孫子の解説書・参考書の類は、ビジネス向けのものだけでも、たくさんあります。著者の顔ぶれも、中国文学者、経営コンサルタント、自衛官OB当等々。
しかし、この著者の孫子は、他の著者の孫子に比べ内容の濃さ、実践性や、具体性が、はるかに良いものと感じました。その理由は、著者が、軍隊の指揮官としても会社経営者としても現場での経験が滲み出ているからだと思います。
一例として、
「苦しい時は、いちばん嫌な相手にあたってみろ」というフレーズの解説があります。
「売上げの8割は全顧客の2割が握っている。この2割は手ごわい相手にちがいないが、逃げていては難局は打開できるわけがない(=顧客の優良層の上位20%に注力せよ)」というパレートの法則の解説です。
ここまでは、他のビジネス書の著者でも書いている内容です。
しかし、この本の著者は解説を続けて、
「資金繰りに困った時は、(社長である自分は)銀行の支店長や大口の資金提供者の自宅へ夜討ち・朝駆けを行うことにしている。ただ、情けないことに、その時相手が不在だったりすると、正直、ほっとする」
理論だけでなく、そうした社長としての本音も披露しています。経験があるからこそ、現場で辛酸を舐めているからこそ、出てくる言葉だと思います。と同時に、謙虚な性格なのでしょう。
こういう、理論+実践経験+柔らかい感性を持つ著者は通常見当たらないので、この作品は何度読み直しても、読むごとに新たな発見のある良書だと思います。
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兵法 孫子 戦わずして勝つ (PHP文庫) 文庫 – 2005/10/3
大橋 武夫
(著)
天下第一の兵法書「孫子」。その極意である「戦わずして勝つ」は、現代のビジネスに通じる鉄則であり、「孫子」に競争社会を生き抜くヒントを求める人も多い。
しかし、「孫子」について「兵法とは策なり」と誤解している人が多いのも事実である。わが国における「孫子」の家元と言ってもいい大江匡房がこれを心配しているくらいだから、あれこれと策をめぐらすことで「勝てる」という思いこみが、いかに危険かがよくわかる。
そこで本書は、兵法経営の大家が、ビジネスの現場において、「孫子」をどう生かすかについて歴史の実例を引きながら解説したものである。
『兵は拙速をとうとぶ――時間との勝負である経営の場では、商機を逸しないことを第一に考えよ』『将軍の事は静にして幽なり――社長は見られることが大切であり、効果的である』など、理論と実戦に裏打ちされたその方法論を体得すれば、おのずと勝つ戦略・戦術が見えてくる。
しかし、「孫子」について「兵法とは策なり」と誤解している人が多いのも事実である。わが国における「孫子」の家元と言ってもいい大江匡房がこれを心配しているくらいだから、あれこれと策をめぐらすことで「勝てる」という思いこみが、いかに危険かがよくわかる。
そこで本書は、兵法経営の大家が、ビジネスの現場において、「孫子」をどう生かすかについて歴史の実例を引きながら解説したものである。
『兵は拙速をとうとぶ――時間との勝負である経営の場では、商機を逸しないことを第一に考えよ』『将軍の事は静にして幽なり――社長は見られることが大切であり、効果的である』など、理論と実戦に裏打ちされたその方法論を体得すれば、おのずと勝つ戦略・戦術が見えてくる。
- 本の長さ327ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2005/10/3
- ISBN-10456966461X
- ISBN-13978-4569664613
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登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2005/10/3)
- 発売日 : 2005/10/3
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 327ページ
- ISBN-10 : 456966461X
- ISBN-13 : 978-4569664613
- Amazon 売れ筋ランキング: - 420,920位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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- - 546位東洋哲学入門
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上位レビュー、対象国: 日本
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2009年9月4日に日本でレビュー済み
2008年6月25日に日本でレビュー済み
元帝国陸軍参謀で戦後、企業経営者に転進した著者が、かつて、軍人時代に習得した「兵法」という物が実際に会社経営を行っていく上で極めて有効だと言うことを実感したということに始まるこのシリーズだが、それら世界の兵法法典の中でも最高傑作に位置する孫子を、著者が軍人時代の経験と経営の実際に照らし、書き下ろした傑作だと思う。
ただ、表題に「戦わずして勝つ」と付けたのは如何なものだっただろうか。
著者自身も言っているが、「戦わずして勝つ」と書くと、「働かずして儲ける」のように受け取られかねないからである。その点で言えば、孫子には他にもタイトルに相応しいものもあるのであるから、そちらにしてもよかったのではないだろうかと思えて成らない。
ただ、表題に「戦わずして勝つ」と付けたのは如何なものだっただろうか。
著者自身も言っているが、「戦わずして勝つ」と書くと、「働かずして儲ける」のように受け取られかねないからである。その点で言えば、孫子には他にもタイトルに相応しいものもあるのであるから、そちらにしてもよかったのではないだろうかと思えて成らない。