本書は朝の通勤時間で読みました。対談形式なので文章としては大変読みやすい。佐藤氏の対談相手の質問の出し方が的確なので、面白くまとっまっている(佐藤氏の懐の深さかもしれないが)。
以下、自分が特に面白いと思ったところをメモがわりに抽出してみました。記憶を「発酵」させることが目的です。
P41 人脈の作り方
「教えてください」というスタンスで近づく。相手の願望、欲望にどうやって付け入るかが肝要。
P70 本の選び方
大型書店にて専門員に来訪目的を伝え、同じテーマで3冊買うこと。主張がわかれても2冊の意見が一致したらその説が正しい。自分に専門知識がなくても専門知識を得ることができる。
P72 10日に1回本屋に通う
新刊本は10日で回転する。いい本ならば書店員が棚に押しこむ。
表紙や帯がいい加減な本は中身もいい加減。翻訳書は、真ん中あたりを開き日本語としていい加減であればダメな本。
P76 精読と速読
頭の良くなる本とは、真理を追求していくもの。精読すべき本は読書に時間をかけるべき。そうでない本は、速読でキーワードを拾えばよい。
日本のビジネスマンの読書量は足りない。もっと読むためには、本を精読すべきものとそうでないものを分けること。
P82 読書ノートを取ること
自分だけわかればよいのだから、汚くてもよいからノートを取ること。ノートをきれいに書くとは、秀才の発送で、インテリジェンスには不要。パソコンでもよい。発酵させる時間をおくと記憶に定着させることができる。
自分の記憶力がどれくらい復元力があるかを知るには未知の外国語を勉強してみて記憶力の定着をリトマス試験紙とすればよい。白水社の「ニューエクスプレス」シリーズが、テキストとしては完璧。
P93 記憶のポイント
記憶のポイントは、「索引をつける」「細かく覚える」「捨てる」の3つしかない。
移動中に覚えるのがよい。書斎は記憶に不向き。「あの時覚えたんだ」とイメージ一緒に覚えると記憶が定着する。
、
P96 問題と問題の場
混同しないこと。問題の場のことを議論しても仕方がない。
P99 高度なゲーム
交渉においては自分のカードを不用意に見せてはならない。ルールはこちらが支配する。(入場無料出口有料の土産物屋のようなもの)
P112 陰徳の力 貨幣には品格がある
代替性のない行為に対して感謝の印としてお金を出せることが陰徳
P114 3ヶ月に3回会う
3ヶ月以内に3回会うと相手は自分のことを3年忘れない。3年間で成果を上げることができる。共存共栄体制をつくることができれば、永遠の腐れ縁となる。
P128 カラマーゾフ流オウム返しの極意
相手の意見を首肯する。適時に反復する。聞き上手になることが有能な人物
P129 質問力
質問とは混沌とした物事を分けていくこと。
質問とは理解していること以外のことができない。
質問の質で相手のレベルを推し量ることも可能。
質問力のレベルは数学の世界と同じ。数学者は問題設定ができる。
問題設定ができれば答えはもうできあがっている。つまり質問を考えられた時点で答えは決まってしまうから。
P158 個人レベルでのネットワーク構築
相手に見くびられないようにするより、相手との関係が長く続くようになるよう気を配る。
常に相手を持ち上げ、上席に座らせ、気分を良くしてあげること。
おしぼりをとってあげたり気配りすることが大事。
「国際ビジネスのプロトコール」という本があるのでそれを参考にすればよい
P176 名刺の活用法
名刺交換した人の人脈を利用させていただくこと。
P182 アナロジーとメタファー
「あいつは鬼のような奴だ」アナロジー
「あいつは気が弱い」メタファー
メタファーのほうが意外性があるので、相手は好奇心をくすぐられ話の続きを聞きたがる。こうなれば相手は会話の穴に落ちてくれる。
ただしメタファーは使いすぎると、話がすべってしまうことがあるので使いすぎない。
p198 人脈メンテナンスと耐エントロピー構造
熱力学と同じ。水とお湯が混ざるとやがて均等化した温度になる。
均等化すると交換はなりたたない。
いつまでの交換が可能なように耐エントロピー構造をもたせる。
拡散しようとするものを拡散しないようにメンテナンスすること。
年賀状の交換もそう。
P208 縁を切る
逃げて、二度と会いたくない、接触をもちたくない、報復する気にすらならないような別れ方がよい。参考になるのは倉田真由美の「だめんずうぉーかー」
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人たらしの流儀 単行本(ソフトカバー) – 2011/5/26
佐藤 優
(著)
ダブルポイント 詳細
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- 本の長さ219ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2011/5/26
- ISBN-104569792235
- ISBN-13978-4569792231
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登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2011/5/26)
- 発売日 : 2011/5/26
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 219ページ
- ISBN-10 : 4569792235
- ISBN-13 : 978-4569792231
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,279,024位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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元外交官で文筆家。ロシア情報収集・解析のエキスパート。魚住昭/ジャーナリスト。ノンフィクションに著作多数。青木理/ジャーナリスト。元共同通信記者。『日本の公安警察』『絞首刑』など著作多数。植草一秀/経済学者。日本経済、金融論が専門。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 誰が日本を支配するのか!?政治とメディアの巻 (ISBN-13:978-4838721566)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年11月1日に日本でレビュー済み
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2020年12月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
佐藤氏は外交官としてロシアに関係し、特別な体験をしている。この時のストーリーがこの本の骨格。その他の体験がこの本の重要な説得力につながっている。
2016年11月24日に日本でレビュー済み
うーん、佐藤 優さんの本は僕はとっても好きなんだけど、気のせいか今回はどうも「斜に構えた感じ」がして好きになれなかった本だったかな。
本の進行は編集者(?)が佐藤優さんに質問をして、それに応えるという構成。
こういう構成だと、その編集者が投げかける質問が読者にフィットしていないと、とたんに詰まらなくなるんだよね。
この本の質問の内容は・・・僕にとってはイマイチだったかな。
でも、なかなか興味深かった話もあった。
それは、地方紙は北海道新聞と、琉球新報や沖縄タイムズといった北と南の新聞だと情報の扱い方が全く違うということ。産経と朝日では主張は違うけどテーマは同じ。でも北海道と沖縄の新聞では同じ国内でも情報空間が違うと。
へー、さすが佐藤優さん!なんて思ったね。
本の進行は編集者(?)が佐藤優さんに質問をして、それに応えるという構成。
こういう構成だと、その編集者が投げかける質問が読者にフィットしていないと、とたんに詰まらなくなるんだよね。
この本の質問の内容は・・・僕にとってはイマイチだったかな。
でも、なかなか興味深かった話もあった。
それは、地方紙は北海道新聞と、琉球新報や沖縄タイムズといった北と南の新聞だと情報の扱い方が全く違うということ。産経と朝日では主張は違うけどテーマは同じ。でも北海道と沖縄の新聞では同じ国内でも情報空間が違うと。
へー、さすが佐藤優さん!なんて思ったね。
2013年6月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今作では、インタビュアーとのやりとりを収録した形式で、読者に語りかけるような内容で表現も平易で読み易い。
人たらしについてテーマは多岐にわたっており、ひとつひとつのテーマの掘り下げは物足りない感もあるが、サクサク読めるのでこれはこれでいいと思う。
自分が特に印象に残ったのが、講義4「天に宝を積む」について。著者は見返りを求めることなく、社会に寄付を行って還元を行うことを勧めている。このこと(天に宝を積む)によって、めぐりめぐって結果的に自分にお金が返ってくる。また、そうした還元の行為によって、発想が変わってくるという。
日本でも数年前から寄付税制が改革され、認定NPO法人等への寄附については税額控除ができるようになった。政府や自治体に頼るのではなく、自らの判断で社会を変えていくことができる下地ができてきている。
社会貢献をしたいとは思っていたが、寄付をするという発想が自分の中にはなかったので、目から鱗が落ちる思いであった。
人たらしについてテーマは多岐にわたっており、ひとつひとつのテーマの掘り下げは物足りない感もあるが、サクサク読めるのでこれはこれでいいと思う。
自分が特に印象に残ったのが、講義4「天に宝を積む」について。著者は見返りを求めることなく、社会に寄付を行って還元を行うことを勧めている。このこと(天に宝を積む)によって、めぐりめぐって結果的に自分にお金が返ってくる。また、そうした還元の行為によって、発想が変わってくるという。
日本でも数年前から寄付税制が改革され、認定NPO法人等への寄附については税額控除ができるようになった。政府や自治体に頼るのではなく、自らの判断で社会を変えていくことができる下地ができてきている。
社会貢献をしたいとは思っていたが、寄付をするという発想が自分の中にはなかったので、目から鱗が落ちる思いであった。
2011年6月4日に日本でレビュー済み
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悪そ〜なタイトルであるが、決して「人をだまくらかす」方法が書いてあるわけではなく、外交官時代に培った人脈づくりノウハウが丁寧に書かれている。それを引き出したインタビュアーもすごい。
筆者は一貫して、今後「国家」の個人への介入が強まる中、アトム化した個人が連帯することで「社会」を強化し、国家に対抗しようという論者。その「連帯」の手法が記されたノウハウ本と思っていただければよい。
筆者の国家論は、従来「個人への介入」というものであったが、先の震災を受けて、「政治家も官僚も助けてくれない。だから仲間を作って自衛しよう」というトーンに微妙に変わっている。
曰く、「希望は与えられるものではなく、見出していくものである。」。
筆者は一貫して、今後「国家」の個人への介入が強まる中、アトム化した個人が連帯することで「社会」を強化し、国家に対抗しようという論者。その「連帯」の手法が記されたノウハウ本と思っていただければよい。
筆者の国家論は、従来「個人への介入」というものであったが、先の震災を受けて、「政治家も官僚も助けてくれない。だから仲間を作って自衛しよう」というトーンに微妙に変わっている。
曰く、「希望は与えられるものではなく、見出していくものである。」。
2020年7月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
特に問題ありません。
2011年6月12日に日本でレビュー済み
インタビュー形式で佐藤優の考え方や体験を引き出し、それをまとめた感じの本。
残念ならが聞き手が佐藤勝寄りというか賛同者すぎる。
そのため反対の立場からの質問や、突っ込み的な深堀がないのが残念なところ。
佐藤勝の意見に対し、もっと反証するぐらいの気持ちで深く突っ込んでくれたほうが
より興味深い話を引き出せそうなものなのに。
この本の空気を例えるなら、会社の飲み会か何かで
貴重な体験を持つ先輩の話をYesマンが聞いてるところを横で眺めるって感じ?
期待していたほどの内容ではなかったので、☆は3つで。
残念ならが聞き手が佐藤勝寄りというか賛同者すぎる。
そのため反対の立場からの質問や、突っ込み的な深堀がないのが残念なところ。
佐藤勝の意見に対し、もっと反証するぐらいの気持ちで深く突っ込んでくれたほうが
より興味深い話を引き出せそうなものなのに。
この本の空気を例えるなら、会社の飲み会か何かで
貴重な体験を持つ先輩の話をYesマンが聞いてるところを横で眺めるって感じ?
期待していたほどの内容ではなかったので、☆は3つで。