本書は、雑誌に書いたコラムの寄せ集めだと思われる。そして、タイトルの観点から外れた論考も多く、散漫な印象を受ける。しかし、むしろそのタイトルの観点から外れた論考の方に、強く印象に残ったものが多い。例えばそれは日本に投下された原爆のことだが、倫理的に許されないのは、広島より長崎の原爆だとの指摘は、本著者によって初めて気付かされた次第である。
ただ、ヨーロッパ人と日本人の思考のズレのようなものを感じることも少なくなく、本書を読んでも、日本のバラ色の未来に確信が持てるようにならなかったのが正直なところである。
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これから10年、新黄金時代の日本 (PHP新書 425) 新書 – 2006/10/1
日本経済はなぜよみがえったのか? 好景気はいつまで続くの
か? 人口減少や格差社会など不安要素が払拭されたわけではない。さらに中
国やインドの台頭が脅威となっている。それでも著者は、「恐るるに足らず」と
力説する。改革は着実に成果をあげている。日本は、"イギリスの復活劇"と同じ
ような道を歩んでいるのだ──。世界でもっとも信頼性の高い経済誌『エコノミ
スト』前編集長が、肯定的な日本の近未来を予測している。
たとえば、「日本がアメリカ化されてしまった」といって批判する人々がいる。
しかし、そのような見方はナンセンスであるという。アメリカにおいて郵政事業
は国営であるし、日本は、一九二〇年代のほうが今よりもずっと「アメリカ的」
だった。ヨーロッパ社会から見れば、日本の独自性の方が際立って見えるという
のだ。さらに本書では、経済だけでなく、靖国、原爆、テロ、EU問題についても
論考している。世界潮流が見えてくる一冊である。
か? 人口減少や格差社会など不安要素が払拭されたわけではない。さらに中
国やインドの台頭が脅威となっている。それでも著者は、「恐るるに足らず」と
力説する。改革は着実に成果をあげている。日本は、"イギリスの復活劇"と同じ
ような道を歩んでいるのだ──。世界でもっとも信頼性の高い経済誌『エコノミ
スト』前編集長が、肯定的な日本の近未来を予測している。
たとえば、「日本がアメリカ化されてしまった」といって批判する人々がいる。
しかし、そのような見方はナンセンスであるという。アメリカにおいて郵政事業
は国営であるし、日本は、一九二〇年代のほうが今よりもずっと「アメリカ的」
だった。ヨーロッパ社会から見れば、日本の独自性の方が際立って見えるという
のだ。さらに本書では、経済だけでなく、靖国、原爆、テロ、EU問題についても
論考している。世界潮流が見えてくる一冊である。
- 本の長さ221ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2006/10/1
- ISBN-104569656390
- ISBN-13978-4569656397
登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2006/10/1)
- 発売日 : 2006/10/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 221ページ
- ISBN-10 : 4569656390
- ISBN-13 : 978-4569656397
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年11月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タイトルからして「日はまた昇る」の続編のようなつもりで買ったのだが,内容は日本だけでなくアメリカ,ヨーロッパ,中東にまで言及している.日本を中心として世界全体をながめるのにちょうどよい本かもしれない.日本ではジャーナリズムも近視眼的で,中東などのできごとが歴史的な考察までくわえながら論じられることはまれである.このうすい本からまなべることはかぎられているが,こういうインターナショナルな視点をまなぶべきだろう.
2007年4月23日に日本でレビュー済み
タイトルとは異なり、日本についての直接的記述が少ないのは想定外。
日本のこれからの楽観論・・・そんな内容だが経済の専門的な分析や
解説も多くはなくこれまた意外。
しかし、読み終わるとアジア、アメリカ・ヨーロッパからの視点を絡めて
日本の持つ課題や問題を指摘していること、またその解決策も指南している
ことに気づく。
さすがは世界を股にかけて取材しているジャーナリスト。
加えて経済・政治・歴史・文化に精通している彼の提言はまさにグローバルだ。
第2部の「世界の潮流をどう読むか」は、ニュース・新聞ではカバーできない
「世界が抱える悩みのタネの解析」など深い情報満載・・・で読み応えあり。
日本のこれからの楽観論・・・そんな内容だが経済の専門的な分析や
解説も多くはなくこれまた意外。
しかし、読み終わるとアジア、アメリカ・ヨーロッパからの視点を絡めて
日本の持つ課題や問題を指摘していること、またその解決策も指南している
ことに気づく。
さすがは世界を股にかけて取材しているジャーナリスト。
加えて経済・政治・歴史・文化に精通している彼の提言はまさにグローバルだ。
第2部の「世界の潮流をどう読むか」は、ニュース・新聞ではカバーできない
「世界が抱える悩みのタネの解析」など深い情報満載・・・で読み応えあり。
2006年11月2日に日本でレビュー済み
日本の近未来を外部の目から描いている。
中国を必要以上に恐れる必要は無い、日本の経済の強みと歴史問題から始まって
欧州や中国、米国の世界的な役割まで幅広い内容なので、総花的な知識を
身に着けたいと思ったときに役に立つ
中国を必要以上に恐れる必要は無い、日本の経済の強みと歴史問題から始まって
欧州や中国、米国の世界的な役割まで幅広い内容なので、総花的な知識を
身に着けたいと思ったときに役に立つ
2007年1月21日に日本でレビュー済み
バブル経済の崩壊を予測した「日はまた沈む」、そしていち早く日本の景気回復を予測した「日はまた昇る」に続く著作。
前半が本書の主題であり、後半は過去のコラムをまとめたものである。
まず著者は藤原正彦の「国家の品格」で記されているようには、日本はアメリカ化していないという。
そして、今の景気回復は、「循環型」のものであるが、今の日本を取り巻く状況から景気回復は長期間持続する可能性が高いという。
また、格差社会の問題は、余剰労働力の解消から解消に向かっていくという。
そして最近の著者が最も関心を寄せている中国については、日本にとっては恐れることはないと言い切っている。
外部から日本を見続けて、的確に日本を捉えている著者であるからこそ、しっかりとした裏付けを持って、ここまで自信を持って言い切れるのであろう。
まだまだ解決すべき課題は多いが、 日本の明日を信じたい。
前半が本書の主題であり、後半は過去のコラムをまとめたものである。
まず著者は藤原正彦の「国家の品格」で記されているようには、日本はアメリカ化していないという。
そして、今の景気回復は、「循環型」のものであるが、今の日本を取り巻く状況から景気回復は長期間持続する可能性が高いという。
また、格差社会の問題は、余剰労働力の解消から解消に向かっていくという。
そして最近の著者が最も関心を寄せている中国については、日本にとっては恐れることはないと言い切っている。
外部から日本を見続けて、的確に日本を捉えている著者であるからこそ、しっかりとした裏付けを持って、ここまで自信を持って言い切れるのであろう。
まだまだ解決すべき課題は多いが、 日本の明日を信じたい。