アイディアを出すための思考法について解説する本。著者のマイケル・マハルコはこういった創造的思考法のコンサルタントである。マイケル・マハルコには「アイディアのおもちゃ箱」という名著があるが、この本は「アイディアのおもちゃ箱」のダイジェスト版のような本である。
ノルマを課して、評価は後回しでどんどんアイディアを出すこと、書くこと、図にすること、物事の特性を取り出すこと、関係ないモノをムリヤリくっつけてみること・・・などなどの方法論を、レオナルド・ダ・ヴィンチやアルバート・アインシュタインなどの思考法と重ねながら説明している。この本の通りにやってみるとアイディアはどんどん出てきそうな気がしてくる。ただし、「アイディアのおもちゃ箱」もそうなのだが「習うより慣れろ」という部分が大きいため、この本を読んだだけではテクニック論でお腹いっぱいになるだけでもある。この本のいわんとするところは1回読んだくらいではとても体得できない。少し、文章的にはスイスイと読めないぎこちなさがあるのだが、内容は非常に充実している。
いつもの思考パターンにストレスを与えること、というのが秘訣のようだが、いろいろなアイディアをシステマティックに出すための方法論として、大人だけでなく子どもにも読んでほしい本だと思う。
・・・2016年12月1日再読・・・
曰く・・・
問題を正しく言い表そうとするよりも、何通りにも言い表すことが重要。抽象的/具体的、全体/部分、言い方、肯定的・行動的表現、視点変更、疑問文など。
定義を使わずに自分の言葉で言いかえてみる。
アインシュタインは、科学的思考とは推論でありその結果が「論理的に単純な」体系に結びつくことである、と言いたかったのではないか。
フロイトにとって、文脈と矛盾する細部、典型的な推測と矛盾する細部こそ、創造的な発想の主な要素だった。フロイトの非凡さは、普通の人なら見過ごすような細部の集まりの意味を読み解けたことにある。
天才の特徴は並外れた生産性である。
アイディアを思いついているときにそれを判断したり、評価したり、批判したりしてはいけない。しかし、判断や批評を後回しにするのは実は難しい。
アイディアのチェックリストはSCAMPER。Substitute?(ほかのものと代えられないか) Combine?(結合できないか) Adapt?(応用できないか) Magnity? Modify(拡大できないか、修正できないか) Put to the uses?(ほかの使い途はないか) Eliminate?(削除できないか) Rearrange? Reverse?(並べ替えられないか、逆にできないか)
アイディアを考えているときには判断は後回し、できるだけたくさんのアイディアを出す、アイディアが浮かんだらすぐ記録する、始終アイディアを練り上げたり改善したりする、問題を寝かせておいて潜在意識にアイディアを出させる。
人間の脳は、二つの別の物事やアイディアに注目し続けることはできず、それがどんなに違っていても、やがては二つを結びつけて考えずにはいられない。頭に入れられた二つの情報は、どんなにかけ離れていても、しばらくのあいだ二つのことに集中していると、やがてそのあいだに関連性や結びつきが見出され、それが普通に考えていては思いつかないアイディアのひらめきにつながる。
アインシュタインは既知のこととして相対性理論を考え、そこから逆にたどって、すでに知られていることへと作業を進めた。
ニコラ・テスラは、先に完成品を考え、それから逆にたどる。タービンなら、完成したタービンを想像し、一ヶ月間頭の中で回し続けた。一ヶ月後、想像した機械を分解し、その部品の消耗具合を調べる。その後、想像したタービンに基づいて本物のタービンが作られ、一ヶ月後に分解された。どこが消耗するか、細かなところまでテスラの想像と一致していた。
原理や本質にしたがって考えれば、習慣的なものの見方を打ち破ることになり、思考の幅が広がる。ニコラ・テスラの研究の大半は「共鳴」の原理を軸にしている。
偶然は準備のできたところだけに訪れる(パスツール)。
私たちは、本当は生まれながらにして自発的に創造的に考えるようにできている。しかし、私たちは、問題や新しい現象に直面したら、決まった(先人の考え方に基づいた)方法で対処する傾向にある。それでは、問題や状況に対する反応があらかじめ決まってしまう。
みたいな話。
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すばらしい思考法 誰も思いつかないアイデアを生む 単行本 – 2005/11/30
『新企画、新商品、新発明を可能にする最強のツールが登場!』 どうやって天才は斬新な考えを生むのか? どのように発想のヒントを手に入れるのか? 天才の「ひらめき」と「独創性」を可能にしたあらゆる考え方を一冊に集大成したのが本書です。
この本では、天才たちのノートや手紙、会話、アイデアを研究して発見した「すばらしい考え方」を、誰でも使えるように解き明かしています。
本書の内容の一例をあげると、「アイデアの連鎖反応の起こし方」「全体が見わたせるシステムマップ」「よどみなく考える、すばらしい方法」「ランダムな言葉が多様なアイデアを生む」「思わぬ発見をする才能を磨く」…等。あなたの頭脳に、新たな可能性の未来を開く画期的なノウハウや考え方が身につく本です。
この本では、天才たちのノートや手紙、会話、アイデアを研究して発見した「すばらしい考え方」を、誰でも使えるように解き明かしています。
本書の内容の一例をあげると、「アイデアの連鎖反応の起こし方」「全体が見わたせるシステムマップ」「よどみなく考える、すばらしい方法」「ランダムな言葉が多様なアイデアを生む」「思わぬ発見をする才能を磨く」…等。あなたの頭脳に、新たな可能性の未来を開く画期的なノウハウや考え方が身につく本です。
- 本の長さ319ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2005/11/30
- ISBN-104569645984
- ISBN-13978-4569645988
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登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2005/11/30)
- 発売日 : 2005/11/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 319ページ
- ISBN-10 : 4569645984
- ISBN-13 : 978-4569645988
- Amazon 売れ筋ランキング: - 837,411位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2006年9月26日に日本でレビュー済み
ダーウィンやアインシュタイン、ダ・ヴィンチなど天才達の思考法を規範に、行き詰まった発想を打開するためのテクニックを多数紹介しています。
基本は(1)視点を変えること、(2)たくさんのアイディアを出すこと、(3)ランダムなアイディアを結びつける という単純な法則ですが、可視化するやり方、グループでやる方法など、事例とともに解説してくれます。
とにかくたくさん出てくるので、それぞれについての記述は簡単ですが、パラパラっとめくって目についたところを試してみるのもいいと思います。
同じ著者の『アイデアのおもちゃ箱』と重複した部分もあります。全体的には『すばらしい思考法』の方が簡易版という感じですが、グループでの進め方などはかえって充実しています。
いい内容の本だと思いますが、訳のせいかちょっと読みにくい感じもありました。それで星は3つにしています。
基本は(1)視点を変えること、(2)たくさんのアイディアを出すこと、(3)ランダムなアイディアを結びつける という単純な法則ですが、可視化するやり方、グループでやる方法など、事例とともに解説してくれます。
とにかくたくさん出てくるので、それぞれについての記述は簡単ですが、パラパラっとめくって目についたところを試してみるのもいいと思います。
同じ著者の『アイデアのおもちゃ箱』と重複した部分もあります。全体的には『すばらしい思考法』の方が簡易版という感じですが、グループでの進め方などはかえって充実しています。
いい内容の本だと思いますが、訳のせいかちょっと読みにくい感じもありました。それで星は3つにしています。
2006年8月19日に日本でレビュー済み
別の視点を見つける方法を書いた本の中でも、最も美しい本です。
実践的であり、体系的なのです。
本書は、”よどみなく”、”柔軟に”考えることが、新しい視点を生み出すと言います。
言い換えると、別の視点を生み出す方略を、たった2つに体系化しているのです。
しかし、単なる理論書ではありません。
よどみなく考えるテクニック、柔軟に考えるテクニックを、なぜテクニックが有効なのかを解説した上で、紹介しています。
テクニックの数は50は軽く超え、テクニック集としても優れたものでしょう。
たった2つの方略として体系化し、それぞれの方略を実践可能にするためのテクニックが50以上解説付きで書かれている本は、他に見たことがありません。
単なるテクニック集と思って買っても損はしません。
皆さんにお勧めします。
実践的であり、体系的なのです。
本書は、”よどみなく”、”柔軟に”考えることが、新しい視点を生み出すと言います。
言い換えると、別の視点を生み出す方略を、たった2つに体系化しているのです。
しかし、単なる理論書ではありません。
よどみなく考えるテクニック、柔軟に考えるテクニックを、なぜテクニックが有効なのかを解説した上で、紹介しています。
テクニックの数は50は軽く超え、テクニック集としても優れたものでしょう。
たった2つの方略として体系化し、それぞれの方略を実践可能にするためのテクニックが50以上解説付きで書かれている本は、他に見たことがありません。
単なるテクニック集と思って買っても損はしません。
皆さんにお勧めします。
2006年4月18日に日本でレビュー済み
いろいろな思考法を、まとめている。
確かに、すべての思考法を使う必要はない。
この中で、自分に合った思考法を見つけて、それに関連する本を読めばよい。
それを探すために、丁度よい本だと言える。
ちょっと、表紙で損をしているように思えるが、ビジネスでも十分、役に立つ。
確かに、すべての思考法を使う必要はない。
この中で、自分に合った思考法を見つけて、それに関連する本を読めばよい。
それを探すために、丁度よい本だと言える。
ちょっと、表紙で損をしているように思えるが、ビジネスでも十分、役に立つ。
2007年3月8日に日本でレビュー済み
本書は先人達の優れた思考法を紹介している。しかしながら、一つひとつの説明が大雑把でわかりづらい。興味を持ったとしても、更に深く取り組むことは厳しい。
いろいろと興味を持たせようとする試みは理解できるが、もう少し図や例題を増やす。あるいは読みやすく整理していくと、もっと売れる本だと思う。
本書の図解版を作ってはどうだろうか?
表紙のデザインが知性的であるだけに惜しい一冊である。
いろいろと興味を持たせようとする試みは理解できるが、もう少し図や例題を増やす。あるいは読みやすく整理していくと、もっと売れる本だと思う。
本書の図解版を作ってはどうだろうか?
表紙のデザインが知性的であるだけに惜しい一冊である。
2008年6月15日に日本でレビュー済み
taiyaki#001
思考法とか発想法といっても、ありきたりで、目新しさがない本が多いじゃないですか?
歴史上の人物や立志伝中の人物の思考法、習慣、エピソードを豊富に紹介しながら、
どのようにしたら、新しいアイディアが生まれるのか、について説明してくれます。
この本に出会っていい考えがでるようになったと思うのでぜひ読んでみてください。
思考法とか発想法といっても、ありきたりで、目新しさがない本が多いじゃないですか?
歴史上の人物や立志伝中の人物の思考法、習慣、エピソードを豊富に紹介しながら、
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この本に出会っていい考えがでるようになったと思うのでぜひ読んでみてください。