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ルーアンの丘 単行本 – 1998/9/1
遠藤 周作
(著)
- 本の長さ210ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日1998/9/1
- ISBN-104569602851
- ISBN-13978-4569602851
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
こんなにも瑞々しい青春があった。未発表の旅行記と、これまで公開されなかったフランス留学日記の最後の六カ月間を収録。若き日の情感と人生への覚悟、信仰と懐疑、哀しみと苦しみ…遠藤文学の原点に触れる。
登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (1998/9/1)
- 発売日 : 1998/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 210ページ
- ISBN-10 : 4569602851
- ISBN-13 : 978-4569602851
- Amazon 売れ筋ランキング: - 598,997位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,311位日本文学(日記・書簡)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1923-1996)東京生れ。
幼年期を旧満州大連で過ごし、神戸に帰国後、11歳でカトリックの洗礼を受ける。慶応大学仏文科卒。フランス留学を経て、1955(昭和30)年「白い人」で芥川賞を受賞。
一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア作品、歴史小説も多数ある。主な作品は『海と毒薬』『沈黙』『イエスの生涯』『侍』『スキャンダル』等。1995(平成7)年、文化勲章受章。1996年、病没。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年8月6日に日本でレビュー済み
父も遠藤さんと大体同じ世代ですが、昔父が書いた文章や、走り書きを見ると、文語体だったり、何とも気どったものです。
今はそういった文章は古めかしいというより新鮮に感じます。
現在は多くの日本人が海外に大挙して押しかけますが、当時は日本人とは極めてまれな存在。そんな中、志高く、様々な事を吸収しようとして、恋や、自分の存在についてメランコリーに考える作者の気持ちが伝わってきます。
やはり文章の美しい紀行文は読んでいて情景と心情が浮かんできます。
この本は、ラストに書かれていた恋愛話ばかり話題になってしまってますが、昔の学生さんたちがどのような思いで海外に出て勉学に励んだか知るとても貴重な本です。
今はそういった文章は古めかしいというより新鮮に感じます。
現在は多くの日本人が海外に大挙して押しかけますが、当時は日本人とは極めてまれな存在。そんな中、志高く、様々な事を吸収しようとして、恋や、自分の存在についてメランコリーに考える作者の気持ちが伝わってきます。
やはり文章の美しい紀行文は読んでいて情景と心情が浮かんできます。
この本は、ラストに書かれていた恋愛話ばかり話題になってしまってますが、昔の学生さんたちがどのような思いで海外に出て勉学に励んだか知るとても貴重な本です。
2018年3月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界はごく普通なんだという本。郷に入れば郷に従え、そうすればごく普通であると気づく。そう言っている様です。
2005年8月6日に日本でレビュー済み
留学経験者から言わせると、
これはリアリティーに富んだ本だといわねばなりません。
ああ、確かに見上げた異国の空はこうだった。
それは単に、美しいのである。
そして、美しければ美しいほど哀しい。
つまりは遠藤氏はホームシックにかかっているわけですが、
僕も同じく異国の地で
「三笠の山に出し月かも」
という短歌に涙を流しながら思いをはせたものです。
おそらくいつの時代も変わらないであろう、
留学生独特の寂しさ、あせり、のようなものが行間に漂います。
そうした寂しさの中で、
ホストファミリーとの葛藤もあり、そして理解もある。
それはいつしか輝きとなって記憶の底に沈んでゆきます。
「今日ほど、おまえのことを本当の子供のように思ったことはない」
というホストマザーの台詞は、心をうつものがありました。
僕の一番好きな場面です。
それにしても、こうして異国に居ると言うのは、
そのときにはまだ何だかよく分からない。だから、
「経験が意味を持つまで気長に待とう」
というのは、僕も思っていたことでした。
異国の明るい太陽の下でそれとなく感じる、かすかな未来への希望です。
50年と言う時の隔たりは、
のどかさだけが徒に無くなっていったもののような気がします。
いま、このようなのどかさはありません。
日本でいわれることと、現地で言われることも似ていたりします。
理解を超えた他者に恐れを抱くことなく、
グローバリゼーションが半ば強引に推し進められてしまったことで、
世界が統一的になりつつある。のどかではありません。
従って、後世に生きる私たちは遠藤氏が思うような、
大局的な平和の論理も、もはや甘い、甘い、などと思ったりする。
けれど、氏が抱く「これらの善い人たちをどうして傷つけるのか」
というプリミティブさゆえの切実な思いは変わることはありません。
それは、留学して、善いもの、悪しきもの、どちらも見た人なら
誰もが素直に感じる思いです。
戦後の留学の原点がここにありそうです。
これから留学する人、留学中の人、帰国した人に読んで欲しい一冊です。
これはリアリティーに富んだ本だといわねばなりません。
ああ、確かに見上げた異国の空はこうだった。
それは単に、美しいのである。
そして、美しければ美しいほど哀しい。
つまりは遠藤氏はホームシックにかかっているわけですが、
僕も同じく異国の地で
「三笠の山に出し月かも」
という短歌に涙を流しながら思いをはせたものです。
おそらくいつの時代も変わらないであろう、
留学生独特の寂しさ、あせり、のようなものが行間に漂います。
そうした寂しさの中で、
ホストファミリーとの葛藤もあり、そして理解もある。
それはいつしか輝きとなって記憶の底に沈んでゆきます。
「今日ほど、おまえのことを本当の子供のように思ったことはない」
というホストマザーの台詞は、心をうつものがありました。
僕の一番好きな場面です。
それにしても、こうして異国に居ると言うのは、
そのときにはまだ何だかよく分からない。だから、
「経験が意味を持つまで気長に待とう」
というのは、僕も思っていたことでした。
異国の明るい太陽の下でそれとなく感じる、かすかな未来への希望です。
50年と言う時の隔たりは、
のどかさだけが徒に無くなっていったもののような気がします。
いま、このようなのどかさはありません。
日本でいわれることと、現地で言われることも似ていたりします。
理解を超えた他者に恐れを抱くことなく、
グローバリゼーションが半ば強引に推し進められてしまったことで、
世界が統一的になりつつある。のどかではありません。
従って、後世に生きる私たちは遠藤氏が思うような、
大局的な平和の論理も、もはや甘い、甘い、などと思ったりする。
けれど、氏が抱く「これらの善い人たちをどうして傷つけるのか」
というプリミティブさゆえの切実な思いは変わることはありません。
それは、留学して、善いもの、悪しきもの、どちらも見た人なら
誰もが素直に感じる思いです。
戦後の留学の原点がここにありそうです。
これから留学する人、留学中の人、帰国した人に読んで欲しい一冊です。