本著はタイトルの通り、「仕事がうまくいく人の習慣」について図解を用いて記述している。一緒に仕事をして「この人は仕事ができる」と思う人は、アウトプットに対するアクションの速度がとても速かった。当然、大量のマルチタスクをどんどんこなす。どうやら仕事ができる人が実行している日々の業務への取り組み方には、共通項があるようだ。
●書類やメールは見た時にすぐ処理をする
本著の肝は「すぐに処理する」という一言に尽きる。仕事をやり残した状態のまま、別の仕事をしていると、急に入ったイレギュラーな仕事や、緊急度はそれほど高くないけど重要度が高い仕事に即座に対応できなくなるらしい。私自身、〆切前に完遂できると目算した仕事は先延ばしにしてしまい、結局〆切直前であたふたしてしまうという経験を何度もしているので、この習慣は付けておきたいと思う。
こうも考えることができる。1日の限られた仕事時間の中で、生産性を最大化させる習慣を身につけている人が「仕事がうまくいく人」である。そのためには、「即やる」という取り組み方以外、選択肢はない。大量の仕事を回せる人は、この姿勢が根付いているのだろう。最近読んだ『一勝九敗』の中で、ファーストリテイリングの柳井正氏は「即断・即決・即行動」という企業理念・行動原理を主張している。著しく変化する小売業では、決断と行動のスピードとビジネスの成功が紙一重だ。スピードを意識するとしないとでは、仕事の成果に雲泥の差が出る。本著での指摘もこれに近しいものがある。必ず身につけておきたい習慣だ。
●「未処理」「保管」「処理済み」/「1使用中」「2参照」「3保管」に分ける
紙の資料や電子データは、やみくもに保管しておくと、あっという間に机やメールフォルダの上で増殖し、収集がつかなくなってしまう。これを放置しておくと、いざ「今必要な情報」を探すことになったときに、それを導き出せなくなるというロスを誘発する。この損失ののべ時間は、1年のうち6週間分にも上るという。
これを解決するのが、小見出しに記述した分類方法だ。前者は紙の資料、後者はデータフォルダの分類例だ。ポイントは「今とりかかっているもの」「折を見て必要になるかもしれないもの」「処理し終わったもの」という現在、未来、過去の軸で整理・分類をしておくことなのだと思う。これにより、「即やる」という習慣を日々の業務の面から付けやすくなる。
その他、仕事における準備や心構え、手法など盛りだくさんの内容を紹介している。イレギュラーなところでは、上司との週に1度のミーティングを設けて、自分が仕事を通じて近づきたい姿、そのためにどう仕事に取り組んでいるかを伝えるといったことを提案してみたいと思った。仕事は一人では完結せず、チームで最大化するものである。自分の仕事をうまくいかせるためにも、上司との意思疎通の機会を作ることは不可欠だと感じた。
「どんな仕事でもすぐにやる、これだけで99%うまくいく」「仕事に優先順位をつけるな、すぐにやれ」――本著が掲げる唯一無二のコンセプトがこれらの言葉だ。幸いこれからの職場は、これらの理論を行動に移せる環境である。高密度かつ高速に仕事を回せるようになるには、仕事の取り組み方に対する基礎体力の底上げが不可欠だ。ここで記述したことを頭に置きながら、常に自分自身を改善していきたい。仕事の場に加え、プライベートでもこれらの考えを応用できれば、常に頭を回転させながら素早い行動ができるようにもなるだろう。
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図解なぜか、「仕事がうまくいく人」の習慣: 世界中のビジネスマンが学んだ成功の法則 単行本 – 2006/4/1
- 本の長さ95ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2006/4/1
- ISBN-104569649149
- ISBN-13978-4569649146
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登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2006/4/1)
- 発売日 : 2006/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 95ページ
- ISBN-10 : 4569649149
- ISBN-13 : 978-4569649146
- Amazon 売れ筋ランキング: - 764,383位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,995位仕事術・整理法
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年1月28日に日本でレビュー済み
2006年8月20日に日本でレビュー済み
時間管理を学ぶ上でおすすめの本。
メールは何回も読むものではなく、
着信時のお知らせも切っておくべきという提言には納得した。
超整理術に通じるところがある。
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2021年11月13日に日本でレビュー済み
なんとなく、身についていることを活字で見ると、自分に自信がつくというか、間違いでなかったということで安心するというか、そんな感じを受けました。多くの仕事が同時に山のように降り注ぐとき、とにかく「すぐやる」のは大切だなと思います。机の周りもきれいにせねば。と反省しきりでした。
2008年10月8日に日本でレビュー済み
分かりやすい。
図と字の量のバランスがちょうどいい。
語り口もソフト。
つまり、とっつきやすい。
特別な道具も要らない。
他人の協力がなくてもとりあえず始められる。
つまり、やりやすい。
目新しい内容はないのかもしれませんが、私はこの本は好きです。
図と字の量のバランスがちょうどいい。
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