東大生がどのような本を読んできたかは、結構興味をひくテーマでしょう。普通に考えれば、大学生の読書傾向を知る内容ですから、さほど関心があるようには思いませんが、東大生とタイトルに書かれると違ったイメージが付加されるようです。
本書は東大生が推薦した図書を、編著者である「東大家庭教師友の会」が文章化したものです。
冒頭に「読書をすると頭がよくなる」ことを示し、「頭のよい人たちは実際、どんな本を読んでいるのだろう」「本をどのように活用し、本の内容からどんな真理をつかみ取っているのだろう」というテーマで書かれています。
「勉強の役に立った本」「やる気が出てきた本」「今、読んでいる本」「ちょっと背伸びして読んだ難しい本」「勉強へのモチベーションが高まった本」「生き方に影響を受けた本」という6つのジャンルに分けて紹介しています。しっかりとした読書傾向ですが、一般的によく読まれている書籍も多く、当たり前ですが大学生らしい選定が見て取れました。
沢木耕太郎『深夜特急』、カミュ『異邦人』、三島由紀夫『金閣寺』、『O.ヘンリ短編集』など、思春期に読んでおくべき書籍が並んでいました。鈴木隆祐『名門高校人脈』などは、東大生なら読むだろう、と思える書でした。受験勉強に役立った本を上げている学生も多く、このあたりの読書傾向には少し違いが見られます。
格別驚くような書籍を紹介している学生はいませんし、多分今から30年前、40年前の東大生に同様のテーマでヒアリングをすればもっと特徴的な事例を見ることが出来たと思います。
これを読んだからと言って東大生になれるわけではありません。そのくらいの興味で読む本でしょう。
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