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河合道臣: 財政再建の名家老 姫路城凍って寒からず (PHP文庫 て 2-2) 文庫 – 2002/3/1
寺林 峻
(著)
実収年貢の7年間分という膨大な負債を抱え、財政破綻の危機にあった播州姫路藩を、27年をかけて再建した河合道臣(寸翁)。本書はこの経世済民の名家老の生き方を感動的に描く長編小説である。
元禄バブルのツケにより負債がかさむ一方の姫路藩では、経済の疲弊とともに人心も傷ついていた。代々の勝手向き(財政担当)家老が対策を講じるも効果なく、万策も尽きたと思われたとき、藩主は突然、「本のムシ」のような文人派家老の河合に勝手向きを命じるのである。いきなり修羅場に投げ込まれた河合は、だが周囲の危ぶむ声をよそに、文人派ゆえの懐深い人間味と冷静な頭脳によって、従来の倹約やリストラといった定番政策は避け、民間主導型の特産品の開発やユニークな金融システムを設けるなど、藩と領民が一体となった改革を推進していくのである。さらに負債完済後の次世代の育成も怠らなかった。まさに今日に呼び戻したい人物だったのである。
- 本の長さ322ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2002/3/1
- ISBN-104569577091
- ISBN-13978-4569577098
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登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2002/3/1)
- 発売日 : 2002/3/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 322ページ
- ISBN-10 : 4569577091
- ISBN-13 : 978-4569577098
- Amazon 売れ筋ランキング: - 602,489位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2002年4月27日に日本でレビュー済み
2010年8月3日に日本でレビュー済み
本書は江戸時代後期に姫路藩家老として経営再建を担った河合道臣の半生を描いた作品です。
幼少期から儒学に傾倒していた道臣は謹厳・忠誠無比な文人派家老として職務を全うしてきましたが、諸藩の例に漏れず膨大な負債を抱えた姫路藩においては、理想論を振りかざすだけの煙たがられる人物として登場します。
しかし時の藩主・酒井忠道から財政再建の任を司る諸方勝手向に大抜擢されてからの道臣は、理想と現実の狭間で藻掻き、保守派藩臣の妨害を牽制しつつ着実に藩政改革を推し進め、その手腕を遺憾無く発揮していくことになるのです。
道臣は独自の質素倹約令を布く一方で、周囲の反対派を押し切り領民救済の為の固寧倉(義倉)の設置を実施、自らの理念を領民に理解してもらうことで次第に信頼を得ていきます。次いで紆余曲折を経て姫路特産品の木綿を藩専売品として江戸で流通させることに成功し、財政再建の先駆けとなっていくのです。
また藩内において藩校・好古堂とは別に私学仁寿山黌を設立、私財を投じて次世代の人材育成にも尽力する等の功績を挙げています。
本書は道臣の人柄や内面的成長、周辺人物との交流についても丁寧に描かれています。次々と持ち上がる難題に対して泰然自若と対処するのではなく、その都度苦悩しながら解決の道筋を模索していく道臣の姿は読者の共感を誘う内容になっていると思います。興味を持たれた方は是非手にとってみて下さい。
幼少期から儒学に傾倒していた道臣は謹厳・忠誠無比な文人派家老として職務を全うしてきましたが、諸藩の例に漏れず膨大な負債を抱えた姫路藩においては、理想論を振りかざすだけの煙たがられる人物として登場します。
しかし時の藩主・酒井忠道から財政再建の任を司る諸方勝手向に大抜擢されてからの道臣は、理想と現実の狭間で藻掻き、保守派藩臣の妨害を牽制しつつ着実に藩政改革を推し進め、その手腕を遺憾無く発揮していくことになるのです。
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また藩内において藩校・好古堂とは別に私学仁寿山黌を設立、私財を投じて次世代の人材育成にも尽力する等の功績を挙げています。
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