デンマーク、スウェーデン、フィンランドの北欧三ヶ国を巡るエッセイ本です。
柳沢小実さんの文章は、自分の心を機織機で織り上げたような、はりがあるけれどやわらかい
布のようで、私の肌にはしっくりと気持ち良く馴染みます。
また、ところどころに載っている写真も、さりげないけれど豊かな感性が感じられ、日本大学芸術学部写真学科卒という著者の経歴に納得します。
旅への心構え、自分なりの荷造りの仕方から、各旅先での自分の旅の楽しみ方、そして旅のあとで感じたことなどが綴られています。
ガイドブックに頼るのではなく、どんな地でも、自分の足で歩き、なるべく現地の人と同じ所で呼吸する、そんな柳沢小実さんの旅を辿るうちに、彼女の感覚を通して、自分が旅をしてきたような気持ちになれます。
そして、本を閉じたあとには確かにじわじわと旅に出たくなってきてしまうはずです。
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