動員。2000年、デザインとリサイクルを融合した新事業「D&DEPARTMENT PROJECT」を展開する。2003年、「60VISION」などの活動に対して、グッドデザイン賞川崎和男審査委員長特別賞を受賞。地場産業の若いつくり手とともに、日本のデザインを正しく購入できるストアインフラをイメージした「NIPPON PROJECT」を47都道府県に展開。
登録情報
- 出版社 : 美術出版社 (2008/7/24)
- 発売日 : 2008/7/24
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 240ページ
- ISBN-10 : 4568503590
- ISBN-13 : 978-4568503593
- Amazon 売れ筋ランキング: - 657,754位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 43,858位アート・建築・デザイン (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2008年11月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ロングセラー商品に興味を持ったので、この本を読んでみた。
日本ではロングセラー商品にかかわる数少ないプロジェクトだと思う。その事例を検証してみたくて。
内容はその期待には反していなかった。しかも、かなり細かいところから、大きなコンセプトまで読み取ることができて、大変楽しかった。
企業で復刻にかかわったり、ブランディングにかかわってると、さらに面白く読むことができると思う。
贅沢を言うと、個々の事例でもなく、60Visionについての考え方でもなく。
もう一段上のコンセプト、ロングセラーの意味、必要性、価値をがっちり伝えてくれる章があっても良かったと思う。
日本ではロングセラー商品にかかわる数少ないプロジェクトだと思う。その事例を検証してみたくて。
内容はその期待には反していなかった。しかも、かなり細かいところから、大きなコンセプトまで読み取ることができて、大変楽しかった。
企業で復刻にかかわったり、ブランディングにかかわってると、さらに面白く読むことができると思う。
贅沢を言うと、個々の事例でもなく、60Visionについての考え方でもなく。
もう一段上のコンセプト、ロングセラーの意味、必要性、価値をがっちり伝えてくれる章があっても良かったと思う。
2009年8月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を購入するきっかけはただ「カリモク60が好きだった」それだけだったのですが、60シリーズが売られるまでの苦労や60VISIONの方向性、ナガオカケンメイさんの活動を読むうちにどんどん60に興味が沸いて来ました。この本の中で一番感激したのはブランドを信じる力と戦う場所の選択。この考え方は日本が抱えるさまざまな問題を解決する力になると感じました。