確かに細川忠興にも大きな決断をしなければいけない場面がいくつかあったと思います。
しかしこの小説からは、そのギリギリの状況描写、忠興の葛藤とその末の決断が見えてこないです。
史実を淡々と低いテンションで書き連ねているから、どこでどんな重大な決断をしたのやら。いつの間にか危機が去っています。
後から「あれは難しい選択だった」というような話が出てもぴんと来ません。
しかも一部記述に間違いが見られます。作者の勉強不足です。
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細川忠興: ギリギリの決断を重ねた戦国武将 (PHP文庫 は 10-5) 文庫 – 2002/7/1
浜野 卓也
(著)
戦国時代きっての文化人大名・細川幽斎の長子であり、信長・秀吉・家康という天下取りの主役三人に仕え、肥後熊本藩54万石の礎を築いた細川忠興。文武両道の名将ながら、賤ケ岳七本槍のような華麗な武功談もなく、文化人としても父親の陰に隠れがちである。しかし、本能寺の変や関ヶ原の合戦といった重大な転機に誤ることなく進退し、ついに細川家を磐石たらしめた器量にはなみなみならぬものがあるといえる。
本能寺の変では、妻の玉子(細川ガラシャ)が明智光秀の娘であるにもかかわらず、かえって愛妻を幽閉して秀吉に従った。関ヶ原の合戦では、玉子が西軍の人質になる前に自害、さらに戦後は二人の息子が細川家を去るという悲劇に見舞われる。武功を重ね、千利休の高弟でもあった男は、妻や子を失うという犠牲を払いながら、厳しい現実のなかを生き抜いたのである。
乱世から太平の世へと激変する時代背景を描きながら、細川忠興の生涯をたどった評伝小説。
- 本の長さ275ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2002/7/1
- ISBN-104569577652
- ISBN-13978-4569577654
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登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2002/7/1)
- 発売日 : 2002/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 275ページ
- ISBN-10 : 4569577652
- ISBN-13 : 978-4569577654
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,352,742位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2005年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
細川忠興、この人より父の藤孝の方が、明智とともに戦国の登場回数は多いのではないか。父が風流大名でありその子忠興はあまり歴史の中には登場しない。しかし、忠興は信長、秀吉、家康に信頼された稀代の武功に優れた分別のある名将である。
戦国大名で維新まで残ったのは、毛利、上杉、島津、そして細川や黒田ではないか。細川や黒田を戦国大名というには大分憚るが、戦国大名の組下として、難しい判断と決断を繰り返した彼らの生きる知恵は今の僕たちにも何かを与えてくれる。
所詮400年前でも人間の本質は変らない、まして、判断のミスは死を意味する。人を疑い、信じられない中から真実を見極める。武勇に優れ忠興の人間力と判断力を見事に描いている。愛妻玉との情愛も不愉快なく描かれ一気に読める一冊だ。
戦国大名で維新まで残ったのは、毛利、上杉、島津、そして細川や黒田ではないか。細川や黒田を戦国大名というには大分憚るが、戦国大名の組下として、難しい判断と決断を繰り返した彼らの生きる知恵は今の僕たちにも何かを与えてくれる。
所詮400年前でも人間の本質は変らない、まして、判断のミスは死を意味する。人を疑い、信じられない中から真実を見極める。武勇に優れ忠興の人間力と判断力を見事に描いている。愛妻玉との情愛も不愉快なく描かれ一気に読める一冊だ。
2010年1月26日に日本でレビュー済み
本作品は忠興を中心に物語を描くというよりは妻の玉子や父である幽斎を通して忠興という人物像を浮き彫りにしていくという手法をとっているように感じました。
彼は明晰な頭脳と武勇を兼ね備え、利休七哲の一人に数えあげられる程の文化人にありながら妻に関することとなると途端に生身の自分を抑制出来なくなった様です。
戦国武将や大名は誰もが生き残る為に英断を下していくものと思いますが、彼の場合は妻への愛情の深さ故かより一層の危険を侵しているのが特徴的です。(本能寺の変では妻を一時的に味土野に隠す、秀吉のキリシタン弾圧の最中に妻の改宗を認める等)
また本作品は幽斎についても内容が大きく割かれていますが、忠興の決断の背景や文化人としての才能はやはり父の影響が大であるからでしょう。
前述のように忠興を中心に展開する作品ではないので「忠興はどんな人物だったのか」という直接的な欲求は満たされないかもしれません。
そのことに拘らなければ丁寧な文体で読み易い作品です。
彼は明晰な頭脳と武勇を兼ね備え、利休七哲の一人に数えあげられる程の文化人にありながら妻に関することとなると途端に生身の自分を抑制出来なくなった様です。
戦国武将や大名は誰もが生き残る為に英断を下していくものと思いますが、彼の場合は妻への愛情の深さ故かより一層の危険を侵しているのが特徴的です。(本能寺の変では妻を一時的に味土野に隠す、秀吉のキリシタン弾圧の最中に妻の改宗を認める等)
また本作品は幽斎についても内容が大きく割かれていますが、忠興の決断の背景や文化人としての才能はやはり父の影響が大であるからでしょう。
前述のように忠興を中心に展開する作品ではないので「忠興はどんな人物だったのか」という直接的な欲求は満たされないかもしれません。
そのことに拘らなければ丁寧な文体で読み易い作品です。
2006年11月29日に日本でレビュー済み
浜野氏の文章はすいすい読めて心地いいが、
細川忠興はそもそも題材として軽すぎる感じがする。
一気に読めるが、人間忠興の像が見えてこない。
ただ時代の波と妻とのつばぜりあいに翻弄されているだけの苦労人としか見えなかった。
細川忠興はそもそも題材として軽すぎる感じがする。
一気に読めるが、人間忠興の像が見えてこない。
ただ時代の波と妻とのつばぜりあいに翻弄されているだけの苦労人としか見えなかった。