本書では三成の能吏としての働きぶりが具体的に解説されている。計数の才を生かした兵站奉行としての才能、太閤検地の徹底、堺や博多・京の都市計画への関与などである。
しかしそのカミソリのような鋭い才能は、時に激しく周囲と対立して敵を生む諸刃の剣であったとも言える。軍功があまり無かったというのも、この時代一段低く見られざるを得ない不利であったのかもしれない。
終盤の、三成が豊臣政権の執権としての立場を狙っていたのではないかという推論には賛成しづらいが、客観的な三成像がつかみやすい内容になっている。
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石田三成: 知の参謀の実像 (PHP新書 11) 新書 – 1996/12/1
小和田 哲男
(著)
- 本の長さ205ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日1996/12/1
- ISBN-104569554423
- ISBN-13978-4569554426
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
三成の策謀といわれる数々の歴史上の事件の真相を丹念な史料の再検証から究明するとともに、戦さ下手の三成を重用した背景から、平和の時代の参謀像にも迫る力作評伝。
登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (1996/12/1)
- 発売日 : 1996/12/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 205ページ
- ISBN-10 : 4569554423
- ISBN-13 : 978-4569554426
- Amazon 売れ筋ランキング: - 448,783位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,161位PHP新書
- - 5,959位日本史一般の本
- - 71,445位ノンフィクション (本)
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トップレビュー
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2013年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年8月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
文章も読み込んだ文書も全て奥の深さを感じさせる本である。
是非もう一度平成の稿本石田三成を執筆して間違いを正して欲しい。
是非もう一度平成の稿本石田三成を執筆して間違いを正して欲しい。
2021年7月10日に日本でレビュー済み
通説ではなく真実を知りたい。
そういう著者の気持ちを感じました。
敗将、戦下手、嫌われ者、そういった通説がある中、
石田三成さんの功績や優秀さを追っていきます。
敗者であるが故の資料の少なさ、
負のイメージの大きさなどの困難に立ち向かい、
真実を掘り起こした努力の跡が散りばめられていると思います。
歴史の”もしも”を問いたくなるような著作だと思います。
面白かったです。
そういう著者の気持ちを感じました。
敗将、戦下手、嫌われ者、そういった通説がある中、
石田三成さんの功績や優秀さを追っていきます。
敗者であるが故の資料の少なさ、
負のイメージの大きさなどの困難に立ち向かい、
真実を掘り起こした努力の跡が散りばめられていると思います。
歴史の”もしも”を問いたくなるような著作だと思います。
面白かったです。
2004年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
北近江の土豪の出自で義に生きた悲劇の敗軍の戦国武将石田三成の足跡をたどり、その人物像を解明し弁護するという視点で記されている。 三成は戦国武将というよりも豊臣政権の事務方の能吏であり、その能吏であるがゆえに福島正則、加藤清正らの反感を買い結果的に関が原で敗れたという。このあたりのことは一般的にも言われているようなことなので、もう少し違った角度の見方がほしいと思うのは贅沢だろうか。
遺されている記録の少なさのこともあるだろうが、佐和山の領国支配、京都の御土居、博多の町の再建などをもっと掘り下げる展開があっても良いのでは。
著者は仮に西軍が勝った場合には、執権のような立場で石田家がその地位を代襲していくものと推定。
近世の日本は鎖国政策を実施したのか、西欧諸国の植民地政策にどう対応したのか、果ては旧徳川氏に繋がる人々による倒幕の流れはあったのか、昭和の中ごろに「石田三成」という長編小説がベストセーラーとなり時代にサラーリーマンの愛読書となったのか....想像は限りなく広がってゆくのだが。
遺されている記録の少なさのこともあるだろうが、佐和山の領国支配、京都の御土居、博多の町の再建などをもっと掘り下げる展開があっても良いのでは。
著者は仮に西軍が勝った場合には、執権のような立場で石田家がその地位を代襲していくものと推定。
近世の日本は鎖国政策を実施したのか、西欧諸国の植民地政策にどう対応したのか、果ては旧徳川氏に繋がる人々による倒幕の流れはあったのか、昭和の中ごろに「石田三成」という長編小説がベストセーラーとなり時代にサラーリーマンの愛読書となったのか....想像は限りなく広がってゆくのだが。
2003年7月25日に日本でレビュー済み
著者は、姦臣としての石田三成像は、謂わば意図的に作り上げられた虚像であることを指摘した上で、三成の奉公観、果たした責務の内容・実績を検討することで、三成の実像に迫ろうとしている。面白いと感じたポイントの一つは、著者が、三成が家康の天下簒奪に抗した動機の一つに「引き続き政権担当者であり続けたい」という三成の思いを挙げていることである。実務官僚として豊臣政権を支えた三成なればこそ、そういう純な思いは強かっただろうと考えてもおかしくない。他にも、徳川光圀が三成忠臣説を唱えていたとか、三成は鎌倉幕府の執権のような立場で豊臣政権を担っていこうと意図していたのではないかとか、興味深い視点に事欠かない。
石田三成に関心ある人には欠かせない一冊であると思う。
石田三成に関心ある人には欠かせない一冊であると思う。