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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側 単行本 – 2014/1/21
「第1部『アメリカの代理人』養成所としてのハーヴァード大学」では、最近、「アメリカの代理人」の世代交代が起き、今やその中心に楽天の三木谷浩史氏が座ったこと。また、ハーヴァードを中心に育成された「日本操り人材」がどんな歴史を刻んできたかを丁寧に読みぬく。
「第2部アメリカの大学で学ぶということ」では、なぜアメリカが優秀な留学生を受け入れたいかと、その実態はいかなるものかを、著者自身の経験に照らして描く。
「第3部ハーヴァード大学の知的パワーを象徴する学者たち」では、文明の衝突を予言したサミュエル・ハンチントンと、現在、最も力のあるジョセフ・ナイについて詳述する。
「第4部ハーヴァード大学で真に教えたいこと」では、マイケル・サンデルで有名な共同体優先主義と、究極の政治思想である合理的選択論を解説する。
- 本の長さ286ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2014/1/21
- ISBN-104569816428
- ISBN-13978-4569816425
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商品の説明
著者について
登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2014/1/21)
- 発売日 : 2014/1/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 286ページ
- ISBN-10 : 4569816428
- ISBN-13 : 978-4569816425
- Amazon 売れ筋ランキング: - 704,011位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 109,303位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1974(昭和49)年、鹿児島県立鶴丸高校、早稲田大学社会科学部卒。早稲田大学大学院社会科学研究科地球社会論専攻修士課程修了(修士・社会科学)。南カリフォルニア大学(University of Southern California)大学院政治学研究科博士課程中退(政治学修士)。現在、SNSI・副島国家戦略研究所研究員、愛知大学国際問題研究所客員研究員。趣味は読書、スポーツ観戦(野球とラグビー)、落語観賞。
著書に『アメリカ政治の秘密』(PHP研究所、2012年)、『ハーヴァード大学の秘密』(PHP研究所、2014年)、翻訳書にトーマス・ウッズ著『メルトダウン 金融溶解』(副島隆彦・監訳、解説、ロンポール序文、成甲書房、2009年)、アダム・レボー著『バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容』(副島隆彦・監訳、解説、成甲書房、2010年)、パラグ・カンナ著『ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方』(講談社、2011年)、ロバート・ケーガン著『アメリカが作り上げた"素晴らしき"今の世界』(ビジネス社、2012年)、オーヴィル・シェル、ジョン・デルリー著『野望の中国近現代史』(ビジネス社、2014年)、ダニエル・シュルマン著『アメリカの真の支配者 コーク一族』(講談社、2015年)がある。
ブログ「古村治彦の政治情報分析・紹介ブログ」:http://suinikki.blog.jp/
Twitter Account: Harryfurumura
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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第1部では、ハーバード大学卒業生の日本人のネットワークがいかに戦前・戦後政治を通じて機能しているのか多くの傍証、状況証拠を使って論じられている。読む人を選ぶいわゆる「陰謀論」的解釈の色は薄く、淡々と事実を提示し、判断は読者の側でというスタンスか。単純に、著者のいう人脈研究の「たけのこ掘り」の作業が楽しく追体験できる。
第2部では、著者の実体験を踏まえた日本人によるアメリカ留学の実態が描かれている。私の判断する限りここでの記述は平均的な「留学本」に比べて極めて正確である。また、アメリカにおける"University of 州の名前"と"州の名前 State University"との州立大学間の学歴差別(留学した者にとっては有名な話)について記したのはこの本で初めて見た気がするが、本当のことである。
第3部、4部では、ハーバード大学の政治学者を中心に、現代政治学、国際関係論、政治理論の学問的成果が簡潔に要領よくまとめられている。これは著者の確かに学問的背景があって初めて可能なものであり、著者独自のものであろう。アメリカではあたり前のように大学の授業で教えられているが、日本語ではほとんど紹介されていないような議論もあり、日本の大学で比較政治学の教科書として使えると思う。まさに比較政治版・仲正昌樹である。ただ専門的過ぎて、若干一般読者層にはキツイかもしれない。政治学に興味のある人なら楽しめる。
最後に少々気になった点を二つ。第一に、合理的選択論の位置付けについて読者に少々伝わりにくいのではないかと思った。著者は正しく理解しているように、合理的選択論の優位はあくまでも学術の分野に限られ、いわゆる実務ではいまだ圧倒的に非合理的選択論であろう。ハーバード大学で学術研究を主に行うDepartment of Government(政治学部)では確かにメソドロジー的基礎として合理的選択論が優勢でも、実務教育を行うKennedy School of Government(ケネディスクール)ではおそらくそれほど重視されていない。政治学部とケネディスクールの関係はそれもあってあまり良くない(前者が後者をバカにしている)と聞く。私は日本の大学で合理的選択論を教え、学術面でその有用性を説くものであるが、実務的な有用性については疑問をもっている。おそらくこの事実を知る著者と、「合理的選択論なる恐ろしい思想がハーバードで教えられ、それが世界を動かしている!」と言わせたい出版社との間での齟齬があり、本書における合理的選択論の微妙な位置づけとなったのではないか。
次に、無い物ねだりであるが、人脈の「たけのこ掘り」というのであれば、ハンチントンの紹介のところでその弟子である現熊本県知事のエピソードがあっても良かったのではないか。現熊本県知事の出世作はハンチントンの「悪循環論」に対する日本を事例とする批判である。
とはいえ、これらはいずれもささいな問題であり減点にはならない。冒頭にも書いたとおり、本書は幅広い読者層向けの興味深い内容を含んでおり、逆説的に「アメリカ(ハーバード)の力を利用して将来偉くなりたい」と願う野心的な若者への良い入門書である。
紹介される人物、事例はエリート層のものだ。
ところで、p.179「終身在職権」が「終身在職県」になっている。
また、p.100「知米派」が「智米派」になっている。
さらに、人名には、生年あるいは、生年と没年が付されるルールが見られるが、
「ロバート・カプラン」氏には記述されていない。
裏話を刊行したものには、このようなミスが放置されている。
これには、裏話のインパクトを中和する効果がある。
世間に対する、発行者、執筆者側の自主規制であろう。
次回はコロンビア大学、イェ-ル大学、なども宜しくお願いします。
ハーバードという、米国を象徴する名門大学をキーワードに、日米の人脈を読み解き、歴史を解きほぐしていくという手法は、まさに著者の得意芸。そこは良いのだけれど、専門でもないし、よく知りもしない分野に余りに深入りしすぎ。
例えば、第4部(7章と8章)の共同体主義と合理的選択論は、何も(哲学者でも政治学者でもない)あなたから聞きたくない、と思う。一応、読んだけど。
一番酷いのは4章の米国の大学について記述した部分。嘘と思い込みばっかり。成績優秀者のパーセンテージ(149頁)なんて、大学ごとに違う。みんな一緒くたにして一般論で語るな、と思う。
あなた、本当に留学したの、と聞きたくなるような英語の間違いも。「対話を英語ではdialectという」(139頁)という一文には椅子から転げ落ちそうになった。それを言うならdialogue(ダイアローグ)でしょ?
加えて、漢字の間違いも。「終身在職県」(179頁)は県→権でしょ。もう、かなりメチャクチャ、いい加減!
それにしても、なんで「ハーヴァード」「アイヴィーリーグ」なんだろ? 文章表現が小学生の作文並みに稚拙なくせに、いかにも「英語の発音、気にしてます」みたいな言葉使いされてもなあ。既に人口に膾炙しているハー「バ」ード、アイ「ビ」ーリーグでいいじゃん!
第1部:「アメリカの代理人」養成所としてのハーヴァード大学
日本人でのハーヴァード卒業生をあげて、これらの人々がいかにつながっていて、ついてはこれらの人々が日本の政治経済に大きな影響を与えていると述べていますが、正直インパクトは弱い。ハーヴァード卒というのは本人達も隠す事はないし、全米随一の大学卒業生のネットワークが、日本の政官財の中心に進出しだしたというのは当たり前と言えば当たり前です。むしろ例えばフリーメイソンのように一般人には知られていない組織にみんな加入している、あるいは日本ではあまり知られていない大学の卒業生が実は日本の政官財を牛耳っているというメッセージでしたら、それはすごい発見だと思いますが、全米一の大学卒が牛耳っています、というメッセージはインパクトに欠けます。
また細かい事ですが、本書内ではハーヴァード・ビジネス・スクールが「ケーススタディ」を用いていると記載されていますが、正確には「ケースメソッド」です。HBS卒業生の中には両者を厳密に区別する人も多く、体験した人はご存知のように、ケースメソッドで読むケースは結論がありません。ある経営者が困難な状況に直面して、選択肢はいくつかあるが、さあどうする?というところでケースは終了します。そして皆さんはどうしますか?という形で授業を進めるのがケースメソッドです。しかもこのケースメソッドの大前提は、正しい答えはない、ということです(仮に実際の経営者がとった行動でうまくいったとしても、それ以上によい方法があったかもしれないと考えます)。一方、ケーススタディは結論まで提示されて、そこから学びましょう、というスタンスなので両者は全く違うと言う人もいます。
第2部:アメリカの大学で学ぶという事
アメリカ留学についての準備や心構え、TOEFLテストの概要など、この箇所だけいきなり「海外留学準備セミナー」になっています。こんなコンテンツは全く期待していませんでした。はっきり言えば私のような読者にとってはいりません。ここだけ対象読者がハーヴァード留学を検討されている10代、20代の学生、若い社会人およびその親御さんになっています。仮にこの部を大変参考になったという親御さんがいたとしても、その人達は次の部(ジョセフ・ナイなどの希代の政治学者の紹介)は全く持って退屈でしょう。このあたりから本書のターゲット顧客戦略が破綻していることがわかります。
第3部:ハーヴァード大学の知的パワーを象徴する学者たち
ここでは著者が政治学の専門家という事もあり、希代の政治学者であるサミュエル・ハンチントンおよびジョセフ・ナイが紹介されています。私自身少しの知識があるだけでしたので、この2名の思想および人生の話は興味深く読みました。後半部に来て面白くなってきたな、しかし待てよ、「ハーヴァード大学の秘密」という題名に興味を引かれて購入した自分だが、この部に書いてある事は秘密でも何でもないよな、という気にもなりました。つまり当初全く想定していなかったコンテンツが登場しましたが、期待外で面白かったという感覚です。その意味では、政治学部の2名だけではなく、ビジネス・スクールの教授(例:企業変革論の先駆けのコッター教授とか)、経済学部の教授もあわせて紹介してほしかったという気持ちです(著者の専門性からは厳しいでしょうが)。
第4部:ハーヴァード大学で真に教えたい事
ここではマイケル・サンデルに象徴される「共同体優先主義」と、アンソニー・ダウンズが創始者と言われている「合理的選択論」が紹介されています。これも購入当時は予想していなかったコンテンツですが、中身は非常に面白かったです。特に合理的選択論者と地域研究者の対立は面白い。私は大学で経済学を専攻していたので、両者の言い分がよくわかりました。しかし経済学では1997年のアジア通貨危機や最近の世界金融危機を受けて、人間は常に合理的な判断ができるとは限らない、という考え方が強まっています(ナイトの不確実性という概念が重要性を帯びている)。また仮にミクロレベルにおいて個々人が合理的な(利潤極大)行動をとっても、マクロ的(国レベル)にはマイナスの結果となる事がある、という「合成の誤謬」についても理解が進んでいます(野村総研のリチャード・クーが「バランスシート不況」と述べている概念など)。そのため本書内でも記述されていますが、政治学と経済学の学際的な研究領域には大きな発展余地がある気がしました。後半部分は知的好奇心を十分に満たす内容でしたが、繰り返しますが題名と中身が一致していないところは改善を期待します。
読めばハーバード大学や他のアイビーリーグは日本の知識層がいうほど
大したレベルではないことがよくわかる。(特にコーネル大学)
「クリムゾンレッドよりもマルーンが優れている」は著者の師匠も常日頃からいっている。
今度はシカゴ大学についての著作を望む。
(HP「副島隆彦の論文教室」上に掲載されている著者の「修士論文」(リバータリアニズムに関する一考察)は必読である)