現在人が抱えているストレスの多くはコミュニケーションの原因があるというスタンスから、
ストレスを軽減するためにも、対話を一つの「技術」として身につけるべきであるという
考えが筆者の根本にある。
コミュニケーションにおいて、言いたいことが言えない場合や、話すことに一貫性がない
場合にストレスが蓄積されていくが、反面、相手の「暗黙知」を理解することで、情報
が「流れ」、そこには心地いい対話が生まれると主張する。つまりは、コミュニケーション
の作法次第でストレスの度合いは大きく変わってくると主張しているのである。
その対話術として<ポジショニング力>、<メモ力>、<引用力>の3つを挙げている
ところが、著者らしいところ。この3つの術を身につけることで、筆者がこの本で主張
している「マッピング・コミュニケーション」もより有効になってくるとの考え方を
示している。このマッピング・コミュニケーションには「3色ボールペン」の手法を
とりいれている。
また、ところどころで筆者のご専門である身体論と絡めている。言葉とは言葉だけで
成り立つものではなく、それを操る人の身体性が反映されていると主張している点でも、
筆者らしい一冊といえるだろう。

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ストレス知らずの対話術 (PHP新書 250) 新書 – 2003/4/16
齋藤 孝
(著)
「伝わらない」「反応がない」「話す機会を与えてもらえない」……コミュニケーションの不調和は、エネルギーの悪循環を生み、多大なストレスを引き起こす。対話上のストレスは、対話力の向上によってしか解消できない!▼本書ではマッピングとこれを支える<三つの力>(ポジショニング力、メモ力、引用力)を提案。お互いの脳ミソを混ぜ合わせるように文脈を外さずお互いの経験を絡めて対話する<技>を伝授する。▼(目次)[序]対話上手はストレス知らず [1]コミュニケーションにおけるストレス――なぜ人といるとストレスがたまるのか [2]マッピングで対話上手になる [3]快感を感じるコミュニケーション――暗黙知を共有すればするほどストレスは減る [4]コミュニケーションを鍛える<三つの力> [5]マッピング・コミュニケーションを応用する▼初対面、世代差のある人との会話、会議、企画書作り、悩み相談、読書感想……様々な場面で応用が利き、誰もが習得可能な対話術。
- ISBN-10456962829X
- ISBN-13978-4569628295
- 出版社PHP研究所
- 発売日2003/4/16
- 言語日本語
- 本の長さ211ページ
著者について
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1960年静岡生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て現職。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞、2002年新語・流行語大賞ベスト10、草思社)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくった。著書に『読書力』『コミュニケーション力』『古典力』(岩波新書)『理想の国語教科書』(文藝春秋)『質問力』『現代語訳学問のすすめ』(筑摩書房)『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)等多数。TBSテレビ「情報7days ニュースキャスター」等テレビ出演多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。 (写真提供:草思社)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年11月9日に日本でレビュー済み
2003年5月9日に日本でレビュー済み
単純な人との会話だけでなく、ビジネスとしてコミュニケーションを深める上でも、非常に参考になるヒントがちりばめられた本です。いつもながらのリズミカルにあふれ出る言葉を、新書版で端的に示されてます。短時間に読めるので私などは通勤の片道15分間の間に読み切れてしまいました。
2003年5月20日に日本でレビュー済み
斎藤さんの本は明快な理論と実践に向けたアドバイスがあって
わかりやすい。
「対話」という関係を意識することで、お互いがどういう場
であるかということを理解した上で、それぞれの緊張関係を
持つ中でいいアイディアや気づきが生まれる。
対話にある成長や上達の意味を改めておもう。
対話で、成長する。そういう自信が生まれるのは会う
という関係からである。
この本の最後は、「アイデンティティ・タフネス」という項目
であるが、
▼p206
なぜ人は他者とコミュニケーションをとらねばならいなか。
それは、他者とのかかわりによって、自分のアイデンティティ
が形成されていくからだ。
これは非常に納得した。ここから現!代の自分らしさや自分探し
への問題提起を行う。他者は自分の鏡というように、自分を
理解する一番の近道は他者に出会うことであるとおもう。
あとは、その出会う姿勢と現場で磨く技だ。
わかりやすい。
「対話」という関係を意識することで、お互いがどういう場
であるかということを理解した上で、それぞれの緊張関係を
持つ中でいいアイディアや気づきが生まれる。
対話にある成長や上達の意味を改めておもう。
対話で、成長する。そういう自信が生まれるのは会う
という関係からである。
この本の最後は、「アイデンティティ・タフネス」という項目
であるが、
▼p206
なぜ人は他者とコミュニケーションをとらねばならいなか。
それは、他者とのかかわりによって、自分のアイデンティティ
が形成されていくからだ。
これは非常に納得した。ここから現!代の自分らしさや自分探し
への問題提起を行う。他者は自分の鏡というように、自分を
理解する一番の近道は他者に出会うことであるとおもう。
あとは、その出会う姿勢と現場で磨く技だ。
2023年3月29日に日本でレビュー済み
★3.2/2023年25冊目/3月11冊目/『ストレス知らずの対話術』(PHP新書/PHP研究所)/齋藤 孝/P.211/2003年/720円+税 #読書 #読書2023 #読了 #読了2023
「対話とは技である」として齋藤孝流のコミュニケーション方法を説明する。3色ボールペンを使った「マッピング」は面談等でも活用できる考え方だ。コミュニケーション=ゲームであるというのは私の考えとも似ており、工夫次第で必ずより良い結果が得られるものだ。インターネット上で仕事をするデメリットも納得。少なくとも初対面の人とは身体的に会話した方がいいだろう。ーーー私たちはほとんど他者でできている。話していることの中でも、自分で生み出したものより、すでに誰かが考えたものを反復しているものの方が多い。p177
「対話とは技である」として齋藤孝流のコミュニケーション方法を説明する。3色ボールペンを使った「マッピング」は面談等でも活用できる考え方だ。コミュニケーション=ゲームであるというのは私の考えとも似ており、工夫次第で必ずより良い結果が得られるものだ。インターネット上で仕事をするデメリットも納得。少なくとも初対面の人とは身体的に会話した方がいいだろう。ーーー私たちはほとんど他者でできている。話していることの中でも、自分で生み出したものより、すでに誰かが考えたものを反復しているものの方が多い。p177
2006年4月30日に日本でレビュー済み
副題の「マッピング・コミュニケーション入門」に惹かれて購入しました。
会社などの半フォーマルな場でのコミュニケーションのための、マッピング・コミュニケーションやポジションニング力、メモ力、引用力を取り上げています。
意識や身体では分かっているけれども、言語化されていない「暗黙知」を、マッピング・コミュニケーションをして意識的に取り上げることで、コミュニケーションがうまくいき、自分形成にもつながるということです。
マッピング・コミュニケーションの具体的なやり方は、第2章に詳しく書かれていましたが、全編でマッピング・コミュニケーションに絡めた説明がされています。
本書では、マッピングをコミュニケーションを図るための手段として取り上げていますが、著者も触れているように、マッピングはアイディアを生み出すための手段でもありますし、思考を整理するための手段でもありますから、マップの中の線で繋いだ単語同士から生まれたアイディアのまとめ方や、著者が『偏愛マップ』で取り上げていた「ゾーン分け」という分類などのように、一度できたマップの再構成のやり方の例も読んでみたいと思いました。
会社などの半フォーマルな場でのコミュニケーションのための、マッピング・コミュニケーションやポジションニング力、メモ力、引用力を取り上げています。
意識や身体では分かっているけれども、言語化されていない「暗黙知」を、マッピング・コミュニケーションをして意識的に取り上げることで、コミュニケーションがうまくいき、自分形成にもつながるということです。
マッピング・コミュニケーションの具体的なやり方は、第2章に詳しく書かれていましたが、全編でマッピング・コミュニケーションに絡めた説明がされています。
本書では、マッピングをコミュニケーションを図るための手段として取り上げていますが、著者も触れているように、マッピングはアイディアを生み出すための手段でもありますし、思考を整理するための手段でもありますから、マップの中の線で繋いだ単語同士から生まれたアイディアのまとめ方や、著者が『偏愛マップ』で取り上げていた「ゾーン分け」という分類などのように、一度できたマップの再構成のやり方の例も読んでみたいと思いました。
2003年4月20日に日本でレビュー済み
齋藤氏の著作はどれもわかりやすく、実践的だ。
実際に自分の理論を実践に使ってみて、改良を加え、より磨き上げていっているからだろう。
この本のマッピングコミュニケーションも、細かいノウハウが書き込まれており、早く使ってみたいノウハウである。
20-30分で読めてしまうので、仕事仲間で読んで実際にやってみることも可能だ。そうした実例を含めた改訂版をだしてほしい。
実際に自分の理論を実践に使ってみて、改良を加え、より磨き上げていっているからだろう。
この本のマッピングコミュニケーションも、細かいノウハウが書き込まれており、早く使ってみたいノウハウである。
20-30分で読めてしまうので、仕事仲間で読んで実際にやってみることも可能だ。そうした実例を含めた改訂版をだしてほしい。
2006年4月29日に日本でレビュー済み
三色ボールペンを使って会話を捉えていくという方法や,その利点を説明しています.
三色ボールペンを使うことで,重要な部分や会話の流れがどこに向かっているか,相手が自分の発言をどう感じているかがわかります.
また,メモをとるということは,相手の話をきちんと聞いていると言うサインにもなります.
会議での座席や,会議自体の進行の仕方も提案されています.
三色ボールペンとは異なり,会議での席順や進行は実践しにくいのではないかと思いました.
よほどその会議の中で権力を持っていない限り,席順や進行方法にまでは口出ししにくいと思います.
著者の主張にも一理ありますが,実践しづらいので評価は3にしました.
三色ボールペンを使うことで,重要な部分や会話の流れがどこに向かっているか,相手が自分の発言をどう感じているかがわかります.
また,メモをとるということは,相手の話をきちんと聞いていると言うサインにもなります.
会議での座席や,会議自体の進行の仕方も提案されています.
三色ボールペンとは異なり,会議での席順や進行は実践しにくいのではないかと思いました.
よほどその会議の中で権力を持っていない限り,席順や進行方法にまでは口出ししにくいと思います.
著者の主張にも一理ありますが,実践しづらいので評価は3にしました.
2011年5月22日に日本でレビュー済み
他の方も書かれていますが、基本的にメモをとって相手と考えを共有せよ、といった内容です。
マインドマップを使われているかたなら、あまり得るものは無いように思います。
書かれていることの大半が著者の愚痴であり、「対話術」というタイトルでありながらノウハウについて書かれている箇所が少ないように感じました。
ただ、ポジショニング(自分と相手の位置)については考えたことがなかったので、これについては収穫でした。
マインドマップを使われているかたなら、あまり得るものは無いように思います。
書かれていることの大半が著者の愚痴であり、「対話術」というタイトルでありながらノウハウについて書かれている箇所が少ないように感じました。
ただ、ポジショニング(自分と相手の位置)については考えたことがなかったので、これについては収穫でした。