お届け先を選択
Kindleアプリのロゴ画像

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません

ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。

携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。

KindleアプリをダウンロードするためのQRコード

著者をフォローする

何か問題が発生しました。後で再度リクエストしてください。

オッペンハイマー 下 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇 単行本 – 2007/7/19

3.4 5つ星のうち3.4 4個の評価

2006年ピュリッツァー賞受賞作品。「原爆の父」と呼ばれた一人
の天才物理学者J.ロバート・オッペンハイマーの生涯を丹念に描くことで、人
類にとって国家とは、科学とは、平和とは何かを問いかける全米で絶賛された話
題作の邦訳。
原爆投下の事実とその惨状を聞いたオッペンハイマーは、「手が血で汚れている
ように感じます」と悔恨の情を抱く。そんな彼に時の大統領トルーマンは「これ
で拭きたまえ」とハンカチを投げつける。「核」を米ソ冷戦の重要なカードと考
えるトルーマン、アイゼンハワーらと、その国際管理をめぐり、対立するように
なった彼は、「冷戦」という時代背景の中、安全保障上の機密事項を漏洩するの
ではないかとFBIに盗聴されるようにまでになる。そうした状況が、改善される
のはケネディ、ジョンソンの時代になってからだった。
25年にわたる学術研究の集大成、ここに完結。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ PHP研究所 (2007/7/19)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2007/7/19
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 480ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4569692931
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4569692937
  • カスタマーレビュー:
    3.4 5つ星のうち3.4 4個の評価

著者について

著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

カスタマーレビュー

星5つ中3.4つ
5つのうち3.4つ
4グローバルレーティング

この商品をレビュー

他のお客様にも意見を伝えましょう

上位レビュー、対象国: 日本

2023年3月11日に日本でレビュー済み
後半は政治に首を突っ込み,また,政治に翻弄されるロバート・オッペンハイマーの状況が描かれる.
 どうやらオッペンハイマーは,物理学に挑むがごとく理論だけで物事を解決できるかのように政治を誤解していたふしがあり,そのせいで政治的には敗北する.

 原爆投下後,全ての核的なものを国家管理下に置くべきだと信じた科学者たち(p.39)
 トルーマンに対し,「ロシアと爆弾を共有すべき」と提案するオッピー(オッペンハイマー)(p.41)
 政府を動かすべく,終戦直後に誕生したALAS(ロスアラモス科学者協会)(p.44)
 ロシアには原爆は開発できないと思っていたトルーマン(p.55)
「手が血で汚れているように感じます」と述べるオッピー(p.55) それに対するトルーマンの評価,「泣き虫科学者」(p.56)
 アチソンまで疑うFBI(p.66)
 独善マン,ストローズ(p.100) それを怒らせるオッピー.
 ヒス事件(p.141)
 オッピーの証言のせいで失職するボーム(p.154)
 ボームを高等研究所へ招くことを拒否するオッピー(p.155)
 フランク・オッペンハイマーの環境を「汚染」して回るFBI(p.161)
「オッピーの電話を盗聴するために政府が使った金は,ロスアラモスでオッピーに払った給料より多かった」(p.163)
 水爆を開発するより原爆を大量備蓄したほうが経済的,と主張するオッピー(p.192)
 封じ込め政策が軍事偏重していることに不満を抱いていたケナン(p.194-200)
 フックス発覚(p.208)
「水爆開発計画がオッペンハイマーのせいで遅れている」と,原子力合同委員会のウィリアム・ボーデンに吹き込むテラー(p.213)
 「職業的証言者」,クラウチ(p.216-219)
 大量虐殺戦争に対する特効薬として,戦術核のほうを重視していたオッピー(p.225)
 オッピーが中傷的告発の犠牲者である可能性が高いことを理解していたにも関わらず,マッカーシーからの攻撃にさらされないため,オッピーを機密情報から切り離すよう命じるアイゼンハワー(p.264)
 オッピー査問のために蒸し返された,当時は度外視されていた問題(p.275)
 査問委員に事前に配られており,オッピーの弁護士には閲覧も許されなかった,FBIの機密文書(p.292)
 オッピーが科学界に働きかける時間を与えないため,聴聞会を加速させるストローズ(p.299)
 オッピーの誠実さに確信を持っていたグローブス(p.326)
 AECを「原子力根絶委員会」とからかうアインシュタイン(p.368)
 グレイ委員会の約束を破って証言内容をリークするストローズ(p.368-369)
 リークにより,聴聞会の堕落ぶりが世間に知られてしまうという逆効果(p.369)
 オッピーが東側に誘拐されることを,根拠もないのに恐れるFBI(p.381-382)
 隠遁生活.
 セントジョン島での,隣人との確執(p.401-403)
 大勢の物理学者たちによる,オッピーの名誉回復運動(p.413)

 ヒロシマ・ナガサキに密接に関係していた人物に賞を与えることへの,ノーベル委員会のためらい(p.119)
 コンピュータについての特許を取らなかったフォン・ノイマン(p.121)
 オッピーと数学者との「子供の喧嘩」(p.131)
 中年になって盛りを過ぎると,数学以外のことに首を突っ込みたがり,揉め事の種を作りたがる数学者一般の傾向(p.133)

 上巻もそうだが,下巻も親オッペンハイマーの立場で書かれている傾向,強し.
 明らかにオッピーのソ連に対する見識は大甘だが,それすら著者は肯定的.
 たとえばソ連初の原爆実験のニュースを聞いたオッピーは,「核技術の国際的管理」にトルーマンが舵を切るだろうことを期待したという(p.182)
 非現実的であって理解しがたい「期待」だが,本書では「国際管理問題」に関しては一貫して,トルーマンが頑迷であったために果たせなかったかのように示唆.
 情報開示なき「国際管理」がいかに難しいかは,頻繁に査察を妨害されて遂に核実験まで許してしまった北韓の事例を見れば明白.
 スターリン政権下のソ連に,情報開示など期待できようはずがないのだが…….

 また,朝鮮戦争において,「ソ連には周到に用意した計画はなかった」(p.236)とも.
 「周到」の定義にもよるが,計画自体が存在していたことは,今では当時の機密文書から明白.
 いくらオッペンハイマーを擁護するためとはいえ,そんな怪しい言説を持ち出すのはいかがなものか.

 さらには,「理想的な共産主義は実在可能」と著者が考えているフシも散見(p.258)

 そんなわけで,客観性の問題には留意されたし.

 読めば?
【関心率10.20%:全ページ中,手元に残したいページが当方にとってどれだけあるかの割合.当方にとっての必要性基準】
2017年10月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
上巻の分にも書きましたが,どうにも読みにくい。これは,文章が倒置文を多様しているのもひとつの理由かと思い当たった。このときに代名詞の指している内容が離ればなれになったり入れ違ったりしているようなところもあるように思われた。
たまたま,原書と比較してみると,やっぱり欠落部分がある。特に,第32章がないのはなぜだろうか,内容上不必要とも思えないのだが。
現在は絶版になっているようだが,改訳再版を期待する。
11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート