諸橋轍次のふるさと下田村は現在三条市に合併され、そこには立派な諸橋轍次記念館が建てられている。あまりに立派なのでびっくりするが、建物の壁に三菱のマークがあって、建設時に何らかの援助があったと思われる。轍次は中国留学への援助や静嘉堂文庫の文庫長などを務めて三菱財閥の岩崎小弥太と親しい関係であったわけだが、実は轍次の三男晋六氏が三菱商事の社長、会長になっていたのだ。本の中ではあとがきで大学教授をなさっていた次男の方だけしか紹介されていないが、息子さんたちは立派な社会人になられていた。

本の中では諸橋轍次と鈴木一平のことが主に書かれているが、戦後、写真植字のために3センチ四方くらいの大きさの原字を一字一字書きあげた石井茂吉も凄い。その数47500字。なお最終的に補巻を加えて全15巻の「大漢和辞典」が完成したのは2000年であった。

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ことばの海へ雲にのって: 大漢和辞典をつくった諸橋轍次と鈴木一平 (PHPこころのノンフィクション 16) ペーパーバック – 1982/11/1

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