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実践経営哲学 (PHP文庫 ま 5-40) 文庫 – 2001/5/1
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本書は松下幸之助「心得帖シリーズ」の五作目である。
本書では松下がささやかな形で始めた事業を、一代にして世界的企業に育て上げた要因を自ら分析して、二十項目にまとめたものである。
▼自身の言葉を借りれば「六十年の事業体験を通じて培い、実践してきた経営についての基本の考え方、いわゆる経営理念、経営哲学をまとめた」ものという。
▼具体的な項目には、「人間観をもつこと」「使命を正しく認識すること」「素直な心になること」など、字面だけでは松下が説こうとすることは掴み難いだろう。しかし、経営に当たる者が、人間とはどういう特質をもった存在であるかを知らずに、正しい経営を行うことができるだろうか。使命感無きところには、為すべきを為す勇気も生まれてはこないだろう。そこに経営の失敗に通じる道を歩んでしまう危険性が生じてくるというわけだ。
▼経営者はいうまでもなく、課の経営、部の経営に当たる人達にも是非一読を薦めたい一冊だ。
- 本の長さ176ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2001/5/1
- 寸法15 x 10.5 x 1.1 cm
- ISBN-104569575625
- ISBN-13978-4569575629
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商品の説明
商品説明
なんとも伸びやかな「性善説」と厳しい責任意識であろう。その両方に立脚する人間観に貫かれた「経営の神様」松下幸之助の経営哲学に、読む者はたっぷり啓発される。
「すべての顧客に安価な物資を大量に」という松下電器創業時の著者の哲学は、昨今の「顧客をターゲティングして収益率をアップし、事業内容を絞って経営効率を上げる」といった経営手法と相反する発想ではある。しかし、すべての生態系につながる産業活動を自覚した著者の宇宙観には、世紀を越えるダイナミズムがある。本書で論じられることの多くは、「対立しつつ調和しよう」「とらわれぬ心でありのままを見、なすべきことをなそう」など抽象度が高く、即効性のあるビジネス戦略とは種を異にする普遍的「精神哲学」である。
それも不思議ではない。著者は、事業経営は俗事であると思われがちだが、経営者の精神があればそれは芸術たり得る、という理念の持ち主だからだ。確かに、哲学不在の「夢」は普遍性なき私的「欲」の域を出ず、人や時代を動かす力においては卑小だろう。「計画」や「目標」を越えた理念や哲学を自分は持つか。大きな活動を機動、推進し、人を動かす「精神」がそこに存在するか。本書を手にとった現代の起業家、経営者諸氏は、けっきょく、この自問に帰着するのではないか。
既述のとおり、昨今の「Focus&Deep」の潮流とは相容れぬ発想も含む「水道哲学」をはじめとした理念に、思わず古式ゆかしい香りを嗅ぎ取ってしまう若いビジネスパーソンも多いだろう。しかし、本書を読む意味はむしろ上に挙げた「自問」にある。21世紀の経営者こそ必読の、経営のロマンを思い出させる1冊である。(石井節子)
登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2001/5/1)
- 発売日 : 2001/5/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 176ページ
- ISBN-10 : 4569575625
- ISBN-13 : 978-4569575629
- 寸法 : 15 x 10.5 x 1.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 26,802位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
松下幸之助(まつした こうのすけ)
パナソニック(旧松下電器産業)グループ創業者、PHP研究所創設者。
明治27(1894)年、和歌山県に生まれる。9歳で単身大阪に出、火鉢店、自転車店に奉公ののち、大阪電燈(株)に勤務。大正7(1918)年、 23歳で松下電気器具製作所(昭和10年に松下電器産業に改称)を創業。昭和21(1946)年に、「Peace and Happiness through Prosperity=繁栄 によって平和と幸福を」のスローガンを掲げてPHP研究所を創設。
昭和54(1979)年には、財団法人松下政経塾を設立。平成元(1989)年に94歳で没。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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今後の人生に生かしていきます。
以下、勉強になった点。
・事業経営においては、たとえば技術力も大事、販売力も大事、資金力も大事、また人も大事といったように大切なものは個々にはいろいろあるが、いちばん根本になるのは、正しい経営理念である。
・生成発展という理法が、この宇宙、この社会の中に働いている。その中でわれわれは事業経営を行っている。
・経営というものは、人間が相寄って、人間の幸せのために行う活動だといえる。したがって、その経営を適切に行っていくためには、人間とはいかなるものか、どういう特質をもっているのかということを正しく把握しなくてはならない。
・いい製品をつくって、それを適切な利益を取って販売し、集金を厳格にやる。そういうことをそのとおりやればいいわけである。(天地自然の理法)
・世間は正しいと考え、その正しい世間に受け入れられるような仕事をしていくことを心がけていくところに、事業発展の道がある。
・資金であるとか、技術の開発その他経営の各面にわたって、自力を中心としてやっていく。(自主経営)
・設備のダム、資金のダム、人員のダム、在庫のダム、技術のダム、企画や製品などのダム、いろいろな面にダム、いいかえれば、余裕、ゆとりをもった経営をしていく。(ダム経営)
・経営理念を現実の経営の上にあらわすその時々の方針なり方策というものは、その時代時代によって変わっていくのでなければならない。
・素直な心とは、いいかえれば、とらわれない心である。自分の利害とか感情、知識や先入観などにとらわれずに、物事をありのままに見ようとする心である。
昔に松下幸之助の本を読んだ時、ピンと来なかったんだけど、経営者になって読み返してみると金言ばかりだ。京セラの稲森氏やユニクロの柳井氏、セブンイレブンの鈴木氏に共通する点が多くあるし、コトラーやドラッカーとの共通点も多い。
本書を繰り返し読めば(そして実践すれば)、なすべきことをなすという力強い経営ができるようになると思う。文章も読みやすく、172ページと薄い本なので経営者にオススメしたい。