すでにレビューで書かれている通り、本書は猪瀬直樹副知事による、東京都庁での仕事の記録が中心でありながら、大変に実用性のあるビジネス本、マネジメント本になっているのが特徴と言える。
私が特に興味深かったのは次の2点。
・大震災後の、現場の本当の様子がわかること。
・最新の具体的な事例に触れられていること。
東京都内のある区が放置自転車を「被災地」まで送ろうとしたところ、現場から頼まれた猪瀬氏が鶴の一声で「被災地」の「避難所」まで届けさせるようにした話。
被災地のがれきを、少しの反対を押し切って石原知事といち早く受け入れる決断をした話。
本来は相手から正式に要請されてから動くところを、地震直後に大火災の起きていた千葉県に「そんなプロセス飛ばして、ただちに消防艇を出そう」と決断した話。(実際にその1時間後に森田健作千葉県知事から消防艇の出動要請の電話があった)
こんな具体的で、すぐに役立てる実践例が数多く紹介されている。
政府や東京電力との違いがはっきりしすぎて、怒りを通り越し、情けなくなってくる。もし東京都庁に石原慎太郎・猪瀬直樹がいなかったら、と思うとゾッとしてしまう。
「俺が責任を取るから、思い切りやってくれ」
と上司が言えることが大切、と猪瀬氏は書いている。
当たり前のように聞こえるが、都や国を動かし続けている人物の言葉だけに、重い。しかも、さきほど紹介したような数々の実践例がのっているので、圧倒的に説得力がある。
心の底から、私の勤める会社の管理職にも読ませたい一冊である。
なお、私は猪瀬氏のフォロワーだが、本書を読むのをきっかけに、まだの人はツイッターを始めるとよいと思う。
もちろん危機管理にもなるし、何より猪瀬氏はかなり多くの有用で興味深い情報を頻繁に発しているので、とても勉強になる。
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決断する力 (PHPビジネス新書) 新書 – 2012/3/17
猪瀬 直樹
(著)
★“ソーシャルネットワーク”を使った情報収集・発信
★まずは即断即決、そして事後承認を得る
★見えない恐怖を可視化する
★先を見通して、リスクの芽を摘む
★昨日を基準に、今日を生きない
そして、「いざというとき、立ち止まるな! 走りながら考えろ」
大震災後、東京都のリスク管理、危機対応を陣頭指揮する副知事が、日々実践している「思考と行動」を生々しく語る! また、ビジネスに応用できるポイントを、20カ条に整理して紹介。
「首都直下型地震」への取り組みもふんだんに記された、役に立つ一冊。
★まずは即断即決、そして事後承認を得る
★見えない恐怖を可視化する
★先を見通して、リスクの芽を摘む
★昨日を基準に、今日を生きない
そして、「いざというとき、立ち止まるな! 走りながら考えろ」
大震災後、東京都のリスク管理、危機対応を陣頭指揮する副知事が、日々実践している「思考と行動」を生々しく語る! また、ビジネスに応用できるポイントを、20カ条に整理して紹介。
「首都直下型地震」への取り組みもふんだんに記された、役に立つ一冊。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2012/3/17
- 寸法17.2 x 1 x 10.6 cm
- ISBN-10456980330X
- ISBN-13978-4569803302
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登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2012/3/17)
- 発売日 : 2012/3/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 456980330X
- ISBN-13 : 978-4569803302
- 寸法 : 17.2 x 1 x 10.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 737,037位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 562位PHPビジネス新書
- - 114,496位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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作家。1946年長野県生まれ。
83年に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『日本凡人伝』を上梓し、87年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞。定評の評伝小説に『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』『こころの王国 菊池寛と文芸春秋の誕生』がある。
『日本国の研究』で96年度文藝春秋読者賞。
2002年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。その戦いの軌跡は『道路の権力』『道路の決着』に詳しい。06年に東京工業大学特任教授、07年に東京都知事に任命される。近著に『ジミーの誕生日 アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』『東京の副知事になってみたら』。また、『昭和16年夏の敗戦』中公文庫版が2010年6月に刊行された。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年4月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2012年5月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み進むにつれて、何とは言えない違和感が感じられた。
自分がひねくれているだけかもしれないが、延々自慢話を聞かされているような気がした。
東京都の活動はすごいだろう、著者と石原都知事の決断や行動はすごくいいだろう、みたいなことが次々と述べられている。
しかし、決断した全てのことがうまくいっている訳ではないだろし、著者が苦々しく感じている決断もあるだろう。
私は、著者が苦々しく感じた決断から何を考え、次に生かしていったのか?
どのような不安を感じながらも決断したのか?
などを知りたかったのだが。
その方が、著者のような「決断力」を身につけるためには有用であったのだが。
自分がひねくれているだけかもしれないが、延々自慢話を聞かされているような気がした。
東京都の活動はすごいだろう、著者と石原都知事の決断や行動はすごくいいだろう、みたいなことが次々と述べられている。
しかし、決断した全てのことがうまくいっている訳ではないだろし、著者が苦々しく感じている決断もあるだろう。
私は、著者が苦々しく感じた決断から何を考え、次に生かしていったのか?
どのような不安を感じながらも決断したのか?
などを知りたかったのだが。
その方が、著者のような「決断力」を身につけるためには有用であったのだが。
2012年12月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
迷走する国政をなんとかして欲しいと思いつつ購入。経済界でも決断の遅さもしくは無さから生じたと思われる大赤字会社が続出してる今本書は必読書となろう。
2012年6月15日に日本でレビュー済み
正直内容がものすごく薄かったです。
まとめると、「慣習や法令にとらわれず、行動すべきときを見極める」ということ、「Twitterがよい」ということくらいでした。
防災、水ビジネス、地下鉄などの話に触れつつ、どう決断したか述べられていましたが、すべて普通に考えれば分かる程度のことばかりです。おそらく東京都にお住みの方ならニュースなどですでに知ってる話ではないでしょうか。
それにTwitterを勧めるなら、行政の側の身として、情報機器を利用できないお年寄りなどに対しての情報発信についても考慮しなくてはいけないはず。にもかかわらず、その視点が全く欠けており、少し中途半端な印象を受けました。
まとめると、「慣習や法令にとらわれず、行動すべきときを見極める」ということ、「Twitterがよい」ということくらいでした。
防災、水ビジネス、地下鉄などの話に触れつつ、どう決断したか述べられていましたが、すべて普通に考えれば分かる程度のことばかりです。おそらく東京都にお住みの方ならニュースなどですでに知ってる話ではないでしょうか。
それにTwitterを勧めるなら、行政の側の身として、情報機器を利用できないお年寄りなどに対しての情報発信についても考慮しなくてはいけないはず。にもかかわらず、その視点が全く欠けており、少し中途半端な印象を受けました。
2016年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
価格はもちろん、状態、到着時とも申し分ありません!機会があれば、またお世話いただきたいショップ様です。
2014年2月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
毎日
大小の差はあるが、
決断している。
結論を出して、また考えるのがいいかな!
大小の差はあるが、
決断している。
結論を出して、また考えるのがいいかな!
2012年3月21日に日本でレビュー済み
猪瀬副知事による、
危機管理本。
とは言え、
本書の中心は、
東日本大震災に立ち向かった東京都庁の記録だと思う。
危機管理がテーマではあるが、
むしろ東京都の震災直後の対応の方が迫力があり、
市民のために身を粉にして働く公務員の姿に胸を打たれる。
東京都庁がいかに震災に立ち向かったか、
その記録として本書を読んだ。
東日本大震災の発生直後から、
猪瀬直樹は東京都副知事として、
東京都庁の巨大官僚機構を、
震災対応に振り向けはじめる。
Twitterの訴えから、
宮城県気仙沼市へ孤立した子どもたちを救助に向かう東京消防庁のヘリ。
本来は地元自治体の要請がないとヘリコプターを派遣することはない。
それを動かしたのは、猪瀬氏の危機管理マネジメントだ。
このあたりの記述、手に汗握る。
ソーシャルメディアを使った情報収集と情報発信。
猪瀬氏および都庁各組織による柔軟かつ迅速な意思決定と、
石原都知事の事後承諾。
更に原発対応時の東京消防庁の対応など、
現場と本部機能の調和が極めて上手に進んだことが分かる。
当時の経産大 臣の言動等を読むと、
現場が分からない本部がいかに危険か、
思い知らされた。
危機管理の肝要は、
現場の情報把握、
意思決定のスピード、
それにぶれないトップ。
結局は石原、猪瀬両トップのような、
胆力のあるリーダーが求められる。
震災に対峙した行政官の貴重な貴重な証言でもあるし、
企業などの危機管理のあり方に大いに参考になる。
危機管理本。
とは言え、
本書の中心は、
東日本大震災に立ち向かった東京都庁の記録だと思う。
危機管理がテーマではあるが、
むしろ東京都の震災直後の対応の方が迫力があり、
市民のために身を粉にして働く公務員の姿に胸を打たれる。
東京都庁がいかに震災に立ち向かったか、
その記録として本書を読んだ。
東日本大震災の発生直後から、
猪瀬直樹は東京都副知事として、
東京都庁の巨大官僚機構を、
震災対応に振り向けはじめる。
Twitterの訴えから、
宮城県気仙沼市へ孤立した子どもたちを救助に向かう東京消防庁のヘリ。
本来は地元自治体の要請がないとヘリコプターを派遣することはない。
それを動かしたのは、猪瀬氏の危機管理マネジメントだ。
このあたりの記述、手に汗握る。
ソーシャルメディアを使った情報収集と情報発信。
猪瀬氏および都庁各組織による柔軟かつ迅速な意思決定と、
石原都知事の事後承諾。
更に原発対応時の東京消防庁の対応など、
現場と本部機能の調和が極めて上手に進んだことが分かる。
当時の経産大 臣の言動等を読むと、
現場が分からない本部がいかに危険か、
思い知らされた。
危機管理の肝要は、
現場の情報把握、
意思決定のスピード、
それにぶれないトップ。
結局は石原、猪瀬両トップのような、
胆力のあるリーダーが求められる。
震災に対峙した行政官の貴重な貴重な証言でもあるし、
企業などの危機管理のあり方に大いに参考になる。
2013年5月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
友人から紹介されて読み出し、一気に読みました。
政治のアレコレが興味深く書いてあります。特に3・11の話は、「うそ」というようなものも。国民のことを考えている政治家は少なくなりましたね。
また、千葉県浦安市の下水道の復旧に協力していただいたこと、大変ありがたいお話でした。浦安は被災地で大変だったのですが、知事が視察に来ないため、状況が分からずに復旧に大変な時間がかかりました。知人は2カ月近くお風呂もトイレも使えず・・・でした。
皆さんに政治を知っていただく、良い本だと思います。
政治のアレコレが興味深く書いてあります。特に3・11の話は、「うそ」というようなものも。国民のことを考えている政治家は少なくなりましたね。
また、千葉県浦安市の下水道の復旧に協力していただいたこと、大変ありがたいお話でした。浦安は被災地で大変だったのですが、知事が視察に来ないため、状況が分からずに復旧に大変な時間がかかりました。知人は2カ月近くお風呂もトイレも使えず・・・でした。
皆さんに政治を知っていただく、良い本だと思います。