『失踪症候群』に続く3部作の第2弾。基本的には謎と解決は本作で完結しているが、主要登場人物の説明や職業は最小限なので、続けて読むのがベストでしょう。
連続して起こる数百万の身代金の誘拐事件。そして“仕事人”たちのメンバーである托鉢僧・武藤を身代金受け渡し人に指定しての誘拐事件は、子供の殺害と身代金の焼却という最悪の結果に終わった。前者の事件には、自らの存在を隠して全てを操る<ジーニアス>の存在が…。
ネット時代の誘拐とはいかなるものか、徹底して考えられた計画が素晴らしい。
<ジーニアス>の描き方もなかなか巧いです。
<ジーニアス>を追いつめるために仕事人のボス・環がとった方法など、読後感は単純に爽快とは言い難いです。
とはいえ、最後には“仕事人”が勝つというのはお約束かもしれませんが、救いといえるでしょう。
本格ミステリのエッセンスと小説の面白さが結実したエンターテインメント・サスペンスとでも言えるでしょうか。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
誘拐症候群 単行本 – 1998/3/1
貫井 徳郎
(著)
- 本の長さ361ページ
- 言語日本語
- 出版社双葉社
- 発売日1998/3/1
- ISBN-104575233374
- ISBN-13978-4575233377
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
百万円という単位の「小口」の身代金目的の連続誘拐事件。警察にも届けず沈黙する家族。奪った身代金を廃棄する犯人。托鉢僧で、警視庁の環敬吾のもとで働く武藤隆が、奇妙な誘拐事件の真相に迫る。
登録情報
- 出版社 : 双葉社 (1998/3/1)
- 発売日 : 1998/3/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 361ページ
- ISBN-10 : 4575233374
- ISBN-13 : 978-4575233377
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,015,468位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 470,234位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2013年5月10日に日本でレビュー済み
前作に比べるとストーリーに無理がなく、ミステリ要素はやや薄いが
ちょっとしたサスペンスとして楽しめる
ただ犯人が設定的に何度も犯罪を犯す必要もなさげなのがいまいち
単純に無職とかでよかったのでは
まあ気楽に読むにはちょうどいい一冊
ちょっとしたサスペンスとして楽しめる
ただ犯人が設定的に何度も犯罪を犯す必要もなさげなのがいまいち
単純に無職とかでよかったのでは
まあ気楽に読むにはちょうどいい一冊
2012年9月29日に日本でレビュー済み
症候群シリーズの第2作。
非合法も含めて警察が直接手出しできない案件を,
チーム環が片付けるという基本構成を引き継ぎますが,
かなりパワーアップしていました。
パソコン関係を扱うので,
今では10年たって古典SFのようなのりになってしまっているかと思いきや,
いやいやこれがどうして,頭をシフトチェンジしなくても楽しく読めます。
貫井作品には残酷はあっても,残虐がないので読後感が悪くならないですね。
非合法も含めて警察が直接手出しできない案件を,
チーム環が片付けるという基本構成を引き継ぎますが,
かなりパワーアップしていました。
パソコン関係を扱うので,
今では10年たって古典SFのようなのりになってしまっているかと思いきや,
いやいやこれがどうして,頭をシフトチェンジしなくても楽しく読めます。
貫井作品には残酷はあっても,残虐がないので読後感が悪くならないですね。
2006年11月17日に日本でレビュー済み
キャラクターが魅力的だ。仮の姿と真の姿と言うべきか、いずれも真の姿と言うべきか、固定観念を打ち破った、キャラクターである。作者のきめ細かい誠実な描写は、安心して読み進めることができる。
2010年8月5日に日本でレビュー済み
「症候群」シリーズ第2作。シリーズの中では、いちばんサスペンスも効いているし、全体としての完成度は高いかもしれないが、疑問に感じるところがいろいろあって、私としてはそう手放しで絶賛はしにくい作品。
まず、警視庁の環敬吾が率いる「影の捜査チーム」から、事情があって一人(武藤)が脱落していること。チームの活躍を描くという、このシリーズの基本設定を、作者自身が大事にしていないのは問題だろう。
武藤が脱落した事情である、彼が巻き込まれた誘拐事件自体は、スリルがあって引き込まれるのだが、本作で明かされる、あの程度の犯人が、捜査のプロの武藤を、あんなに振り回せるはずがないだろう。どう考えても黒幕がいる(その候補者も描かれている)と思われるのに、明確に描かないのはハッキリ言って不自然である。
もう一つ、武藤抜きの環チームが追う、本筋の誘拐事件の犯人「ジーニアス」も、この作品のような手口であれば、別に違法な捜査をしなくても、証拠を集めることは可能だろう(普通にネットを使っていれば、警察の捜査に対して完全な匿名性はないはず)。そのあたり、消化不良の印象が残る。
まず、警視庁の環敬吾が率いる「影の捜査チーム」から、事情があって一人(武藤)が脱落していること。チームの活躍を描くという、このシリーズの基本設定を、作者自身が大事にしていないのは問題だろう。
武藤が脱落した事情である、彼が巻き込まれた誘拐事件自体は、スリルがあって引き込まれるのだが、本作で明かされる、あの程度の犯人が、捜査のプロの武藤を、あんなに振り回せるはずがないだろう。どう考えても黒幕がいる(その候補者も描かれている)と思われるのに、明確に描かないのはハッキリ言って不自然である。
もう一つ、武藤抜きの環チームが追う、本筋の誘拐事件の犯人「ジーニアス」も、この作品のような手口であれば、別に違法な捜査をしなくても、証拠を集めることは可能だろう(普通にネットを使っていれば、警察の捜査に対して完全な匿名性はないはず)。そのあたり、消化不良の印象が残る。
2006年6月2日に日本でレビュー済み
周到な計画を立て誘拐を実行するジーニアス。だが、完全犯罪などと
いうのは、どんな犯罪にも絶対にありえない。ジーニアスの正体は
思わぬところから暴かれる。ひとつひとつの小さな手がかりから、
犯人にたどり着くその過程が、読んでいてとても面白かった。だが、
環のチームにいる托鉢僧の武藤が巻き込まれた誘拐事件は、読んで
いて胸が痛んだ。何の罪もない幼い子供たちが事件に巻き込まれる
ケースが、現実にも数多く起こっている。子供が安心して外で遊べる
ことができる日は、はたして来るのだろうか?
いうのは、どんな犯罪にも絶対にありえない。ジーニアスの正体は
思わぬところから暴かれる。ひとつひとつの小さな手がかりから、
犯人にたどり着くその過程が、読んでいてとても面白かった。だが、
環のチームにいる托鉢僧の武藤が巻き込まれた誘拐事件は、読んで
いて胸が痛んだ。何の罪もない幼い子供たちが事件に巻き込まれる
ケースが、現実にも数多く起こっている。子供が安心して外で遊べる
ことができる日は、はたして来るのだろうか?
2003年7月18日に日本でレビュー済み
失踪症候群のときは、環をはじめとするグループの設定と動きがあまりに特殊で、警察に本当にあるのかしらと思ったほどでした。
いまではそんなセクションなくても警察はいろいろしていると思えますけど。
今回の話は事件そのものの展開がとてもおもしろく描けていて、二つの誘拐事件が思わぬところでクロスする。
そして普段は絶対にミスを犯さない環のグループのメンバー・武藤が自分のミスから知人の子供を殺されてしまいます。もちろん厳密に言えば彼のせいではありませんが、そのことが発端でちょっと武藤の人間くささが見え隠れする。
武藤ファンにはおもしろい作品です。
そして勧善懲悪になりきっていないラストがおもしろい。
いまではそんなセクションなくても警察はいろいろしていると思えますけど。
今回の話は事件そのものの展開がとてもおもしろく描けていて、二つの誘拐事件が思わぬところでクロスする。
そして普段は絶対にミスを犯さない環のグループのメンバー・武藤が自分のミスから知人の子供を殺されてしまいます。もちろん厳密に言えば彼のせいではありませんが、そのことが発端でちょっと武藤の人間くささが見え隠れする。
武藤ファンにはおもしろい作品です。
そして勧善懲悪になりきっていないラストがおもしろい。
2004年4月9日に日本でレビュー済み
『症候群』三部作の第二作目。一作目の『失踪症候群』と同様にエンターテインメント色が強いが、トリックなどと言ったものはそれほどなく「あぶない刑事」などのような1時間の刑事ドラマを見ている感覚で楽しめた。
で、この作品ではインターネットを使った誘拐事件というものだが、97年に雑誌連載が始まった作品で、いち早くネットの匿名世界の危険性、HPを作るものの心情などが描かれたもののように思う。現在と、ネットを取り巻く環境が異なってきた部分が大きいわけだが、それでも同じネットを利用する者として共感できる部分があり、そういう点でも楽しめた。
で、この作品ではインターネットを使った誘拐事件というものだが、97年に雑誌連載が始まった作品で、いち早くネットの匿名世界の危険性、HPを作るものの心情などが描かれたもののように思う。現在と、ネットを取り巻く環境が異なってきた部分が大きいわけだが、それでも同じネットを利用する者として共感できる部分があり、そういう点でも楽しめた。