2010年の本であり、現代日本の閉塞感や社会問題について分かりやすく述べていて、それを突き破るための処方も具体的に書いてあります。これで29円とは安い! いかに日本人の価値観が歪んできたかと、、こういう本はもっと読まれていいと思います。新書だし。。
私は著者の「スリランカの悪魔払い」の講演を20年ほどまえに聴いて大変に感動したことを憶えています。これはいじめの解決方法のヒントにもなると思いました。「癒し」という言葉も著者によるものだそうで、社会を重層的に深くみる目をもつ日本の文化人類学者です。E.フロムの「愛するということ」を取り上げて、「そろそろ『孤独からの避難所としての愛』くらいは認めよう」といくだりは、昨年久しぶりに同書を読んで最初に読んだ時のようにはついていけないと感じていた私も、「やっぱりそうだよね」と嬉しいような気がしました。
また累進課税についての考えなどは政治家にも読んでもらいたい箇所ですね。「辛い肩の荷はおろして、あなたに合った肩の荷を背負いましょう!」と著者は言っています。全くその通りだと思いました。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
「肩の荷」をおろして生きる (PHP新書) 新書 – 2010/7/16
上田 紀行
(著)
なぜ日本人は幸福になれないのか。世界有数の豊かさを享受しながら、いつも不機嫌で疲れきった顔をしている人びと。他人の視線ばかりを気にする若者たち。効率ばかりを求める大人たち。誰もが目に見えぬ重圧に、生きづらさを感じている──。本書では、現代人が背負う「肩の荷」の正体を心理学、宗教学、文化人類学の見地を交えて読み解く。著者は、一九八六年にスリランカへ赴き、民俗仏教「悪魔祓い」と仏教思想に基づく農村開発運動を研究。また、近年では、チベット仏教の指導者、ダライ・ラマとの交流などで話題を呼んだ。それらの体験をふまえて、本書では、「若者たちが自立できない理由」をはじめ、「新自由主義がもたらした害悪」「支えあい社会の復権」などについて、やさしい語り口で論じていく。 「肩の荷」とは、いったい何を、誰によって背負わされているのか。どうすればおろせるのか。人生の「孤独」と「癒し」の意味を問い直した思想的メッセージの書。
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2010/7/16
- ISBN-104569791301
- ISBN-13978-4569791302
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2010/7/16)
- 発売日 : 2010/7/16
- 言語 : 日本語
- 新書 : 272ページ
- ISBN-10 : 4569791301
- ISBN-13 : 978-4569791302
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,067,228位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,142位PHP新書
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中3.6つ
5つのうち3.6つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
13グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2012年10月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年4月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この著者の本を集中して購入して読んでいますが、もっと世間を広く見てほしいと思っています。日本人の中にもいろんな宗教を持っている人がいますが、そのことに対する掘り下げが足りません。もっと広く深く世間というものを見てほしい。
2010年10月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
電車に乗っている日本人を見て、幸せそうな顔をした人がいないな・・・と、私自身いつも思っていました。
だから、この本を手に取ってみたのですが。
薄い内容でした。
だから、この本を手に取ってみたのですが。
薄い内容でした。
2010年8月23日に日本でレビュー済み
もっともおもしろかった部分を引用したい。
第四章「『恋愛』という重荷の」中で、著者はこう書く。
一口に宗教を信じるといっても、いろいろなタイプの人がいます。たとえばアニミズム的といいますか、
自然神道的な感受性といいますか、岩の中には神様がいて木の中にはトトロがいてというように、自然な形でスーッと宗教性を体得していく人たちがいる。
(中略)
聖なる神や自然といった原始宗教的な感受性を組み込んだ形で、人間の恋愛をその表れの一つと想定する、
広い意味での他者との関係意識を持つ恋愛、仮に名づければアニミズム的な恋愛があると考えたほうが
いいような気もします。
肩の荷の話の中で飛び出した、この「アニミズム的な恋愛」という発想は貴重なものだと思う。
「肉食系の女性とは同席するだけでダメ」というような感性を持つ若い男性は少なからず実在する。
そのような人々は、アニミズム的恋愛に活路を見出すしか、あるまい。
何となく「恋愛にしては、かげろうのように立ち消えになりそうな」予感もするのだが。
そもそも人間以外のもの、たとえば岩とか木とかを好きになって一生を終えても、
別にそう困りはしないと思う。
第四章「『恋愛』という重荷の」中で、著者はこう書く。
一口に宗教を信じるといっても、いろいろなタイプの人がいます。たとえばアニミズム的といいますか、
自然神道的な感受性といいますか、岩の中には神様がいて木の中にはトトロがいてというように、自然な形でスーッと宗教性を体得していく人たちがいる。
(中略)
聖なる神や自然といった原始宗教的な感受性を組み込んだ形で、人間の恋愛をその表れの一つと想定する、
広い意味での他者との関係意識を持つ恋愛、仮に名づければアニミズム的な恋愛があると考えたほうが
いいような気もします。
肩の荷の話の中で飛び出した、この「アニミズム的な恋愛」という発想は貴重なものだと思う。
「肉食系の女性とは同席するだけでダメ」というような感性を持つ若い男性は少なからず実在する。
そのような人々は、アニミズム的恋愛に活路を見出すしか、あるまい。
何となく「恋愛にしては、かげろうのように立ち消えになりそうな」予感もするのだが。
そもそも人間以外のもの、たとえば岩とか木とかを好きになって一生を終えても、
別にそう困りはしないと思う。
2010年8月9日に日本でレビュー済み
この本における上田紀行氏の言説には観察、問題描写、提案といった要素が織り込まれている。
凡庸な社会科学者ならば、精緻なデータを積み上げて、微弱な結論を導き、示唆と称してさらに主張をオブラートに包み込みこむことに終始する。その言説が学術論文ならば、さらに輪をかけて狭隘な示唆にとどまることになる。
この本の言説はいたって単純明快だ。著者は世の中をこのように観る、このような問題がある、その問題の背後にはこのような構造がある、その構造を転換するためには、このようにすべし、と。
著者の言説空間が狭隘な学術論文にとどまらないことは必然でもあり、また広く一般読者向けに書かれている点は、私のような一般読者にとっては福音でさえある。
著者の生の体験談が随所に織り込まれ、特殊な文体世界を形成している。それは決して露悪趣味ではない。著者は、実証主義的な作法では捉えきれない大きな問題を描写し、その解決策を模索するという試みを本書の中で展開している。
その意味で、狭い意味での学術的作法への準拠など見向きもしないそぶりを垣間見せつつも、文化人類学の観察的参与という方法を大局的な視座から極めていると言える。
大切なものを支え合うことの大切さが「肩の荷」という言葉に込められている。読者は終章に向かって次第に気がつくことになるだろう。「生きる意味」と合わせて読むことをお勧めしたい。
凡庸な社会科学者ならば、精緻なデータを積み上げて、微弱な結論を導き、示唆と称してさらに主張をオブラートに包み込みこむことに終始する。その言説が学術論文ならば、さらに輪をかけて狭隘な示唆にとどまることになる。
この本の言説はいたって単純明快だ。著者は世の中をこのように観る、このような問題がある、その問題の背後にはこのような構造がある、その構造を転換するためには、このようにすべし、と。
著者の言説空間が狭隘な学術論文にとどまらないことは必然でもあり、また広く一般読者向けに書かれている点は、私のような一般読者にとっては福音でさえある。
著者の生の体験談が随所に織り込まれ、特殊な文体世界を形成している。それは決して露悪趣味ではない。著者は、実証主義的な作法では捉えきれない大きな問題を描写し、その解決策を模索するという試みを本書の中で展開している。
その意味で、狭い意味での学術的作法への準拠など見向きもしないそぶりを垣間見せつつも、文化人類学の観察的参与という方法を大局的な視座から極めていると言える。
大切なものを支え合うことの大切さが「肩の荷」という言葉に込められている。読者は終章に向かって次第に気がつくことになるだろう。「生きる意味」と合わせて読むことをお勧めしたい。
2013年2月3日に日本でレビュー済み
現代に生きる人(主に日本人)が背負っている肩の荷について分析してあります。
高度経済成長時代とバブル崩壊後の違いについて分かりやすく書かれてています。
恋愛における肩の荷等は新たな発見ではありました。
自分が背負っている肩の荷が何なのかというのを考える意味でもいい一冊だと思いました。
高度経済成長時代とバブル崩壊後の違いについて分かりやすく書かれてています。
恋愛における肩の荷等は新たな発見ではありました。
自分が背負っている肩の荷が何なのかというのを考える意味でもいい一冊だと思いました。
2010年8月6日に日本でレビュー済み
理論的な裏付けはなく、かなり主観的な見解が続きますが、戦後の日本人の倫理観、迷い、社会構造などについて、やや情緒的ではあるけれど説得力のある話を聞くことができます。
豊かさ、自分自身、親子、恋愛などに関する「重荷」についての考察と分析を重ねていき、最後のどんでん返しには脱帽。この逼塞感を政治や法律で変えることは難しいでしょうが、自信の心構えとしては納得できました。
豊かさ、自分自身、親子、恋愛などに関する「重荷」についての考察と分析を重ねていき、最後のどんでん返しには脱帽。この逼塞感を政治や法律で変えることは難しいでしょうが、自信の心構えとしては納得できました。