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なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略 (PHP新書) 新書 – 2014/6/13

4.3 5つ星のうち4.3 347個の評価

グローバルとローカルの経済圏を区別せずにその施策を考えていたため、格差問題が生じ、日本経済は停滞してしまっていた。
グローバル企業がいくら稼いでも、日本経済全体の占有率は3割にすぎない。雇用にいたっては、2割程度である。残り7割のローカル経済圏が復活してこそ、初めて成長軌道に乗ることができる。
内容例を挙げると、◎「GとL」を理解すれば格差問題の実相も見えてくる ◎日本のグローバルプレーヤーが長期的に後退してきた本当の理由 ◎大企業と中小企業ではなくグローバルとローカルで分ける ◎ほとんどの産業がローカル経済圏のプレーヤー ◎「コト」消費の時代の到来で「GもLも」戦略に追い風が吹き始めた等々
そして、今、労働市場で人類史上発の巨大なパラダイムシフトが起きている、と著者は主張する。GDPや企業の売上が緩やかに減少していく中で、極度の人手不足が起こっているのだ。
日本経済復活へのシナリオを明らかにする一冊。
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商品の説明

出版社からのコメント

プロローグ 労働力消滅!? 今、かつてないパラダイムシフトが起こっている

第1章 グローバル(G)とローカル(L)という二つの世界
GとL、二つの世界の現場に携わって芽生え始めた「違和感」
単純なイデオロギーだけで、明快な解を得ることができなかった
ありのままの現実……グローバル化のパラドックス

第2章 グローバル経済圏で勝ち抜くために
グローバル経済圏のリアル
日本のグローバルプレイヤーが長期的に後退してきた本当の理由
目指すは「稼ぐ力のオリンピックチャンピオン」

第3章 ローカル経済圏のリアル
ローカル経済圏に向けられる根強い誤解
ローカル経済圏の経済性は何で規定されるか?
GかLかではなく、GもLもいいではないか!

第4章 ローカル経済圏は穏やかな退出と集約化で寡占的安定へ
淘汰が起きにくいローカル経済圏では「穏やかな退出による集約化」がポイント
「県大会」上位を目指すローカル経済圏で必要なのはカリスマ経営者ではない
「地方発のグローバル企業を育成せよ」は正しいか

第5章 集約の先にあるローカル経済圏のあるべき姿
退出のキーとなるのは地方金融機関のデットガバナンス
Lの世界に生きる企業の最重要KPI(主要業績指標)は労働生産性
どんな会社が労働生産性を高める潜在力を持っているのか?

第6章 GとLの成長戦略で日本の経済・賃金・雇用は再生する
構造的なパラダイムシフトからは逃れられない
このパラダイムシフトこそ経済と雇用と賃金再生の大チャンス!
「コト」消費の時代の到来で「GもLも」戦略に追い風が吹き始めた

エピローグ―双発なる会話
参考文献

著者について

経営共創基盤CEO

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ PHP研究所 (2014/6/13)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2014/6/13
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 273ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4569819419
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4569819419
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.7 x 1.4 x 17.3 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 347個の評価

著者について

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冨山 和彦
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2020年8月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
G(グローバル経済圏)とL(ローカル経済圏)の対比について、明瞭に図示やグラフを用いながら、
解説されている。

日本のGDPの7割はLの経済圏であり、ローカル経済圏が日本のGDPの復興に重要である事が説かれている。その分析は、秀逸であり、冨山和彦氏の慧眼が垣間見える。

新型コロナの影響で、地方分散が進む可能性がある中、ローカル経済圏の復興、見直し等を考えてみて損のない時期。経済成長戦略を練るには、非常に参考になる一冊と言える。

バブル以後、グローバル経済圏で規制緩和をして生産性を上げても、結果的にグローバル経済圏とローカル経済圏の格差が広がってしまうだけだった。例えば、IT起業家が繁栄を謳歌する一方で、ローカル経済圏の労働者は不満だった。

新自由主義の考えでは、グローバル経済圏が豊かになれば、ローカル経済圏も豊かになる
トリクルダウンが働くことになる。
しかし、「トリクルダウン理論」は起こらなかった。

以下、書籍の内容の個人的に気になる内容を簡単にまとめた。

【グローバル化のパラドックス】

グローバル化が進めば進むほど、返ってグローバル経済圏から切り離される人が多くなる現象。
実際先進国でも大半の人はドメスティックな仕事をしていて、ドメスティックな顧客から収入を得ている。
 経済活動を付加価値構成に分解して考えると、実は非常に大きな割合が、ローカルな世界から生産され消費されている。

 多くの人々の頭の中は、今だに昭和40年代の加工貿易立国で占められている。
今も国内に残っている工場に行ってみれば、ほとんど人がいないことに驚く。
 従業員がいるのは機械を操作するためのブースや、工場を管理する部門の事務所くらいで、日本の工場は、世の中の大半を象徴する存在ではなくなっている。

日本国内に残っている機能のかなりの部分はサービスやメンテナンスなどの第3次産業的機能である。

かつて、加工貿易立国だった時代だったら、パナソニックや日立、トヨタが打撃を受けると、
その下請けや孫請けも共倒れになった。

今は、このゾーンがわずか3割程度に過ぎない。
例えば、ローカルなサービス産業は、大手メーカーがリーマンショックで打撃を受けても直接の関連性がないため、あまり影響がない。

【田中角栄の列島改造計画による地方分散】

「地方は疲弊していて仕事がなく、結果的に人手が余っていて、職に困った若者が東京に出て言ってしまい空洞化が起こっている。」

加工立国モデルによる高度経済成長は、日本人の所得を大幅に上昇させた。
1970年代に入り、産業地域間の格差が顕在化すると、今度は田中角栄元首相の列島改造計画による、日本型所得再分配政策が始まり、バブルが弾ける頃まではこれが上手く機能した。

地方に積極的な公共投資を行うという形で再分配を行い、道路や新幹線が通った後にさらに工場を立てて行くパターンだ。工場労働者の生活水準は高く保たれていた。
企業という単位での様々なノウハウの蓄積がうまく機能していた。

但し、この時代の競争は本当の意味でのグローバル化では無かった。

東西冷戦の終結と同時にバブル経済も崩壊し、同じようなモデルでキャッチアップしてくる国が、
長期にわたって登場しなかった。

【バブル以後のITとグローバル化による東京一極集中】

グローバル化が進み、日本が謳歌してきたモデルと同じようなことをあらゆる国がやり始めた。

ITが導入され、ものづくりのモジュラー化が進み水平分業型になって行くと、組み立て加工の付加価値はますます下がる。
残ったのは、比較的生産性の低い労働集約型産業で働く人と高度な機械・設備による資本集約型産業や高度な専門スキルを必要とする、知識集約型産業に携わる人たち。

この二極化が、ますます進んで行った。

前提条件が崩れ、格差がで始めた頃から、日本でもイデオロギーの論争が始まった。
この20年ほどの経済政策論争は、新自由主義に行くか、社会民主主義に行くかという二項対立だった。ただ、どちらのイデオロギーにも政策は行き詰まり、イデオロギーの議論によって明確な解は生まれなかった。

【労働市場はローカル経済圏に有効】

労働市場が国際的に効率的だった試しは人類史上に置いて一度も無いし、今後も起きるとは思えない。

グローバルマーケットで一斉に競争が始まるので、比較優位が無いものは瞬く間に淘汰される。
グローバルな完全競争の経済圏では、日本企業がグローバル競争に勝っても、必ずしも国内に大量の雇用を生む訳では無い。
人件費の高い先進国では、GDPに占める割合もコンスタントに減って行く傾向がある。

例えば、トヨタがアメリカで車を売っても、日本のGDPには換算されない。
海外の生産に依存している限り、日本のGDPには一銭もカウントされない。

グローバル経済圏の製造業やIT産業では、国内では上位数パーセントの人しか雇用として吸収できない。

経済学は、貿易財(トレーダブルグッズ)の世界で物事を考えようとする癖があるため、
経済学者、特に新自由主義者(ネオコン)的な立場の人からすると、非常に説明しやすい世界。

世界中がグローバル経済圏になってくれた方が、経済的には説明がしやすくバイアスががかかる。

一方ローカル経済圏は基本的に、非製造業が中心で、本質的に「コト」
(観るコト、運ぶコト、治すコト、泊まること、・・・)

分散的な経済構造を持つ世界。

【ローカル経済圏とグローバル経済圏のGDP について】

ローカル経済圏の産業は、GDPや雇用のおよそ7割を占める。

さらにローカル経済圏の産業領域は、対面でサービスを提供するので、本質的には労働集約的になる。

サービス産業にICTを導入すればグローバル経済圏の企業のようになるという考え方があるが、それは正しく無い。
対面で行う作業を効率化することはできる。が、最終的には人間が対面でサービスを提供することに変わりは無い。

グローバル化の進展で大手製造業者の多くがローコスト大量生産モデルの生産拠点を海外に移転してしまった。理由は人件費の安さであったり、成長する海外市場へのアクセス重視の地産地消戦略。

先進国で問題となっている格差問題は、資本主義の貪欲さとか、新自由主義の暴走とか、
そんなイデオロギー的な話が本質ではく、何と言っても産業構造的、経済構造的な所に真因がある。

グローバル経済圏での日本のGDPは縮小している。
地産地消型の戦略をとる場合も、世界の中での日本市場の魅力は低下している。

よく、日本企業は株主資本利益率(ROE) が低い、資産効率が悪いと言われる。

大半の企業と大半の人がグローバル経済圏とは無縁で、全国のローカル経済圏とは無縁で、
全国のローカル経済圏、中小企業で生きているという事実を、生活している私たちが正確に把握できていない場合が多い。

【トレーダブルグッズ(貿易財)の発想】

経済学の根底にはトレーダブルグッズで発想する習慣がある。

サービス業などの非貿易財の経済学は、世の中に存在しないに等しい。
労働力は国や地域をまたいで自由に移動することがない。
製造業の場合はモノが移動するので、労働力が移動しないことを克服出来る。
しかし対面型のサービス産業は、完全にその地域、場所の労働力に規定される。

新自由主義寄りの人たちは、自由競争の原理を徹底追求する一方で、
労働市場の自由化による労働「移動」を促し、社会民主主義寄りの論者は、所得再分配と労働規制の強化で、かつての日本型正規雇用に少しでも多くの労働者を移動させようとする。

【GとLの共栄共存を目指す】

アメリカで最も安定的に高収益を稼ぎ出す金融機関がある。
ローリスク・ハイリターンで業績の振れ幅が小さく、ROEが持続的に高い銀行。
「ウェルズ・ファーゴ」という銀行は、グローバル金融には全く背を向けたスーパー地銀である。

地域のドミナントを作り、そこでせっせと預金を集め、地域内の顧客にせっせと貸すという業態。
金融機関においても、多くの商業銀行は本来的にはローカル経済圏のビジネスである。

事業そのものの問題は、いくら銀行が泣いても解決しない。
再生における問題の本質はP/L(損益計算書)の負債よりも事業の部分。

ローカル経済圏のサービス産業が勝つために必要なのは、集約化を進め、ベストプラクティスに真面目にコツコツ取り組むことだ。

「Lの世界」の名門が傾くのは、競争に負けるパターンよりも、いわゆる腐敗や内紛に起因するパターンが多い。
極端な腐敗が起こるのは、所有と経営が一致しているオーナー企業に多かった。

実際問題、将来に見通しが立たない企業に融資するより、将来のビルであろうM &Aの書い手にお金を貸した方が、金融機関に取っても建設的だ。

むしろこれから安定的な資金需要があるのは、Lの世界の企業や産業である。
Lの経済圏の企業は非上場の中堅、中小、零細企業が多く、足元の収益力の低い会社も多い。

したがって、間接的に依存せざるを得ない。
加えて、労働需要の逼迫やエネルギーコストの高騰で、生産性の向上を厳しく迫られている。
そこで、潜在的には設備投資やIT投資、省エネ投資、あるいは淘汰再編に関わるM &A 資金などの
資金需要は高まっている。

・Lの世界に生きる企業の最重要KPI(主要業績指標)は労働生産性。
・サービス産業はキャッシュフローが安定している。
・金融的にはローリスク・ローリターンのカテゴリーにいるビジネスモデルである。
・エクイティー(出資生資金)ではなく、デット(融資性資金)と相性が良い。すなわち、商業銀呼応モデルの地域金融機関と相性が良い。

【中小企業の経営者の資質】

中小企業の場合、事業体の6割から7割程度は経営者の資質になる。
地味な創意工夫や改善努力を営々続けるのに必要な経営に関わる基礎知識と、意志の力にかかっている。スーパーカリスマ経営者を求めているわけではない。

チャラチャラしたアイデアや人脈を人脈を吹いて回る奴、ふわふわしたビジョンばかり語るような奴は、どんな高学歴でも、どんな華麗な社交人でも、Lの世界の経営者には絶対向いていない。

経営者の資質は、多くの場合は、現場に投影される。
その人の実力は現場現物程度だと思った方が良い。

【日本における地方分散の推移】

限界集落の多くは、戦後の引き揚げと都会の空襲被害で焼け出された人で増加した人口を吸収するために作られた。

太平洋側が工業化し大量の雇用を必要としたため、東北や日本海側から凄まじい人が流出した。
減少に転じたのは、田中角栄元首相の登場による。
新幹線を通し、道路を通し、工場を誘致する事で人は地方に戻って言った。

バブル後、再び減少に転じた。

【ローカル経済圏のキーワードと集約化】

・一つはコンパクトシティ化
・効率的な公共サービスや高密度の消費構造を作ること。
・外国人労働者の急増による社会的ストレスに対し、日本社会はかなり脆いと思っている。
アメリカのように最初から移民で出来上がった国とは事情が異なる。
・移民政策は、今よりもっとややこしい民族問題になる。
・ヨーロッパでネオナチが台頭した背景には、移民政策から生まれた失業増などの
社会ストレスがある。
・グローバル経済圏の外国人労働者を雇用する事は、最低賃金を下げる効果を持つ。
・ローカル経済圏の産業は、事業、そして地域の長期的なサスティナビリティにコミットしなければならない。
・グローバル経済圏では、積極的に高度人材である外国人を受け入れる事を推奨したが、この世界に入って来る外国人はインテリである。
・GとLのそれぞれに優劣はなく、選択できる環境づくりが肝要。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
グローバル企業とローカル企業を対比し、分かりやすく解説をしている。グローバル企業のバリバリ活躍や、テッキーなベンチャー起業にばかり注目が集まりがちな今日ではあるが、ローカルなサービス産業の生産性に着目した本書は、地方に住むというオプション選択に対し示唆を与えてくれる。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年4月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本が上梓されてから、もう8年ほどたったが、全然色褪せてない。コロナ禍が過ぎようしている現代、GとLの働き方が変わり、特にLの生産性は上昇していると思う。

待ったなしの日本社会において、各々のこれからの生き方を再確認させてくれる良書だった。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2021年11月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
宮家さんの本は必ず読み、いつも解説の奥深さ、情報収集と分析に凄味感じますが、今回は分析が長すぎて飽きてしまいました。
2014年12月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現在の日本はグローバル環境ばかりに目を奪われ、
輸出主導型の経済成長を模索している。

本書は、そんな日本の在り方に対して、
日本はグローバル企業・経済だけでなく、
ローカル企業・経済(主にサービス業)にもテコ入れしないと国が滅んでしまうぞ、
と異を唱える快著である。

著者は、ボストン・コンサルティング・グループに在籍したことがあるなど、
企業戦略のプロとして腕利きである。
現在も、ぴあなどの社外取締役を務めていて、
まさにローカルから見た、日本経済のあるべき姿を熟知している人物だ。

では、なぜローカル経済から日本が甦るのか、ということだが、
つまるところ、グローバル経済からでは甦ることができないから、
ローカル経済で甦ろう、ということに尽きる。

「グローバルな完全競争の経済圏では、日本企業がグローバル競争に勝っても、
必ずしも国内に大量の雇用を生むわけではない」(本書P47)
「トヨタがせっせとアメリカで生産してアメリカで車を売っても、
日本のGDPには換算されないからだ」(同)

というわけである。
本社は日本にあるが、結局のところ、
本社機能というのは、一部の高度な機能を集約しているだけで、
製造業の主である製造については、製造している現地しかその恩恵に与れないのだ。

残念なことに、グローバル企業の製造拠点を日本に持ってこようと思っても、
人件費や光熱費の問題で、とても日本では製造できない現実がある。

だから著者は、グローバル経済ではなく、ローカル経済に目を向けよ、と提唱するのだ。

ローカル経済とは、つまりは流通やエンタメなどのサービス業である。
こうしたものは、その場所でしか役割を果たせない、だがすごく重要な産業である。
こうした産業に力を入れることが、長期的な日本の成長にとって重要だということだ。

具体的に、どのような方策がいまの日本に必要なのか。
著者は、私案としてしっかりとその道すじを示している。

日本を崩壊から救うための議論をするうえで、
その礎として、ぜひ読んでおきたい一冊。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年12月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者はグローバル経済圏とローカル経済圏に分けて経済性や競争ルールを考える。
確かに世の中勝ち組などのランクづけがされ、あたかもGが上位のような論調であることが多い。また、経済を語る場合も学術的な話も政策も分けては考えずベースがGを良しとする議論が多い。

普段中小企業をサポートする中で感じていた違和感が細部は若干異なれどほぼ思っていたことが書かれている。実際インターネットの発達や輸送手段の発達により中小企業でも海外と取引する場合が増えている。しかし、海外マーケットで勝負をすることとはまた違う。あくまでフィールドは日本でそのほとんどは地方の中核都市近隣がマーケットである。一緒に考えてはいけないということもルールが違うこともおおむね賛成できる。

しかし、一部乱暴だなと思うところもある。賃金の部分は非常にセンシティブな話しだけに経済合理性のみで語れる話ではない。最低賃金が上昇すれば確かに退出を余儀なくされる企業も出よう。そうなると当然従業員は職を失うこととなる。著者のいうように買収がうまくいけばよいが現実はそううまくはいかない。しかし、その空いたマーケットは確かに生産性が高い企業が埋め集約される。人手不足であるから再雇用されるとの前提であろうが働く本人はその失業状態という不確定な未来を避けたいと思う。場合によってはチャレンジすることなくそのショックで最悪のケースを迎えてしまうことも多くあるだろう。実際に日本は年間3万人を超える自殺者がいる。産業再生機構のように戦略的に再生が行えれば本書中にあるようにサポートも出来るだろうが、自然な経済合理性の中ではそのようなサポートはほとんど無く自助努力にゆだねられる。

退出を促す前にそのようなケースをサポートする社会的インフラの整備が必要であろう。

とはいえ、大筋は肌身で感じている現状と合致する。われわれもLの世界の業種であり、人手不足は確かに深刻である。

自民党が選挙で勝ち与党が継続することになった現在、今後どのように政府がアベノミクスの恩恵を地方に配分するのか注視したい。G理論で政策を実施するのか、それともL理論に立脚するのか。。。

ある一定の上級職にある方や銀行マンなどは面白くまた時に現実問題そう簡単じゃないんだよなどと思いつつ読める1冊かと思います。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート