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生きるのが下手な人たちへ (PHP文庫 き 2-8) 文庫 – 2003/4/1
紀野 一義
(著)
種田山頭火、尾崎放哉…。本書は、全国を放浪しつつ句作を続けた二人の男の話から始まる。山頭火は家業の倒産、弟の自殺、離婚、父の死などの不運の連続により、人としての崩壊を眼前に出家する。しかし寺に落ち着くことなく、一切を捨て去り、酒と旅と句作に生きた。
放哉は、東京帝大を卒業後、生命保険会社に就職。が、その要職も妻子も捨て、放浪生活に入る。寺男・堂主の生活を送りながら句作を続けた。
二人に共通するのは、句作だけではない。家族、財産・地位・名誉・義理など、世の人が後生大事に守ろう、得ようとするものから縁を絶ち、何もかも放り出さなければ生きられなかった点である。まさに「生きるのが下手な人」の代表格だ。
本書には、貧乏書家時代の相田みつをなど、12人の「人生下手」が登場する。しかし、皆、生きたいように生きた人間ばかりだ。
生きたいように生きる。その大切さを彼らの生き方を通して説く、救いの人生論である。
- 本の長さ282ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2003/4/1
- ISBN-104569579353
- ISBN-13978-4569579351
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登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2003/4/1)
- 発売日 : 2003/4/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 282ページ
- ISBN-10 : 4569579353
- ISBN-13 : 978-4569579351
- Amazon 売れ筋ランキング: - 588,375位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スパっと言い切るところがいいです。かもしれない、なんて言い回しは(ほとんど)ない。正直である。だから誠実である。だから魅力的である。木野先生のためなら死んでもいいと思う人物がいたという。ベテラン看護婦への話もいい。ありがとう両親である。法華経、真言宗、禅宗、そして真宗とほぼ網羅している。同時期に読んだ中村元先生の生涯本と絡まって良かった。この本を紹介していただいた、田坂広志先生にも大々感謝である。活、感謝、合掌。
2008年10月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「かの人」から薦められた本。
「かの人」は恕の人であり、信義の人であり、
一徹頑固でありながら、語りは柔軟な比喩を駆使し、熱く、はげしく、
おもしろおかしく、考え方を説く「美しい人」である。
この本を薦めていただくことを有り難く思う。
「人間は量と長さばかり問題にしている。
金・いのち・うまいもの―すべて、量と長さばかり。
大事なことは方向が決まること」(本文から)
悩むと答えが欲しくなる、
問題には正解があるように信じて疑わない。
だからびくびく、あれやこれやと思い煩う。
思うようにやれ!
おまえの人生、おまえのもの。
そのおまえにかえって。
強烈な生き生きとした人が登場する。
「かの人」は恕の人であり、信義の人であり、
一徹頑固でありながら、語りは柔軟な比喩を駆使し、熱く、はげしく、
おもしろおかしく、考え方を説く「美しい人」である。
この本を薦めていただくことを有り難く思う。
「人間は量と長さばかり問題にしている。
金・いのち・うまいもの―すべて、量と長さばかり。
大事なことは方向が決まること」(本文から)
悩むと答えが欲しくなる、
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だからびくびく、あれやこれやと思い煩う。
思うようにやれ!
おまえの人生、おまえのもの。
そのおまえにかえって。
強烈な生き生きとした人が登場する。
2016年2月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
先生の直筆があり、感動しました。長年探していただけに、今は大事にしています。
2004年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルからして買うのをちょっとためらうような本であるが、すごい本である。いや、すごいというレベルではない。「こわい」というぐらい迫ってくる本だ。
著者は「生きるのが下手」な人々に「上手な生き方」を示そうとはしない。
むしろ、徹底的に下手に生きることを勧める。生きるのが下手な人間の方が神仏に近いとさえ言う。出てくる有名無名の人物はみな底が抜けていてすさまじい。
特にまだそれほど有名でなかった頃の相田みつをや飲んだくれのトラック運転手のTさんなど、無名人がすごい。相田みつをと二流旅館「中川」のおかみとのやりとりには思わず笑ってしまった。
「相田さん、駅のホームにうちの広告出すことになったから書いてちょうだい。
体裁も文面も全部あんたに任せるから」
よしきた、と相田君は書いた。
「当店は二流の上の旅館です。決して一流の人に泊まってもらおうとは思いません。しかし、三流の人に泊まってもらおうとも思いません。二流の上のお客様に泊まって頂くのです」
この広告は今でも足利駅のホームにかかっているそうである。
(73ページ)
この本を読んできて、私は自分の今までの生き方がこれでよかったのだと思えるようになった。誰が認めてくれなくとも紀野一義だけは認めてくれるだろうと。
著者は「生きるのが下手」な人々に「上手な生き方」を示そうとはしない。
むしろ、徹底的に下手に生きることを勧める。生きるのが下手な人間の方が神仏に近いとさえ言う。出てくる有名無名の人物はみな底が抜けていてすさまじい。
特にまだそれほど有名でなかった頃の相田みつをや飲んだくれのトラック運転手のTさんなど、無名人がすごい。相田みつをと二流旅館「中川」のおかみとのやりとりには思わず笑ってしまった。
「相田さん、駅のホームにうちの広告出すことになったから書いてちょうだい。
体裁も文面も全部あんたに任せるから」
よしきた、と相田君は書いた。
「当店は二流の上の旅館です。決して一流の人に泊まってもらおうとは思いません。しかし、三流の人に泊まってもらおうとも思いません。二流の上のお客様に泊まって頂くのです」
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(73ページ)
この本を読んできて、私は自分の今までの生き方がこれでよかったのだと思えるようになった。誰が認めてくれなくとも紀野一義だけは認めてくれるだろうと。
2020年2月11日に日本でレビュー済み
浮気性の相田みつを、元社長の尾崎放哉、意外な人物の意外な過去が暴かれる。
無論、暴露本の類ではない。仏教界の大家が52歳でのベストセラー。
花や月を愛でつつも、ただ美しいと見るのではないという西行の「真言」の世界、(我ながら何とも陳腐な感想だが)実に深い!
「知恵遅れ」のチカコちゃんの香ばしく美しい「ウンコ」の話も実に人間味あふれる。
癌で早世した市井の人の言葉「人間は量と長さばかり…金、いのち、うまいもの…量と長さばかり。大事なことは方向が決まること」、ビジネス的には前者を戦術、後者を戦略という。見事な喝破だ。
人に裏切られたという奴は、実は当の本人が裏切っている…白隠禅師と豆腐やのエピソード。
「屁をしてもひとり」と昔パロった尾崎放哉…
東京帝国大学法学部を出て、朝鮮で生保会社の社長までつとめたが、突如、俳諧(徘徊ではない)生活に入ったのだそうだ。国語の時間にただ「自由律俳句」と教えるのでなく、こんなエピソードも教われば、もっと人間味が出るのに。
今では道徳の教科書で語られそうな、「人間だもの」の相田みつをに、そんな女癖の悪さがあり、又この本がきっかけとなり世に知られるようになった(Wikipediaより)というのも意外である。
その他、暁烏敏、毎田周一、
初耳の名前も多いが、「下手」ながらに、皆なんと自由にいきていることよ!
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花や月を愛でつつも、ただ美しいと見るのではないという西行の「真言」の世界、(我ながら何とも陳腐な感想だが)実に深い!
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癌で早世した市井の人の言葉「人間は量と長さばかり…金、いのち、うまいもの…量と長さばかり。大事なことは方向が決まること」、ビジネス的には前者を戦術、後者を戦略という。見事な喝破だ。
人に裏切られたという奴は、実は当の本人が裏切っている…白隠禅師と豆腐やのエピソード。
「屁をしてもひとり」と昔パロった尾崎放哉…
東京帝国大学法学部を出て、朝鮮で生保会社の社長までつとめたが、突如、俳諧(徘徊ではない)生活に入ったのだそうだ。国語の時間にただ「自由律俳句」と教えるのでなく、こんなエピソードも教われば、もっと人間味が出るのに。
今では道徳の教科書で語られそうな、「人間だもの」の相田みつをに、そんな女癖の悪さがあり、又この本がきっかけとなり世に知られるようになった(Wikipediaより)というのも意外である。
その他、暁烏敏、毎田周一、
初耳の名前も多いが、「下手」ながらに、皆なんと自由にいきていることよ!
2007年11月3日に日本でレビュー済み
著者自身「生きるのが下手な人の最たる者」と言い切って刊行した本。本当に「生きるのが下手」な人間がこのような本を刊行して、印税を稼ぐ事など有り得ないので、本書の内容の胡散臭さが窺える。
著者が定義する「生きるのが下手な人」とは次のような人である。働いても働いても金のたまらぬ人。騙されても騙されても人を騙す側に回れぬ人、など等、一般に劣等性、落第生、無能者と分類される人達の事である。著者は、当然ながらこうした人を非難したりはせず、逆に持ち上げる。「生きるのが上手い人と比べると私利・私欲に走る事が少ない」と。ここに著者のレトリックが潜んでいる。意識的に、「生きるのが下手な人」と「生きるのが下手だと思い込んでいる人」を同一化しているのである。本書を読むような人は後者の「生きるのが下手だと思い込んでいる人」である。そうした人は、もっと儲けたいとか、もっと人に評価されたいとかを望む強欲な人である。本書はそうした手前勝手な人に巧みに媚びた本である。
「生きるのが上手い」著者が書いた「生きるのが下手だと思い込んでいる人」のための本。
著者が定義する「生きるのが下手な人」とは次のような人である。働いても働いても金のたまらぬ人。騙されても騙されても人を騙す側に回れぬ人、など等、一般に劣等性、落第生、無能者と分類される人達の事である。著者は、当然ながらこうした人を非難したりはせず、逆に持ち上げる。「生きるのが上手い人と比べると私利・私欲に走る事が少ない」と。ここに著者のレトリックが潜んでいる。意識的に、「生きるのが下手な人」と「生きるのが下手だと思い込んでいる人」を同一化しているのである。本書を読むような人は後者の「生きるのが下手だと思い込んでいる人」である。そうした人は、もっと儲けたいとか、もっと人に評価されたいとかを望む強欲な人である。本書はそうした手前勝手な人に巧みに媚びた本である。
「生きるのが上手い」著者が書いた「生きるのが下手だと思い込んでいる人」のための本。