作家、評論家の著者が、都知事になり、オリンピック招致をどのように成し遂げたかの書。
招致に不利になる事象、最愛の伴侶を亡くしながらの作業、自分らの強みどの様に生かすかの戦略などで、オリンピックの招致に成功したかの具体的な方法を開示し、いかにして誘致に成功したかの最善の方法が開陳されております。
読めば、どの様にすれば、プレゼンテーションの極意が判るというハウトゥ本の極意が判る、という内容になったおります。
が、この後、知事に不正の疑惑が発覚し、退陣に追い込まれてしまいましのは、周知の通りです。
更に、オリンピックの誘致も賄賂で決まった事が発覚しました。
また、コロナ・ウィルスの性で、開催に反対の人が増えましたが、強行されました。
その上、組織委の中で、贈収賄や談合が発覚、逮捕者が出ました。
という事で、時間の経過で様々な矛盾が露呈し、開催の趣旨で「こころのデフレ」を払拭したり、子供たちに希望を与えたり、スポーツのいい部分を伝えたいという趣旨と真逆な大会になり、「呪われたオリンピック」という有り難くないいわれ方の大会になったしましました(組織委も、次回に開催するにしても、国民の理解が得られない、厳しいという見解になってしまいました)。
読んでいませんが、アスリートの真剣さが、個人的な利権に利用されるという評論など、スポーツの悪い部分が露呈した、最悪の結果になった感があります。
主に放送する媒体であるテレビも、携帯電話に客を取られ、見る人が激減、スポンサー企業もインターネットに広告費を回す方が増えたという事で、今後大会を日本でやっても、どれだけの収益や経済効果が得られるか疑問になりました。
という訳で、この書も出た際は、プレゼンテーションの極意を伝えるハウトゥ本でしたが、今(2024年くらい)で、どれだけ役に立つのか、或いは実際に役に立ったのか判らない、という奇書みたいになってしまいました。
あんまり悪くいいたくないですが、オリンピックが金まみれで、個人的な利権の祭典になっている、という、昔の戦争で国威の発揚に利用されたのと代わらない、大会の悪い部分が凝縮されたイベントになった感があります。
個人的に、それだけ金がかかるのであれば、全てプロ化して、金がかかってもいい様にすれば、理解が得られるかもと思います(野球でフリー・エージェント制を使っていた選手もよく「一番高い所に行きます、と常に申しておりました)。
「なぜ東京五輪招致は成功したのか? 」という類書を読むと、
「最新のオリンピック憲章に(2011年改訂版)を読むと、IOCはオリンピック・ムーブメント(五輪運動)の最高機関であると規定されており、その目的は『オリンピズムとその諸価値に従い、スポーツを実現することを通じて若者を教育し、平和でよりよい世界の建設に貢献すること』と記されている。五輪運動とは、オリンピズムの理念を掲げた社会運動であり、IOCの役目は、その存続を図ることとなる」
という風に書いてありますが、まったく理念が無視され、一部の人の利権に利用されている大会だったとか。アスリートの誠意や低年齢の選手の人の純真さや障がいのあるアスリートの人の社会参加への熱意も個人的な金に利用されている現実が露呈した凄い大会みたいで。
果たして内容に書いてある事がどれだけ役に立つのか疑問の不可解なハウトゥ本。お暇なら是非。
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勝ち抜く力 なぜ「チームニッポン」は五輪を招致できたのか (PHPビジネス新書) 新書 – 2013/12/19
猪瀬直樹
(著)
2011年5月、IOCの覆面調査における国民支持率は47%。そこからいかに五輪の機運を高め、招致成功に導いたのか。東京都知事として先頭に立ち、五輪招致の奇跡に導いたプロセスを明らかにする
内容例を挙げると、◎招致活動の最初の記者会見をロンドンから発信したことの重要性 ◎情報を一元的に集約しロビー活動に戦略と戦術を導入 ◎オールジャパン体制で同じ目標を共有 ◎評価委員会の皇太子殿下表敬訪問が実現 ◎五輪はスポーツの大会なのだから「アスリートファースト」を前面に押し出す ◎自ら65歳にして初のフルマラソンを完走――
そして、招致活動の合間には最愛の妻を突然の余命宣告により失ってしまう。また最後のブエノスアイレスでは、福島原発汚染水問題が立ちはだかる
幾多の難局を、作家としての深い歴史観を礎にして、東京の魅力を外国人に伝え続けてきた著者
五輪招致の舞台裏で繰り広げられた苦闘と感動のドラマ。
内容例を挙げると、◎招致活動の最初の記者会見をロンドンから発信したことの重要性 ◎情報を一元的に集約しロビー活動に戦略と戦術を導入 ◎オールジャパン体制で同じ目標を共有 ◎評価委員会の皇太子殿下表敬訪問が実現 ◎五輪はスポーツの大会なのだから「アスリートファースト」を前面に押し出す ◎自ら65歳にして初のフルマラソンを完走――
そして、招致活動の合間には最愛の妻を突然の余命宣告により失ってしまう。また最後のブエノスアイレスでは、福島原発汚染水問題が立ちはだかる
幾多の難局を、作家としての深い歴史観を礎にして、東京の魅力を外国人に伝え続けてきた著者
五輪招致の舞台裏で繰り広げられた苦闘と感動のドラマ。
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2013/12/19
- ISBN-104569816932
- ISBN-13978-4569816937
商品の説明
著者について
東京都知事
登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2013/12/19)
- 発売日 : 2013/12/19
- 言語 : 日本語
- 新書 : 208ページ
- ISBN-10 : 4569816932
- ISBN-13 : 978-4569816937
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,687,927位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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作家。1946年長野県生まれ。
83年に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『日本凡人伝』を上梓し、87年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞。定評の評伝小説に『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』『こころの王国 菊池寛と文芸春秋の誕生』がある。
『日本国の研究』で96年度文藝春秋読者賞。
2002年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。その戦いの軌跡は『道路の権力』『道路の決着』に詳しい。06年に東京工業大学特任教授、07年に東京都知事に任命される。近著に『ジミーの誕生日 アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』『東京の副知事になってみたら』。また、『昭和16年夏の敗戦』中公文庫版が2010年6月に刊行された。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年12月24日に日本でレビュー済み
書店で読んでみました(詳しくは後述)。
東京五輪をもぎ取った力量と計画は大したものです。
猪瀬直樹という人は計算が上手い、これは見事なものだと思います。
ただ往年の作風を知る人間から見れば、
彼自身が追求すべき存在に彼自身がなってしまった寂しさというものを感じます。
ある欧米の評論家がテレビ番組で語っていましたが
「(猪瀬氏は)有権者を騙した手口で五輪招致を騙して手に入れた、福島の汚染水を世界にごまかして五輪を決めた」
騙す…これが世界の評価なのです。そして日本という国の評価にもなったわけです。
そういう意味では、誤魔化しで「勝ち抜き」その場をしのいでも
真の評価はされないということです。ましてや晩節や国の誇りを地に貶めた。
おそらく、このままでは日本人は「比類なき嘘つき民族」だと今後1千年は語り継がれる事でしょう。
あの五輪招致に参加した政治家やメンバー一同は日本国民に謝罪してほしいものです。
なお、私はこの本を「本屋」の立ち読みで読みました。
表現規制を主張した人間の作品はまったく評価すべきではないと存じます。
また印税も与えるべきではないと思い購入しませんでした。
よってこの評価です。
現在、泥にまみれ、地に落ちた著者ですが
まだルポライターとしてやるべきことが残っているはずです。
己の身に起こった事件の一切合財をすべて世に明らかにすべきです。
それでこそ、本物のノンフィクション作家ではないのでしょうか?
東京五輪をもぎ取った力量と計画は大したものです。
猪瀬直樹という人は計算が上手い、これは見事なものだと思います。
ただ往年の作風を知る人間から見れば、
彼自身が追求すべき存在に彼自身がなってしまった寂しさというものを感じます。
ある欧米の評論家がテレビ番組で語っていましたが
「(猪瀬氏は)有権者を騙した手口で五輪招致を騙して手に入れた、福島の汚染水を世界にごまかして五輪を決めた」
騙す…これが世界の評価なのです。そして日本という国の評価にもなったわけです。
そういう意味では、誤魔化しで「勝ち抜き」その場をしのいでも
真の評価はされないということです。ましてや晩節や国の誇りを地に貶めた。
おそらく、このままでは日本人は「比類なき嘘つき民族」だと今後1千年は語り継がれる事でしょう。
あの五輪招致に参加した政治家やメンバー一同は日本国民に謝罪してほしいものです。
なお、私はこの本を「本屋」の立ち読みで読みました。
表現規制を主張した人間の作品はまったく評価すべきではないと存じます。
また印税も与えるべきではないと思い購入しませんでした。
よってこの評価です。
現在、泥にまみれ、地に落ちた著者ですが
まだルポライターとしてやるべきことが残っているはずです。
己の身に起こった事件の一切合財をすべて世に明らかにすべきです。
それでこそ、本物のノンフィクション作家ではないのでしょうか?
2013年12月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本の発売日が、著者自らの辞任会見と重なったことは、まったく運命的である。
第7章には、東京オリンピック開催決定後を新たなスタートとして、カジノ合法化や、
横田基地の軍民共用化、渋滞解消のためのインフラ整備などオリンピックにからめた
政策が提案され、今後の展望が述べられている。しかし、自らの疑惑が原因で、
実現することはできなかった。著者は、最後まで勝ち抜くことはできず、
負けてしまったのだ。
しかし、東京オリンピック開催は変わらないし(まさか五輪返上などという馬鹿げた
ことはしないだろう)、本書で強調されている「チーム日本」の協力体制は、今後、他の分野でも
モデルとして活かせる良い実例である。もともとは、地方自治体の長・石原慎太郎が提案した
オリンピックである。その提案に、スポーツ界が乗り、さらに選手、民間、アナウンサー、
そして皇室、政府、総理までが協力したプロジェクトチームだから、世界の舞台で力を発揮したのだ。
著者が以前から主張している縦割り行政の弊害にたいして、今回の招致活動は地方自治体、
政府官邸、文科省、宮内省、民間、国民が協調し、「昭和16年夏の敗戦」ではシュミレーションで
しかなった総力戦体制を現実の世界で実現しているといえる。そして、決定の瞬間、マスコミを
含めておおくのひとびとが喝采を送ったは、様々な世代や出自、職業の人々が連携した
このチームに何か特別なものを感じたからだったはずである。
筒井康隆は、偽文士日碌のなかで、著者に対して「知事なんか早くやめて、また作家に戻ればいい」
「作家ならば、どんな悪いことをしても不名誉ではないのだ」と言い切っている。
著者は、本書のなかで今回の招致では、「ミカドの肖像」や「昭和十六年夏の敗戦」などの
執筆が生かされたと書いている。文学が現実に生かされたと言っている。であれば、
逆も真なりで、知事時代の活動や徳洲会との疑惑をも文学にできるはずである。
それこそ、誰も書けない迫力のあるノンフィクションになるのではないだろうか。
アマチュアの自伝ではなくて、プロの作家が自らを描くのだから。
第7章には、東京オリンピック開催決定後を新たなスタートとして、カジノ合法化や、
横田基地の軍民共用化、渋滞解消のためのインフラ整備などオリンピックにからめた
政策が提案され、今後の展望が述べられている。しかし、自らの疑惑が原因で、
実現することはできなかった。著者は、最後まで勝ち抜くことはできず、
負けてしまったのだ。
しかし、東京オリンピック開催は変わらないし(まさか五輪返上などという馬鹿げた
ことはしないだろう)、本書で強調されている「チーム日本」の協力体制は、今後、他の分野でも
モデルとして活かせる良い実例である。もともとは、地方自治体の長・石原慎太郎が提案した
オリンピックである。その提案に、スポーツ界が乗り、さらに選手、民間、アナウンサー、
そして皇室、政府、総理までが協力したプロジェクトチームだから、世界の舞台で力を発揮したのだ。
著者が以前から主張している縦割り行政の弊害にたいして、今回の招致活動は地方自治体、
政府官邸、文科省、宮内省、民間、国民が協調し、「昭和16年夏の敗戦」ではシュミレーションで
しかなった総力戦体制を現実の世界で実現しているといえる。そして、決定の瞬間、マスコミを
含めておおくのひとびとが喝采を送ったは、様々な世代や出自、職業の人々が連携した
このチームに何か特別なものを感じたからだったはずである。
筒井康隆は、偽文士日碌のなかで、著者に対して「知事なんか早くやめて、また作家に戻ればいい」
「作家ならば、どんな悪いことをしても不名誉ではないのだ」と言い切っている。
著者は、本書のなかで今回の招致では、「ミカドの肖像」や「昭和十六年夏の敗戦」などの
執筆が生かされたと書いている。文学が現実に生かされたと言っている。であれば、
逆も真なりで、知事時代の活動や徳洲会との疑惑をも文学にできるはずである。
それこそ、誰も書けない迫力のあるノンフィクションになるのではないだろうか。
アマチュアの自伝ではなくて、プロの作家が自らを描くのだから。
2014年1月10日に日本でレビュー済み
猪瀬さんの書いた新書「〜の力」はいくつか読んだことがあります。
どれも高評価だったのですが,私には著者の言葉が生きておらず,
自慢話としか受け止められませんでした。
しかし今回著者が引き起こした件で,ようやくもやもやした物が払拭されました。
結局,著者は悪い意味で物事を深く考えて行動していなかったのでしょう。
つまり,独善的であったのでしょう。
これは恐らく,著者の早い決断と行動が最善だとの強い想いによるのではないか。
この想い自身は悪くはないのですが,
自身及び他者からのフィードバックが少なからずあればよかったのでしょうが,
無かったのでしょう。
今回の件では,全ての物事に後先考えずに反射的にこの想いを適応してしまったのが間違いだったのではないでしょうか。
著者の決断力,行動力,発信力は私のような凡人からすれば素晴らしと思います。
次作では,自慢話だけでなく,今回の件の内省と今後のこと,
著者の決断や行動,人間関係の苦悩やハッピーだったことなどなど,
著者の生きた姿が見えるものを書いて欲しいです。
どれも高評価だったのですが,私には著者の言葉が生きておらず,
自慢話としか受け止められませんでした。
しかし今回著者が引き起こした件で,ようやくもやもやした物が払拭されました。
結局,著者は悪い意味で物事を深く考えて行動していなかったのでしょう。
つまり,独善的であったのでしょう。
これは恐らく,著者の早い決断と行動が最善だとの強い想いによるのではないか。
この想い自身は悪くはないのですが,
自身及び他者からのフィードバックが少なからずあればよかったのでしょうが,
無かったのでしょう。
今回の件では,全ての物事に後先考えずに反射的にこの想いを適応してしまったのが間違いだったのではないでしょうか。
著者の決断力,行動力,発信力は私のような凡人からすれば素晴らしと思います。
次作では,自慢話だけでなく,今回の件の内省と今後のこと,
著者の決断や行動,人間関係の苦悩やハッピーだったことなどなど,
著者の生きた姿が見えるものを書いて欲しいです。
2013年12月20日に日本でレビュー済み
東京で開催することが決定した2020年夏期オリンピック。
その招致活動を当事者であった著者が綴っています。
作家とはいえ、このような本を知事在職中にもかかわらず
「自ら」ペンを取り出版してしまえるところが著者らしく、
自信の程がうかがえます。
まえがきから「『失われた二十年』の間にすっかり負け癖が
ついてしまった日本に、もう一度『勝ち抜く力』を取り戻す
一助になれば幸いだ」と、今となっては二度と見ることが
できないであろう猪瀬節もここではフルスロットル。
基本的には招致活動での出来事が淡々と書かれていますが、
所々に過去の著作を持ち出しての自画自賛が飛び出したり、
哲学者や歴史家などの言葉を引用して教養アピールしつつ
解説したりするなど読者を飽きさせないところはさすが。
読んでいてこれほど楽しい本は滅多にない。
840円+消費税の本書には5000万円の価値がある。
2013年の最後を飾るにふさわしい一冊です。
皆さんも本書を手に取って東京オリンピックへと続く
マラソンの第一歩を踏み出しましょう!(笑)
その招致活動を当事者であった著者が綴っています。
作家とはいえ、このような本を知事在職中にもかかわらず
「自ら」ペンを取り出版してしまえるところが著者らしく、
自信の程がうかがえます。
まえがきから「『失われた二十年』の間にすっかり負け癖が
ついてしまった日本に、もう一度『勝ち抜く力』を取り戻す
一助になれば幸いだ」と、今となっては二度と見ることが
できないであろう猪瀬節もここではフルスロットル。
基本的には招致活動での出来事が淡々と書かれていますが、
所々に過去の著作を持ち出しての自画自賛が飛び出したり、
哲学者や歴史家などの言葉を引用して教養アピールしつつ
解説したりするなど読者を飽きさせないところはさすが。
読んでいてこれほど楽しい本は滅多にない。
840円+消費税の本書には5000万円の価値がある。
2013年の最後を飾るにふさわしい一冊です。
皆さんも本書を手に取って東京オリンピックへと続く
マラソンの第一歩を踏み出しましょう!(笑)